歩行訓練士
皆さんは「歩行訓練士」という言葉を聞いたことがあるでしょうか??
海外では、OMスペシャリストなどと言われている職です。
日本国内では、2023年現在で1,000人程度です。
3大難関資格と言われる医者は2019年のデータで約340,000人、弁護士は2020年のデータで約42,000人、公認会計士は約38,000人です。
そうすると、いかに歩行訓練士が少ないかということがわかると思います。
歩行訓練士は、養成課程を修了することで、名乗ることができる資格ですから、上記の資格と比較するのが、ちゃんちゃらおかしいというのもその通りと思います。
歩行訓練士の養成が始まったのが、1970年であることを鑑みると、約50年で1000人、1年あたりだと20名の養成にとどまっているわけです。
この人数が多いか少ないか、読者の皆様の判断に委ねることにしておきます。
では、歩行訓練士は何者なのでしょうか?
それは、視覚障害者を対象にした福祉分野のリハビリテーションを行う人のことを指します。
歩行訓練士は、そのほとんどが、福祉施設や教育機関にへ所属しており、視覚障害者のQOL向上に資する支援や指導、助言を行っています。
視覚障害者に携行が道路交通法で義務付けられている白杖の操作訓練やスクリーンリーダーと呼ばれる、パソコンの画面情報を音声にして伝えてくれるソフトの操作訓練、調理や点字の訓練など視覚障害者が生活をする上で必要になっていくであろうスキルを伝えていく、一緒に考えていく仕事です。
視覚障害者は、約310,000人いると言われています。
この人数は、身体障害者手帳を保有している人数で、見えにくさを感じつつも手帳の対象となることを知らない、持ちたくない人も多くいるでしょうから、実際にはもっと多いと思われます。
推計で160万人ほど見えにくさがある人がいるという調査結果もあります。
また、現代のような超高齢社会では、視覚に障害がある、見えにくさを感じているという人が増加していくと考えられます。
こうして考えると、歩行訓練士1人で視覚障害者、300人を担当するという単純計算になります。
現実は、さらに厳しい状況ではありますが、、、
今回の投稿では、決して歩行訓練士の置かれている状況を知っていただきたいということではなく、視覚障害者をサポートする、視覚障害者に関心を持つ1つの機会になれば良いなと思い、記事を書かせていただきました。
視覚に限らず、障害により、これまでの生活が180度変わってしまった方がたくさんいます。
そういった人たちが障害者になってしまったから…と思わないで良いような社会にしていければと思っています。
もちろん、歩行訓練士という仕事にも少しでも興味を持っていただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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