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雨上がりの坦々麺

ある日の雨上がりの日曜日、私は家族でドライブをしていた。

大通り沿いで信号待ちをしている時、ラーメン屋さんの前に「大人の坦々麺」という幟を発見。

父:「『大人の坦々麺』かーどんなんだろうね?大人だから辛いんかな。」

母:「子供向きじゃないってことだから辛いのかもねー」


みんなで窓越しに店内を覗き込む。
店内にはがっしりとした体型の店主らしき男の人がいた。

母:「店主の人がっしりしてるわねー。辛いもの好きそう。」

私:「辛いの好きなら代謝良くなってもう少し痩せてそうだけど。」

母:「こってりした坦々麺を作っているんじゃないかしら。」

父:「それならむしろ男の坦々麺っぽいな。『大人の男の坦々麺』とかにしたらいいんじゃないか。」


ここから夫婦の掛け合いが始まる。


母:「『オイラの坦々麺』とかいいんじゃない?」


そしたら鹿児島出身の父が、


父:「『おいどんの坦々麺』はどうだ。」


母:「それだったら鹿児島は坦々麺じゃなくて豚骨ラーメンが有名だから『おいどん豚骨ラーメン』でしょ!」

父:「そうだな、そしたら『おいどんラーメン』がしっくりくるかもな。じゃあパパがお店を開くとしたら『おいどんラーメン』で出そう!」


話がどんどん脱線したが、
結果お父さんが『おいどんラーメン』を出すという話になった。


その余韻に浸ることもなくまた話が変わり、


母:「最近『どさんこラーメン』って見なくなったわよねー。昔はよく見たのに。」

父:「どさんこは北海道だよな?昔よく好きで食べてたなー。」

母:「なんでなくなっちゃったんだろうね。」





両親の話は尽きることなく続いていき…

この会話を聞きながら後部座席に座っている私は、
窓から入る雨上がりの涼しい風に吹かれて、

「今日も平和で何より」と黄昏ていた。


こんな話題で盛り上がり、笑いが溢れている車内。


これが平和という事でしょうか。

うちの家族の日常ドライブ。
窓から見える景色はどれもネタになる。

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とぅぶ
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