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除夜の鐘はイヤフォンで?
除夜の鐘をとりやめる寺の話を、耳にするようになった。深夜から何時間も鐘を鳴らされては眠れないといった苦情があるそうだ。
人口密度や高齢化も関係あるかもしれないが、日本の社会では、人が年々(従来からあったという理由だけでは環境に納得しない意味での)不寛容になってきている。
以前からあるものへの疑問をとりあえず口にしてみる、あるいはさらに踏みこんで異を唱えてみる人というのが以前より増えてきているということがまずある。さらに、それを大手メディアが取りあげるのを待つまでもなく、SNSなど個人の集まる場で共感を得られればそこから話題がひろがりやすい事例が多く出てきていることで、手ごたえを感じやすいのだろう。
意見を口にしやすい状況が生まれているのは喜ばしいことだが、どこまでを意見として反映していくべきか、指摘された側の判断は難しく、あらゆる場でバランスの取り方が課題となっていくだろう。
わたしがこのところ考えているのは、将来は世の中が美術館の音声ガイダンスのような方式を採り入れざるを得ないのではということだ。あまり遅くない時間帯までは通常のように自由に音を楽しむ。深夜になったり、静けさが必要な場面では、該当者だけが音を個別に受けとる。
激しい体の動きをともなわないが音を使う夜間イベントというものがあれば、これで少し、やりやすくなるかもしれない。
年越しの除夜の鐘が、鐘の映像とイヤフォンを通じた音のくり返し再生になってしまうのは寂しいが、あながちない話ともいえない。味気なくともその時間にその場に立ちたい人がいるならば、今後の生き残り策として選択肢のひとつになるはずだ。
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