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プロダクトマネージャーのスキルを磨くための本を主観で選んでみたYO!


まえおき

先日、こちらのイベントで登壇してきました。

発表でプロダクトマネージャーが新たなプロダクトで成果を上げるためには、個々の能力(ケイパビリティ)と意欲(Will)を最大限に活かすことも重要という話をしました。
以下、2点が大事なポイントです。

事業と組織環境に応じたスキルの特定
各事業やプロダクトには固有の課題が存在し、それらを解決するために求められるスキルも多様です。まず、各事業の課題を抽出し、プロダクトごとに必要なPMのスキルセットを洗い出すことが重要です。

PMのスキルセットや意欲と事業課題のマッチング
抽出した課題とPMのスキルセットや意欲を照らし合わせ、最適なPMをアサインすることで、成果を生み出す確度を高めることができます。このアプローチにより、PMは自身の強みを活かし、プロダクトの課題解決に効果的に取り組むことが可能となります。

発表内容の主題から外れてしまうため、各スキル定義の詳細やスキル獲得方法については触れませんでした。しかし、発表後に「○○なスキルを身につけたい場合におすすめの本を教えてください」と質問をいただいたので、せっかくの機会と思い、記事で紹介しようと今この記事を書いています。

ほんだい

流石に各業務に1冊ずつ紹介していくとボリュームがありすぎるため、本記事では代表的な分類ごとに、主観的におすすめ図書をいくつか列挙していきます。

PMのスキル一覧

戦略 - プロダクトビジョンやプロダクト戦略の策定、ロードマップの計画化で参考になる本4選

INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント

おすすめポイント:
もはや説明不要。プロダクトマネージャーの教科書。
プロダクトビジョンや戦略を明確にし、成功する製品を開発するための基本的な考え方と手法を学べます。特に、顧客の声を聞きながらプロダクトの方向性を定める方法や、シリコンバレーの事例が豊富に解説されています。プロダクトマネジメントしていく中で何か壁にぶつかったらこの本を読むと解決のヒントが得られます。

良い戦略、悪い戦略

おすすめポイント:
タイトルの通り、良い戦略とは何か悪い戦略とは何かについて事例と共に紹介し、「良い戦略」を作るための具体的な方法が解説されています。問題の本質を診断し、明確な行動指針を伴う戦略を構築することが大事というのがキーメッセージ。プロダクトマネジメントにおいて、持続可能で実行可能戦略の策定は重要です。

ストーリーとしての競争戦略

おすすめポイント:
戦略を「ストーリー」として語ることで、組織全体が戦略を理解し、共有できる方法が解説されています。プロダクト戦略を物語化することで、ステークホルダーとの合意形成を円滑にし、チームの一体感を高められます。戦略をわかりやすく伝え、実行可能にするスキルを磨きたい人におすすめしたい一冊です。

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

おすすめポイント:
競争優位性を確立するためのフレームワーク「5フォース分析」や「バリューチェーン分析」を詳しく解説されています。競合のポジションや戦略を体系的に理解し、比較するための基礎が学べます。


分析 - 定量分析、定性分析、仮説検証で参考になる本3選

Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法

おすすめポイント:
プロダクトの成長段階に合わせて適切な指標を選び、データを活用して改善を行う方法を学べます。特にKPIの設定と運用が具体的に解説されています。
効果的なデータ分析でプロダクトを成長させたいプロダクトマネージャーにおすすめです。

UXデザインの教科書

おすすめポイント:
ユーザー体験を中心に据えたプロダクト設計の基本から応用までを体系的に学べる一冊です。ユーザーの行動やインサイトを深く理解するための定性データ収集方法が解説されており、インタビュー/観察/エスノグラフィーといった手法をプロダクトの分析に応用できます。

Running Lean ―実践リーンスタートアップ

おすすめポイント:
仮説検証のプロセスをさらに詳細に解説した実践書。プロダクトマネージャーが顧客の課題を正しく理解し、MVP(Minimum Viable Product)を活用して市場適合を検証するプロセスが具体的に解説されています。顧客価値、解決策、成長戦略を仮説検証を通じて構築する具体的な手順を理解したい人におすすめの一冊です。


ディレクション - 施策優先度、開発ディレクション、UIディレクションで参考になる本4選

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

おすすめポイント:
「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めることで、本当に価値のある仕事に集中する方法が解説されています。限られたリソースの中で本当に重要な施策を見極め、優先順位をつけるための指針が得られます。施策の取捨選択に悩むプロダクトマネージャーにおすすめです。

担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座

おすすめポイント:
プロジェクトの計画、進行管理、リスク対応など、実務で必要なマネジメントスキルが解説されています。現場で直面する課題に対応するための実践的なノウハウが満載なので、スケジュール管理に悩むプロダクトマネージャーにおすすめです。

プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」

おすすめポイント:
リアルな現場で発生しがちなトラブルに対処するための具体的な手法や事例が解説されています。チーム間のコミュニケーション不全や進行遅延などの課題を迅速に解決し、プロジェクトを軌道に乗せるための実践的なアイデアが詰まっているので、プロダクトマネージャーにもおすすめです。

はじめてのUIデザイン 改訂版

おすすめポイント:
ユーザーにとって直感的で使いやすいUIを設計するための基本原則や実践的な手法を学べる一冊です。プロダクトマネージャーがデザイナーやエンジニアと円滑に連携し、ユーザー体験を向上させるためのUI設計の考え方を理解できます。


デザイン - 価値定義、ユーザー体験設計、情報設計で参考になる本4選

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

おすすめポイント:
顧客が製品を「雇う(Job to be Done)」理由を理解し、本質的なニーズを見極めるための方法論が解説されています。単なる機能追加ではなく、顧客が求める「成果」にフォーカスした価値提供を行うための思考法が得られるので、プロダクトマネージャーにおすすめの一冊です。

「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

おすすめポイント:
ユーザーが思わず行動してしまう体験設計のメカニズムが解説されています。UX設計やエンゲージメント向上の視点を学び、直感的で魅力的なプロダクト体験を創るための実践的なヒントが得られます。ユーザーの心理を理解し、継続的に使われるプロダクトを設計したいプロダクトマネージャーにおすすめです。

ユーザビリティエンジニアリング

おすすめポイント:
ユーザー体験設計における使いやすさ(ユーザビリティ)の基本原則を学べます。ユーザビリティテストを活用し、直感的で快適なユーザー体験を提供するための知識が得られます。ユーザー中心のプロダクト開発を進める際におすすめです。

情報アーキテクチャ

おすすめポイント:
情報設計の基本から応用までを学べる名著。ユーザーが求める情報に効率的にアクセスできるように設計するための理論と実践を学べ、ウェブサイトやアプリケーションの情報構造を最適化するためのフレームワークとツールが豊富に紹介されています。直感的で分かりやすいプロダクトを設計したい人におすすめです。


コミュニケーション - プレゼンテーション、コラボレーション、ドキュメンテーション、ファシリテーションで参考になる本5選

話し方の戦略――「結果を出せる人」が身につけている一生ものの思考と技術

おすすめポイント:
論理的かつ説得力のある話し方を身につけるための実践的なスキルが解説されています。ステークホルダーとの合意形成やチームのモチベーション向上を効果的に行うための戦略的なコミュニケーション手法が得られます。プレゼンや交渉の場面で説得力を高め、円滑なプロダクト推進をしたいプロダクトマネージャーにおすすめです。

チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで

おすすめポイント:
変化の激しい環境下で強いチームを構築し、成長させるための実践的な知識が解説されています。心理的安全性を高め、メンバーの自律性を引き出しながら、チームとして成果を最大化するための方法論が得られます。チーム全体で効果的なコラボレーションを生み出したい人におすすめです。

コンサル一年目が学ぶこと

おすすめポイント:
論理的思考、課題解決、効果的なコミュニケーションといったビジネスの基本スキルが解説されています。意思決定の精度を高め、ステークホルダーとの交渉やドキュメンテーションを円滑に進めるための実践的なフレームワークが得られます。プロダクト開発を戦略的に推進し、チームや経営層との対話力を強化したいプロダクトマネージャーにおすすめです。

ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ

おすすめポイント:
チームの意見を引き出し、効果的な意思決定を促すファシリテーションの技術が解説されています。会議やディスカッションを円滑に進め、目標を達成するためのファシリテーションスキルが得られます。初学者から実務者まで役立つ実践的な内容です。

コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル

おすすめポイント:
問題解決力、論理的思考、クライアントとの関係構築など、ビジネスの現場で生き抜くための実践的なスキルが解説されています。戦略的な思考を身につけ、データを活用した意思決定やステークホルダーとの交渉をスムーズに進めるための具体的なノウハウが得られます。プロダクト開発の成功確率を高め、チームや経営層と効果的に連携したいプロダクトマネージャーにおすすめです。
読み物としてシンプルに面白いので息抜きに読むのもおすすめです。(最後なので変化球)

おわりに

読書を通じて得た知識や洞察は、実践を通じて初めて価値を持ちます。
ぜひ、日々の業務に取り入れチームやプロダクトに反映してみてください。そして、得られた成果や経験をもとに新たな気づきを見つけていくことでプロダクトマネージャーとしての成長を続けられることでしょう。

また、読書をする中で得た学びやインスピレーションを共有することでさらに価値を高めることができます。おすすめの書籍について話し合ったり、それを基にしたディスカッションを行うことで、新たな視点が生まれることも少なくありません。

この記事で紹介した本の中から気になるものがあれば、ぜひ手に取ってみてください。そして、それがあなたのキャリアやプロダクト開発に少しでも役立つものであれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
引き続き、プロダクトマネジメントに関する情報を発信していきますので、次回の記事もお楽しみに。

(本当の最後)プロダクトマネジメントに加え、組織マネジメントや経営に関する本の紹介もXで発信しているので、興味のある方はぜひ覗いてみてください!



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