受講レポート④:「アーティストインレジデンスを学ぶオンラインレクチャー」(2022/11/28)
12/5にセミナーの受講を修了しました!
遅ればせながらまだアップしていないレポートをアップしていきます。
11月28日のアーティストインレジデンスのセミナー、
今回のゲスト講師は一般社団法人HAPS 事務局長の藏原藍子 さんでした。
一般社団法人HAPS(東山アーティスツプレイスメントサービス)は、京都(特に東山地区)で活動したいアーティストやその支援を行う方々のよろず相談所のような存在として、アーティストの居住・制作・発表支援、仕事コーディネート・法律や実務面での相談などの包括的な支援活動をおこなっている団体です。
http://haps-kyoto.com
HAPSは直接アーティストインレジデンスを行ってはいませんが、考え方や活動に共通する点は多く、参考になるお話が聞けました。
HAPSは京都市の「若手芸術家等の居住・制作・発表の場づくり」事業の一環として活動している団体で、元々は東山地区が空き家率が高くなっているという問題と、京都に定着するアーティストが少ないことを結びつけて物件のマッチングなどを行ったり、行政と地域(民間)とが連携しながら取り組みを進めることを目的にスタートしたそうです。
現在は、文化芸術で人が輝く社会づくりのモデル事業として、アートと共生社会をテーマにした活動もされています。
HAPSの取り組みでは、高齢者施設での舞台芸術作品の制作や地域の小学校の教室での展示、街の樹木を使った糸染めや挿木プロジェクトなど、多様な形で地域とアートを結びつける活動をする一方、アーティストに地域の行事に参加してもらったり、スキルを活かして地域の仕事を手伝ってもらったりすることで、地域とアーティストとが互いにプラスなる関係性を築く支援をしています。そうした企画も、アーティストレジデンスとしてもぜひやってみたいことです。
他にも講義の中でアーティストインレジデンスの運営で参考になった話をピックアップします。
・地域からもアーティストからも信頼される関係性を築くこと。地域の人と話をするときは、どういう関わりをしようと思って来ているのか覚悟が問われることも多い。
・活動を知ってもらうためには新聞、テレビ、ラジオ、ウェブメディアなど、様々な形での発信を心がけるべきだが、個々に相談しようという話になるのは、実際に会って信頼関係を築く中で得られるもの
・行政の目的とアーティストの目的は一致しないものなので、個々のアーティストが持っている関心や、作品の中で何をしようとしているのかをよくリサーチし、マッチングを検討する必要がある。
HAPSの活動は地域とアートの関係を考えるときに参考になるお話が多く、地域の課題とアーティストの活動を結びつけることや、アーティストと地域との接点を増やしてそこでしかできない作品を生み出したり、豊かな社会のきっかけを作り出す活動は、アーティストインレジデンスでも取り組んでいきたいなと思いました。
最後のレポートもまたアップしたいと思います。