もう限界です ~お話風味 2~
お話風味
下記記事は様々な影響を圧縮してまとめてあるので、頭に入って来なかった人もいると思います。
なので書かれた内容を一つずつ紐解いて行きます。
液性免疫(抗体)と細胞免疫、どちらがお得なのか
対応できるウィルス
効果対象になるウィルスの部位
有効期間
について紐解きます。
前回のお話を読んでおいて頂くと分かりやすいと思います。
抗体で安心?
抗体が増えれば感染しない! ←これは誤り修正されました
抗体が増えれば重症化しない! ←New! 接種すると感染死亡率が上がるという報告が多数あります
すでにメリットが分からなくなっています。そもそも、ワクチンは感染予防薬で、予防効果(抗体量)を測定されて認可を受けました。しかし、感染予防効果はないと総理大臣が国会答弁しています。この時点で問題が生じました。
予防効果があるとして承認されたのに予防効果がなかった。
つまり承認が法的根拠を失った。認可基準が間違っていた。抗体量が増えても予防効果はなかった。
つまり認可したことが間違っていた。
なぜなのかという話もありますが、後述します。
それとは別に抗体の弱点があります。前回の記事で書きましたが、抗体は特定の病原を標的にします。体内には病原でない微小生物や有機物が多く存在しますから、それらを攻撃しない(直接は)という意味では、病原のみを標的とした駆除が行えます。一方で、病原が変異した場合、抗体は「型」が合わなくなるので標的から外してしまいます。
一方でウィルスの特徴は、RNAで増えるという点です。RNAは普通に増える間に多数変異を生じる可能性のある遺伝情報です。つまりウィルスは常に変異すると言えます。現代の科学、行政に採用される科学的思考とはこういったものなのです。原発事故の際の放射線も同様に少しでも性質の変わった放射線は測定されずなかったことにされていますが、それらを含めた場合実際には測定値以上の危険な放射線量になっていることがあります。著者の過去の記事のテーマを読み取って頂いている方には何が原因で問題か分かって頂けると思います。
常に変異するウィルスに、変異に対応できない抗体を用いると、総合的に対応ができないということになります。
加えて、この抗体が反応できるのはスパイクだけです。ウィルスの一番外側の部分だけで、ウィルスのRNAには攻撃手段を持たない点に注意して下さい。一番外側ごと駆除できる場合にのみ有効で、一番外側が欠損していたりするともう攻撃できないのです。
限定された理想状態でしか作動できない仕組みであると言えます。ですので、漏れが多々生じます。例えば接触感染ではウィルスは一番外側のスパイクを消化器で失うと思われます。体内に入っても、この状態のウィルスをワクチンの抗体は攻撃できず素通ししてしまいますので、初手で感染は防げません。潜伏を許すことになります。
これらに対応できるのは細胞性免疫ですが、ワクチンは抗体を作る際に体と免疫に急激な負荷をかける(時にはそれが原因で後遺症となる)ので、細胞性免疫を減らしてしまいます。これで役立たずの見張り番(自身では駆除能力を持たない抗体)だけが増えた状態になるわけです。
実際には抗体も多少の変異には効果があることは確認されているものの、通常変異が流行するほど増えるのは抗体回避する変異が出てくるからです。たとえばデルタからオミクロンへの変異には対応できない、といった顛末になります。
ウィルスは最低限3つの部品からできていますが、これらのうち一番重要な部品はRNAです。RNAがある限りウィルスは増殖できるからです。しかしワクチンの抗体はRNAから一番かけはなれた部品しか駆除対象にできません。
細胞性免疫
一方、自然感染で得られる細胞免疫はどうでしょうか。特定の病原に特異的に反応するT細胞がよく取り上げられます。感染後に回復した人の免疫を調べると、COVID-19に反応するT細胞が顕著に見つかりました。これらが自然と抗体も作っていました。
しかもその抗体はワクチンで人工的に作った抗体と異なり、Sたんぱくに対する抗体以外にも、
・Mたんぱく(スパイクの基礎)
・Nたんぱく(内側の殻・カプシド)
・非構造たんぱく(酵素たんぱく) 通称、nsp
に対応する抗体をそれぞれ作っていました。
じつは、COVID-19に反応するT細胞はすべてが感染したから作られたのではないことも分かりました。新型コロナウィルス流行前に保存された検体からも同様のT細胞が見つかったからです。これは従来の風邪に対応した作られた細胞性免疫でしたが、COVID-19にも対応する能力があったことを意味します。ワクチンはこのT細胞をわざわざ減らしてしまうのです。もちろん、感染しても減るのですが、急激な減少が起こるので抗体が増えたからといって安心できない体調になります。
一度減少したT細胞は半年以上回復しないことがあります。T細胞は成長に時間のかかる細胞です。この欠員を埋め合わせるため、制御性T細胞が変化して補充することがあります。この場合は自己免疫疾患が抑制できなくなります。普段、免疫が自分の体を攻撃しないよう抑制している制御性T細胞がいなくなるからです。
さらに重要なのは nsp(非構造たんぱく)です。これはウィルスのRNA(もと)を複製して増やしてしまいます。種を複製することになります。レプリコンワクチンにはこれが含まれています。詳しくは過去記事を参照下さい。
nsp は病原を複製してしまうため、様々な病気で nsp を阻害することで病原の拡大を止めようとする薬が開発されていますが、現在の所うまくいっていません。様々に重大な副反応を伴うからです。
感染していない自然な人間の体では、インターフェロンが nsp を病原認識して免疫細胞による駆除を促しています。そうすることで感染を妨害しているわけです。細胞性免疫はこのような働き方をすることができます。ところが、ワクチンが作る中和抗体は抗インターフェロン性を持っており、免疫細胞だけでなくインターフェロンの働きまで抑制してしまいます。これは細胞免疫が働かない(標的化と活性化を抑え込まれる)ということを意味します。そのため、感染してしまうと、接種した人の方が急速に感染が進むことになるのです。インターフェロンが感染初期に作用した人は軽傷で済んでいますが、応答が遅れた人は肺炎などを誘導して重症化しています。ですので、ワクチンを打った人の方が重症化してしまうわけです。
ワクチンで抗体量が上がっているから感染前に駆除できる、と考えたわけですが、体内に侵入したウィルスが100%抗体とマッチングできるわけではありませんし、すり抜けて侵入されるケースは最初の方で例を上げて説明しました。接種した人の場合、一旦細胞内に侵入されたらそこから先の感染速度(ウィルスの増殖)が速いわけです。
さらに致命的な話をしてしまえば、nsp は転写を促します。2021年にマサチューセッツ工科大学が発表した論文では、感染した人の体からキメラ細胞 *1 が見つかっています。ワクチンと同様の mRNA を用い、細胞実験をしたところ、同じキメラ細胞が作られました。これはワクチンの mRNA がヒトのDNAに結合して変異させてしまう事実を示しています。nsp を駆除しない場合、こういったことが起こりやすくなります。ですが現在の mRNA ワクチンでは nsp を駆除する抗体も作られず、インターフェロン誘導から免疫細胞による駆除を行うこともできません。もしろこの2つの働きを制限します。
SARS肺炎は日本では流行しませんでした(COVID-19はSARS-Cov-2となります)が、当時感染して回復した患者の体から、最近見つかったT細胞が SARSウィルスに対する免疫記憶があることが分かりました。流行からは17年程度経過していますが、当時のウィルスを免疫細胞が記憶していたことになります。しかも、この免疫細胞はCOVID-19ウィルスに対しても強く反応することが確認されました。標的は別のウィルスですが、このように病原認識をしてくれる記憶機能が細胞免疫にはあります。交差反応と言いますが、このように長期に病原を記憶しているということが分かりました。2021年時点で、長崎大学病院・福島ひらた中央病院の抗体量検査結果を突き合わせると、ファイザー製ワクチンで作られる抗体の感染防止抗体量は3日程度しか維持できていません。後は下降して量を減らしています。モデルナはアメリカ国立アレルギー感染研究所のデータより2.5月維持されますがその後は感染防止抗体量を割り込みます。このように比較すると自然感染による細胞性免疫は効果持続性と安定性が高く、対応範囲が広いことが分かると思います。
以上です。ありがとうございました。
*1 スパイクの遺伝子配列の一部を持った細胞となりますが、この細胞の影響は確認されていません。また、細胞の寿命も不明です。