「素肌のように履けて美脚をつくる。今までにないなめらかさ。新感覚のレッグコスメ」という企画
お仕事のお話
三度目の。
タビオで最も販売枚数の多い商品と言えば、実はタイツだったりする。靴下の企業なのに?と思われる方もいらっしゃるはず。全盛期はシーズンで100万枚を超えたりもしていた。それは80デニールのプレーティングタイツという商品で、カラータイツとして冬の足元のトレンドを牽引し、今ではファッションアイテムとして定番となり20年が経過している。
ロングセラーだったカラータイツもこの20年で代替わりしてきた。二代目はプレミアムタイツとなってなめらかさを極限まで高めた。今では冬の看板商品としてその座を引き継いだ。
---靴下専業なのになぜタイツなのか?
ものづくりがちょっと特殊なのです。それは靴下のように編んでいるから。タビオがこだわるのは履き心地。それを象徴するのがフィット感。そのフィット感を得るためにこだわっているのが
---プレーティング編み。
靴下は糸で編まれている。これはご存知の方も多いはず。ではどのように編まれているか?フィット感を出すために二つの糸を使って編んでいる。
表の糸。
例えば綿やウール、タイツならナイロンと一緒に編んでいる。そしてもうひとつが
裏の糸。
これはゴムのように伸縮性がありフィット感を生み出す。
このタイツは、靴下で編まれているプレーティングという技法に加えて、緩やかに伸縮するウーリーナイロンとFTYという魔法のような繊維で編まれているので肌に吸い付くようなフィット感が得られるのです。
---二代目が全盛、その先。
冬になればカラータイツ。今ではプレミアムタイツが主役として定着。ところが覆る事件が昨年末に発生!これまでのタイツ。いやストッキングまでの価値観を変える出来事が起きました。それが
---履いてないように履く。
としてInstagramやTwitterでバズり肌色(ベージュ)のタイツが大ヒットしました。カラータイツの概念を変え、ベージュが黒を抜く売上を築き歴史を塗り替えたのです。
---素肌っぽく見せてしっかり防寒。
トレンドカラーを魅せて履く。のコンセプトから機能性と美肌へ変わりました。ただし、このベージュは素肌感をだすために研究をされた色味ではありませんでした。そこで、素肌感を追求し生地の薄さを調整。靴下を履いても厚ぼったくならない。ストッキング代わりに素足に見せる用に履いても寒くない。しかも業界初のスペックでミラクルな肌触りの繊維を使用し製品化したものがこの秋から発売されます。
---それがこの3代目。
NUDEY54d
---ネーミングについて
ここにすべてを集約しました。まずは造語である「NUDEY」について。この商品は足元にとって何なのか?という議論がありました。ストッキングの役割を担いつつ美肌美脚を得られる。メンバーから出てきた言葉は「コスメ」「ナチュラルカバー」「コンシーラー」などでした。
---わかりやすさ、連想しやすさと。
concealer。cosme。natural cover。英語にこだわらなくてもいいのですが、日本語表記は他社も多く採用されています。肌やスキンなどの表現を避ける必要があり。一番のネックは商標権。品名ロゴにする場合はここを必ずチェックします。メンバーが連想する誰もが知っている文言は商標を取得済みのものが大半でした。「素肌のように」を表現する言葉やサウンド、ロゴ化したときの視認性やムードを考えました。そこで思いついたのが、ヌード[NUDE]でした。衣類をつけていない。裸の。という意味。
---◯◯っぽさ
素肌っぽさ。スキンを使わずにヌーディとしました。ヌードという一見、卑猥な響きも「y」を付けるとベールが1枚ありそうな気配。素足のようで毛穴やくすみを隠してくれる。役割としてのファンデーション、コンシーラーの要素をふくめています。
---ここは投票で。
「NUDEY54d」
「+13D concealer」
「NUDEY+13D」
最終3案に絞って投票しました。プロジェクトのメンバーがほぼ一択で決定しました。
---半端なデニール。
タイツを履いたことのある方なら一度は目にしたことのあるデニール表記。
「60D」「80D」「110D」など。
これは使用している繊維の太さを表しているものです。厚さや透け具合の目安として知られています。数字が大きいほど、厚くて透けにくく防寒用として活躍します。今回は
---54d。
60デニールではなくて、54デニールをそのまま表現することにしました。実は世の中にあるタイツで、キリのいい単位のデニールになることはありません。だいたいが67デニール、86デニールなど半端な数字になります。それを少ない数字で表します。
---お得感。
なぜ実際よりアンダーで表記するか?それは購入する方の期待よりも多いデニールで少し上の効果が得られるからです。80デニールと思って買われますが、実際は86デニールの透けにくさとあたたかさを手に入れることになります。オーバーデニールで表記すると、体感値がそれより下がってしまうからです。では54dとはどんなデニールなのか
---自信のあらわれ。
そのままのデニール表記をする意味。それは意外性です。どのような体感値か?答えは品名投票にもある+13デニールが示しています。素肌のように履けて、寒かったら意味をなさない。かといって厚ぼったくすると履く靴が限られる。なんにでも合わせられるシーズンを問わないちょうどいい厚さを追求した結果。このデニールに行き着きます。
---常識を覆す。
このNUDEY54dは業界初の超超極細繊維を通常はストッキングを編む機械にかけました。ストッキングの編機でタイツを編んだ。ということになります。ストッキングとタイツの区分けは20デニールと言われています。20デニールの糸を400本で編み立てるのと、54デニールの糸を400本で編み立てるのを比較すると、およそ13デニールがプラスされた密度が生まれます。薄くても透けにくく、寒くない。を実現できました。それがこのNUDEY54dとなります。
発売は10月を予定しています。製品情報が整いましたら実物紹介をさせていただきます!
久しぶりのボリュームで書き上げましたが、みなさんが目眩していないか心配です、、、。
ここまでお読みくださった方
まことに感謝でございます。
もし、このNUDEY54dを手にされる機会がございましたら新しい時代を感じていただけるのではないかと自負しております。ご期待くださいませ。
ゆうなって(久しぶりの靴下ソムリエnote)