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【X-T5/XF35mmf1.4】悲しかったけれど少しだけ癒された家族旅行

大事な家族を失って、それが大往生だとしても
喪失感は半端なく、それぞれの心の中は計り知れない悲しさで
いっぱいだったと思う。

年が明けて半月経った頃、突然思い立って家族旅行をした。
好きな時間に出かけて、その場で指定席を取る。
特急に乗って、窓から見える景色が変わってくると
少しだけ悲しさから離れることができた。

1日目にランチで食べたラーメンや餃子、
カフェで出会ったスイーツも久しぶりの家族旅行なだけに
特別な感じがした。

東海道線から海が見えたら、どうしても海に行きたくなって
ひたすら歩いて海岸に向かった。
たどり着いた海はただただ静かに波が寄せては返し、
私は目の前の水平線を見つめた。

ホテルにチェックインして、案内された和室の扉を開けた時
コロナ直前の旅行以来のホテル宿泊だった私はひどく感動した。

夕食も朝食も、バイキングではない、The和食。
子供達は、こういう食事で満足するだろうかと行く前から気になっていたが
お品書きを見ながら、これは何の食材だとかお肉はこれくらい焼くと美味しいとか
みんなでわいわい言いながら食べて、とても楽しかった。
大人になったなあってしみじみ思う。

帰りの特急では、景色がだんだん日常に戻っていく。
見慣れた駅に着くと、今まで湯河原にいたなんて信じられなかった。

家までの道を歩きながら、ふと
「そうか、病院に迎えに行かなくていいんだ」
と思ったら、涙があふれた。



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