夢みるアドレセンス メロンソーダ 炭酸
夢アドさんの「メロンソーダ」
YouTubeのコメ欄で「古参に好かれてない」とあった。そんなイメージはなかったけど、そうだったのか。良い曲なのに。
HKTに「メロンジュース」という曲がある。デビュー間もない時期の楽曲で、甘ったるいイメージのあるメロンジュースらしい、バリバリの48ソング。
それに対してこちらは「メロンソーダ」。炭酸が入り、愛だけでは片付けられない中高生の爽やかな恋愛ソングとなる、はず。。
※「メロンソーダ」歌詞
主人公は恋をしているアイドル。とても珍しい設定の曲である。そして主人公の恋は曲中では成就していない。(メロンソーダだけど)甘酸っぱいという言葉が似合う爽やかな曲。
ここまではタイトルのイメージとピッタリ合致しているが、
例えば1番サビの歌詞。
「わたしがいちばん可愛いのに どうしてあの子ばっかり見るの?
あなたから「好き」と言われたなら アイドルだって辞めちゃうかも
おねがい名前で呼ばないで これ以上夢中にさせないで
間接キスが恥ずかしくて 一口も分けてあげられなかったメロンソーダ」
甘い。甘ったるい。至ってまっすぐな恋ではないか。めちゃくちゃ48っぽいし(良い意味でね)、成就していない感はあるものの主人公は結局幸せそうだし。
そしてその直後の2番Aメロ。
「ねえ カメラの前なら キメ顔すぐに作れるのに
あなたとふたりきりだとじょうずに出来ない」
アイドルという面を忘れ、思わず気が抜けて素の自分を出してしまっている主人公。まるで炭酸の抜けたメロンソーダではないか。炭酸の抜けたメロンソーダはもはや砂糖水である。先ほどの甘ったるいイメージと完璧に適合する。
また、上記の歌詞に違和感を覚えなかっただろうか。「あなたとふたりきりだとじょうずに」ここまで全てひらがな。「ふたり」がひらがななのはまだ分かるが、「じょうず」は普通漢字だろう。突飛な推論かもしれないが、ひらがなを用いて子供っぽさを出したかったのではないだろうか。炭酸の抜けてしまった「メロンジュース」を表現するために。
その子のことがずっと好きなのに、アイドルだから隠さねばならず、好きだと言えない。「10代の爽やかな恋=メロンソーダ」は内に秘められ続けたことで炭酸が抜け、「成就することのないただの愛=メロンジュース」へと変化してしまう。
この曲ではアイドルから一般人への恋愛を表していたが、ファンのアイドルへの気持ちと似ているような感じもする。古参が苦手意識を持つ理由が「アイドルが恋している」という点であるならば、この曲は逆にファンからアイドルの恋心も表現しているのかもしれないことを知ってほしい。