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千客万来の血筋

実家暮らしの時から、我が家には来客が多い。
玄関から、居間の掃き出し窓から、縁側から、思い思いの場所からお客さんは出入りして、好きに喋って帰っていくような感じだった。
私は昔からあのコントが始まるような感じが大好きだった。
母はよく「昼寝のタイミングがない」とぼやいていたが、客も客で「昼寝続けていーよー」などと言って勝手に寛いでいる感じなのがさらに好きだった。

結婚して、マンション暮らし、転勤族となって、あのやたら人が出入りする感じは流石になくなったけど、私は母の血を濃く引いている。
来客がある方が気力が湧いてくるタイプなのだろう、今なお人を呼び込む体質だ。
春休み、GW、怒涛の夏休み、そして大阪文フリのつるちゃんを送り出して、次は秋の陣である。

まず、土日。娘の大好きな高松時代の友人がやって来た。
中学1年生になる娘ちゃんのことを、娘は若干重さを感じさせる程度に大好きだ。
勝手に脳内で遠距離恋愛していそうなほど好きだ。
LINEのプロフィール背景が2年ほど前の彼女なほど好きだ。
『恋しくて憎らしい大阪〜♪』と歌い出しそうだけど、大阪に住んでるのは君の方。

しかし、相手は中学生。そろそろ予定を合わせるのも難しくなってきた。
「大阪に遊びに行ってもよろしいか?」
という連絡を友人からもらった時、娘の愛が重すぎるゆえ、黙っておいた。
万が一体調崩したり、予定が変更になったら、多分吐くほど泣く。

当日。
「お母さんの友達遊びに来たから、駐車場案内して来て〜」と言ったら
「えー、お母さんの友達でしょー?自分でいきなよー」とぶつぶつ文句を言いながら下に降り、友達を発見して甲高い声をあげていた。
1年以上会えてなかったので、どうやらとても恥ずかしかったらしく、そのあとずっとニヤニヤモジモジしたのち、一緒に撮った写真を、LINEの新しいアイコンにし、ニヤついていた。

もはやファンミ

中1娘ちゃんは、レッスンで大阪に来ていたので、我が家にお泊まりするのは、私たち夫婦の友人である両親だけだったが、サプライズ演出の方が印象に残ったらしく娘は落ち込まなかった。
母、作戦勝ち。
母たちは土日ともキャッキャと楽しみ、娘も大人と楽しんでいた。

週末を終え、月曜日からは、地元の友人だ。
中学時代からの友人のまっつんが、6歳になる娘ちゃんとやってきた。


一番の目的はユニバであるのだが、平日の来阪であったため、小学生の我が娘を置いていく運びになる。
年パス持ちなので、私は行く。娘は行かない。
この事態に、娘になんと責められようか?とドキドキしていたが
「いーよー、いってらー」とひどく軽く送り出された。
「お父さん在宅だから、遅くなってもいーよー」とまで言われた。
合コンに行ってこいよとにこやかに送り出す彼氏に「私のこと本当に好きなの?」と問いただしたい気持ちになるのに似ていると思った。知らんけど。


6歳の娘ちゃんのいるユニバは、いつも行くユニバとは全然違った。
我が娘は、とにかく乗り物に乗りまくりたいので、次々に並ぶし、ほぼ座ってご飯を食べることがない。
食べながら並び、数をこなす。

しかし、6歳女児は、ワンダーランドという広場で、スヌーピーのキャラと戯れ、移動するスポットライトを追いかけまわし、郵便ポストに頭を突っ込んでいた。
暑くも寒くもなく、ただただ癒される空間。
ユニバといえば生存して帰れるか否かの戦場。
今までそう理解していたが、生きる喜びに溢れていた。ビバちびっ子。

そして、まっつんが何より楽しみにしていたのは、マリオワールドである。
まず、入場してすぐに、マリオとルイージの帽子をゲット。
そして次に、ポップコーンバケツのスターをゲット。
さらに、マリオのパーカーを購入し、パワーアップバンドを買う。
最終的に任天堂を買い取るんじゃないか?という勢いで、500メートル歩くごとに散財している風だった。

マリオ完璧スタイル!

キノピオカフェにも入った。
何せゆっくり座ったことのない私は、この空間の演出に舞い上がった。
今までマリオに興味が無かったはずなのに、店員さんがくるたび
「ヒーウィーゴーゥ!」である。
まっつんと娘ちゃんは、その後、5時間ほどマリオワールドから出てこなかった。

カフェ可愛すぎませんかヒーゥィーゴー

ちなみに現在、ハロウィンホラーナイトというのがやっていて、18時からゾンビがたくさん出てくる。
6歳児には衝撃が過ぎるので、我々は、娘ちゃんを土産屋さんに隔離して、交互にゾンビを観に行った。
…正直、大人でも本気で怖い。
(檻の中を逃げ惑う人間をチェンソーで切り裂き血飛沫を飛ばしゾンビにしてしまったりする)

逃げてぇええええ


6歳児、怖いもの見たさで
「ちょっとだけ見る!大丈夫だから!」と言っていたが、トラウマレベルと判断。

「スターが光っている無敵の間に逃げよう!電池が切れたら食われる!」
ティティンティーティーティーティティティーー!!(無敵マリオ曲)
私たちは歌いながら、ユニバを後にした。

翌朝。
娘が学校に行く時間になると、まっつんと娘ちゃんは、任天堂な仮装をして娘を送り出してくれた。
少し早く我が家に来た、平和なハロウィン仮装大会である。
いつでも本気のまっつんが好きだ。

お隣さんに出くわすルイージ
朝から振り切った大人を見せつけていた


恒例の太陽の塔にも行った。
まっつんが、今度はEXPO2025を太陽の塔で始めるんじゃないかという勢いで太郎グッズを購入しようとしていた。
友達の土産にと、太郎の気が爆発しているキーホルダーを買おうとする。
京都で興奮して、五重塔のキーホルダーを買い漁るあの頃を彷彿とさせてくるノスタルジーまっつん。
「落ち着け!太陽の塔を実際見ないと、このキーホルダーの良さは伝わらないハズだ!」

普段、金銭感覚しっかりしてるのに、旅先で壊れるタイプだったそういえば。

観覧車から
キノピオにも太陽の塔を見せてやる6歳児
しかし、次の瞬間キノピオを忘れ去る6歳児


あっという間に時間はすぎていく。
6歳児は、ユニバほど太陽の塔に興奮していなかったが、内部にある40億年前の生物や、生命の進化に興味津々だった。
やっぱり、ここのコースは外せない。



そういったわけで約1週間のツアコンとき子秋の陣は終了した。

今年は何人の友人を迎えることができただろう。
大阪は特に、行きたい場所が多いので来てくれる友人が多い。

「久しぶりー!!」
駅で迎えて
「またねー!!」と送り出す。
少しの寂しさと、体に残る心地よい疲労感。
私はきっと、体力がある限り、人を迎える体質なんだと思う。
どうか、この体力が続きますようにと願うばかりである。



スーツケースに収まらないマリオグッズ
金のキノピオも反対側に入ってる。
キノコ王国inスーツケース
昼間、謎の集団に出くわすマリオ
まだスター買ってないから逃げてぇええぇー!




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