10年振りの震度5強で、東京の地震対策は大丈夫か?
7日午後10時41分の地震発生時、高齢者一歩手前の筆者はすっかり寝てました(笑)。久しぶりの大きな揺れに2011年の東日本大震災を思い起こした人も多かったでしょう。
あの時、私は都庁第一本庁舎30階の産業労働局で勤務中でした。グワン、グワン、グワン。まるで船上にいるような横揺れがいつまでも続き、窓の外を見れば、西新宿の高層ビル群が飴細工の棒のように左右に大きく揺れて今にもぶつかりそうな状況でした。都庁舎自体もグニャリと折れ曲がるのではないかと感じるほど。長周期振動です。
さて。東京都は、東日本大震災の教訓も踏まえて首都直下型地震に備えた対策を様々に講じています。それは確かにそうなのですが、ちょっと気がかりなことがあります。小池知事が大地震をはじめ災害対策に消極的なのではないかということです。小池知事の口から災害対策について力強い言葉が発せられたことはほとんどありません。口を突いて出てくるのは、国際金融都市東京やDX(デジタル・トランスフォーメーション)など、マスコミ受けする”きれいな”言葉ばかりです。
今はコロナ対策で手一杯だとしても、1期目を通じて、小池知事は都民の生命を守る都市インフラの整備に対して関心を持っていないように感じます。たとえば、木造住宅密集地域、いわゆる「木密」の解消は、都政にとって長年の重要課題ですが、はたして小池都政5年間でどれだけ進捗したのでしょうか。そもそも、小池知事は「木密」のことを十分に理解しているのか心配です。それ以外にも、幹線道路沿いのビル等の耐震化しかり、上下水道の耐震化しかり。
もちろん、技術職を中心に都職員は粛々と整備を進めているのは間違いありません。でも、行政のトップの姿勢次第で、職員のやる気も違ってきますし、予算の付き方にも差が出ます。災害対策や都市インフラの整備に積極的でない政治家をトップにいただく首都東京は、はたして大丈夫なのか。ましてや、小池知事が実質オーナーである都民ファーストの会が国政政党「ファーストの会」を立ち上げ、都政そっちのけで国政に色気を見せるなど、もってのほかです。
・・・・ちょっと感情的になってしまいました。都は東日本大震災時の帰宅困難者問題を解消するため、都内各所に一時避難場所を指定しました。駅等への人の集中を回避する方策です。では、はたして昨夜、この仕組みは機能したのか、しなかったのか。これも含めて、10年振りの震度5強を奇貨として、都の地震対策をもう一度、総点検すべきだと思います。小池知事、やるべきことは山積しています。衆院選の準備に勤しんでいる場合ではありませんよ。