
つながる短歌
SNSで日記のような俳句を読み続けるMOMOさんがいる。MOMOさんとの交流の中で生まれた短歌が増えてきたので、まとめておきたいと思う。
自分一人では歌えない歌ばかりで、人との交流ってすごい。
海へ跳ぶ大陸知らぬ白鳥を
みながらみえぬものを信じる
うみへとぶ
たいりくしらぬ
はくちょうを
みながらみえぬ
ものをしんじる
言動と内心が一致していない時もある、無理をいっているようで受け入れていたり、怒っているようで喜んでいたり。ありがとうと言いながら泣きたい自分さえもいる。本当はどう思っているのか?個体差が多い問題なので難しいけれど、わかりたいなって観察する。#1日1句俳句写し ではなく#詠んでみた pic.twitter.com/LWSPSvDKH9
— MOMO(ミヒャエルエンデの方のモモ) (@peach_pipipipi) December 16, 2024
「みえぬものを信じる』っていいフレーズだなぁと思い、自分が見えぬものを信じる時、信じたい時、信じなければいけない時ってどんな時なんだろう?と考えるうちに付句してできた一首。
大陸よりも大海の方が良かったかな?と迷う。
明日こそ、明日こそって言いながら、
最後の一羽凍死しする俺。
あしたこそ
あしたこそって
いいながら
さいごのいちわ
とうしするおれ
その後のやり取りの中で作った一首。
初めてのことに飛び込んで行く勇気ある人々を眺めながら、最後まで未知を恐れて現状維持を続けてどうにもならなくなる自分の姿を詠む。
日常が終わる時まで薄氷の
上を歩くは一人か二人

にちじょうが
おわるときまで
はくひょうの
うえをあるくは
ひとりかふたり
昨日は久々のサ活。こんなに寒いと、自分の肌がちゃんと汗をかくことを忘れてしまう。やれば出来る、と思い出す時間。足指体操をしながら、瞑想する。エントロピーのこと等。風呂上がりは17アイスのみかんジェラート。
— MOMO(ミヒャエルエンデの方のモモ) (@peach_pipipipi) February 11, 2025
何事も安定はなく、ヒヤヒヤも向き合う。#1日1句俳句写し ではなく#詠んでみた pic.twitter.com/6S48vmEmtO
薄氷の上を歩く時、一人の方がリスクも少なく安全だろう。
でも、二人で歩きたいのだ。
二人でなら薄氷の上へと歩き出せるのだ。
忘れていたり、見ないふりをしているけれど、日常生活は常に薄氷の上を歩くようなもの。
一人で歩けるほど私は強くない。
吉報を開けて喜ぶ暇もなし
去年のコート富くじは待つ
きっぽうを
あけてよろこぶ
ひまもなし
きょねんのこーと
とみくじはまつ
自分の暮らしだから、自分で変えていかねば、と諸々動いていたことが、少しずつ前に進んできた1年。決定的なことがあったのはあったけれど、それさえ忙しさで落ち着いて味わえず。これだよ、これを変えたい。ちゃんと味わったり、感謝したりできる日々を。#1日1句俳句写し ではなく#詠んでみた pic.twitter.com/nPN38UcWCj
— MOMO(ミヒャエルエンデの方のモモ) (@peach_pipipipi) December 10, 2024
吉報は届いているのに忙しくしていていたり、今の生活に追われたりして、喜べない、楽しめない、そう言うことってあるよなぁ。
落語の「水屋の富」などが頭をよぎり、同じ内容を自分なりに詠んでみる。
笑うべき時に笑い
喜ぶべき時に喜ぶ
後でゆっくり笑ったり喜んだりは、難しかったり、手遅れだったり、変質してしまったりする。
懐手して振り返り帰り道
風吹くままに春待つ柳
ふところで
してふりかえり
かえりみち
かぜふくままに
はるまつやなぎ
今年の自分のテーマは、観察。近く共存する他者。どんな風に思い、行動するのか。全てを言語化で語り合うことは難しいから、観て察する。互いの状況やペースもある。その中で、その日はどんなセッションが出来るのか。うまく奏でられる日もあれば、練習日も。#1日1句俳句写し ではなく#詠んでみた pic.twitter.com/xpEH85NamE
— MOMO(ミヒャエルエンデの方のモモ) (@peach_pipipipi) January 13, 2025
「懐手」って言葉、すごくそそられる。
色々な意味に感じられる。
その全部を崩さずに付句できないかと頑張ってみた。
赤切れの絆創膏でリズム取る
屋根のスネアは陽射しに踊る

あかぎれの
ばんそうこうで
りずむとる
やねのすねあは
ひざしにおどる
この大寒波で乾燥が強まっているのか、赤切れがひどく、沁みるので絆創膏を貼った。両親指の指先がやられており、何をするにも、ポンポンとリアルタップ音がなる。いっそリズムをとって音楽に。
— MOMO(ミヒャエルエンデの方のモモ) (@peach_pipipipi) February 8, 2025
縁起だなぁと感じる、諸々のタイミング。目の前のものを大事に。#1日1句俳句写し ではなく#詠んでみた pic.twitter.com/NLlcqdwNzW
予想できないリズムに翻弄されているのも悪くない。
傘を叩く雨粒や、トタンに垂れる水音のリズムは不規則で、しかし不快ではない。
降りかかる幸福や不幸も予測できない周期でくる。
あるがままに、あまり先を予想しすぎずに。
足寒しことを忘れる長電話
わかることより
かたりあうよる
あしさむし
ことをわすれる
ながでんわ
わかることより
かたりあうよる
足を温かくするのが肝心という句をの詠んだ翌日、早速足を守れなかった報告。
— MOMO(ミヒャエルエンデの方のモモ) (@peach_pipipipi) November 25, 2024
旅の計画をああでもない、こうでもない、と語りながら、ふりだしに戻る、ネガティヴケイパリビリティ。でも、もう一旅してきた気分なのは、もうけもの。どこでもいい、は本音。#1日1句俳句写し ではなく#詠んでみた pic.twitter.com/1XH1mFK2zx
会話するって、言葉で意味を交換してるって思いがちなんだけど、長電話した時って何を話したか覚えていないことが多い。
交換した意味に価値は無くて、交換自体に価値があったんじゃないか?
そんなことを感じた句だったので、それを強調する付句をした。
くどいかもしれない。
猫の恋言葉なしではどう伝う
嬰児の愛は肌からの熱

ねこのこい
ことばなしでは
どうつたう
えいじのあいは
はだからのねつ
一昨日、仕事終わりに気になっていた映画1STKISSを観に行きました。ネタバレは防ぎたい為、手短に言うとよかったです。もう一度観たいな。
— MOMO(ミヒャエルエンデの方のモモ) (@peach_pipipipi) February 13, 2025
信じるとは。言葉より行動、だけでは説明しきれない。エビデンス?第六感?節々にあるものを観察して自分で決めるもの。#1日1句俳句写し ではなく#詠んでみた pic.twitter.com/ZbouDpleKP
会話は意味だけじゃ無くて、交換そのものにも価値がある。
交換のしかた、伝わり方にも価値があるんじゃないだろうか?
言語によるものだけでは無く音程や響き、温度や柔らかさ、つむじの匂い、その姿、五感で交換をしている。
言葉が話せない赤ん坊との会話を思い出しながら付句した。
MOMOさん側から見たやり取りをPodcastで。