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凍れない靴下

#農業酪農家のための靴下


お客様相談室に一通のメールが届く。

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はじめまして、札幌駅アピア店いつも利用しています。

作って欲しい商品があります、日本一寒い町、マイナス30℃近くになります、陸別町で長靴を履いて酪農の仕事現場にて使用して、冬に蒸れない靴下を作ってほしいです。しもやけだらけでこまりす。羊毛も履きましたがいまいちです。足の冷えない不思議な靴下履いていましたが、踵が弱くてすぐに透けてしまいます。中々良い商品に巡り会いません。テストには、協力しますのでおねがいします。耐久性あれば、5000円くらいまでなら買います。

商品開発希望のメールは結構いただきます。すべてを叶えることは難しいですが、その日のうちに商品担当へ伝わります。お返事は必ずします。「ものづくりの参考にさせていただきます。貴重なご意見をありがとうございます。」が決まり文句です。


-あれ?待てよ
このメールの何かに引っ掛かりました。ひとつは確実に「陸別・・」です。小さい頃、陸別小学校の校長先生だったじいちゃんに夏休み中ずっと、ばあちゃんお手製のお弁当を届けた記憶が蘇る。もうひとつは、

-5,000円くらいまでなら買います
この一言でした。靴下でこの価格はタビオでもめったにありません。銀座G6店のカシミヤが確か8,000円です。良いものなら高くても構わない。と、悲痛の叫びと第一次産業従事者の覚悟を感じました。

-1足かもしれないけど
この方の悩みが解消されて、満足のいく靴下を開発したいなと思い、商品MDへすぐに相談へいったところ快諾。ものづくり魂が奮えたのだとわかりました。受けてくれた彼もベテランで、TABIO SPORTSというブランドを確立した成功者です。将来的な販路や計画など持たない、たった一人のお悩み解決を叶えたい。これに賛同してくれたのが嬉しい。

-完成図があった
クリエイターというのは、常に頭の中でを求めています。この技術を何かに活かせないだろうか?がたくさんあります。温かいのに蒸れない。という発見をしてから商品化に至らない靴下がありました。街で履くには冬でも熱いので求める人が少ないと思い込んでいたのです。

-梳毛でメリノ
獣毛を糸にする紡績方法は二種類あります。「紡毛」と「梳毛」です。この梳毛の実力が高いのです。じんわりと温かくなり、蒸れず、さらにチクチクしない。これを体験している私たちは、ウールが苦手なのに寒がりな人に必ずおすすめします。アウトドアのヘビーユーザーは「メリノ」という羊の名前がブランド化しているくらい浸透しています。でも、日常の寒がりさんには、ほとんど知られていません。


-働く足元を
ここに着眼した靴下の開発を数年前から構想していました。極限的な環境下ほど学びが多く、プロダクトを進化させます。ユーザーの調査で一番多い悩みは「冷え」でした。陸別においては上位互換の「凍れる」この足元を温めることができたら日本中の冷えを解決できると思ったのです。

-進化は掛け算
寒いだけではなく、牛舎はコンクリートの床で長時間の立ち仕事で足裏が痛くなる。更に外に出れば不整地で靴の中で足が動きます。クッション性とフィット感、そして強度も必要になってきました。

-編み方の工夫
クッション性を高めるために、レトロな技術を用います。「アメリカンパイル」という編み方です。三層構造が可能で、肌にあたる面をウールにすることができます。


-機能付与
フィット感を上げるために、長靴の中で靴下が回らないように土踏まずにサポートゴムを挿入してホールド力を向上。

-破れない工夫
かかと、つま先にリサイクルポリエステルの糸を編み込み補強することで耐久性が上がっています。


-強み+強み
ウールは保温性と吸湿性に優れています。汗を逃しながら温める。クロスブレッドで弾性を高め、ストロングメリノでハリコシを持たせます。この二種類をブレンドすることでお互いの良さを最大限に引き出します。長時間でも疲れづらく、履き心地も滑らかです。




-農業支援メディアとの出会い
商品研究が進む頃、一通のメールが届きます。

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いつも大変お世話になります。
YUIME株式会社の◯◯◯◯です。

弊社では、現在一次産業の活性化に向けて、一次産業従事者の方々(農業、漁業、林業等)の
課題を専門家によって解決するウェブメデイアの企画営業をしております。
一次産業のマーケットにおいて、貴社の製品のご紹介ができたらと思います。

販路や拡販など計画せずにひとりの酪農家さんが喜べばそれでよし!との思いでしたが、これはひとつのきっかけにできると瞬間で確信しました。


-全国のファーマーと
YUIMEさんの力をお借りして、一緒に商品開発をしていただける農家アンバサダーを募集することになりました。60名近い応募の中から日本各地の農業従事者の方8名を代表として選出させていただきました。実際の現場で靴下を履いてもらいながら、効果を試してもらいます。


-そうして完成したのが

凍れない靴下

です。
アンバサダーからリクエストで五本指タイプも追加されました。

さて、靴下は仕上がりました。これをどうやってリリースしていくかです。普通に発売するとたくさんある靴下の一部になってしまいます。ですが、届けたいユーザーははっきりしています。ニッチでピンポイントなお悩みをお持ちの方にお勧めしたい。そこで思い付いたのが

-クラウドファンディング
タビオでは何度かお世話になっているマクアケさんにお願いすることにしました。私が直接関わるプロジェクトでは初めての試みでした。

-11月7日リリース!
無事にみなさまへお披露目できました。現在のところ…


ご好評をいただいているようです( ´∀`)
良かったです🎶

今後はこの技術をベースにアウトドアユーザーへライトチューンしたものを提案したいと考えております。寒がりだけど自然が好きな方の足元を温めたい♡ご期待くださいませ。


長文お付き合いくださり
ありがとうございました。

ゆうなって








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