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ほぼブラジルを考える
この曲を聞くと、ネガティブな方面の懐かしさで胸が締めつけられるような感覚があるのは私だけでしょうか。
ネガティブな方面の懐かしさとは、大きく表現すれば「嫌な気持ちになる」ですが、それでも苦にならない「嫌な気持ち」というか。さあこれから寝ようと思った時にぶり返す黒歴史的なことではなく、思い出すこと自体は嫌だけど内容は全然嫌じゃないんですよね。簡単にいうと、「あの頃に戻りたい」という現実逃避のような症候群。
もちろん夏の曲なので夏に聞くことが多いほぼブラジル。夏って、あくまで私の中の感覚ですが、爽やかさの何十倍も不快感が強い気がします。やけに暑いし、湿度が高いし、虫が多いし。なのに、夏はさまざまなイベントや長期の休みのせいで勝手に美化される。冬には「早く夏になれ」と願ってしまう。
私は特に暑さが苦手なので、暑すぎると思考が停止します。楽しいイベントがあっても別に行きたくないし、やらなきゃいけないこともたくさんあるけど、やりたくない。できるだけ遠くにおいやって、見えないようにする。でもいずれ、いやでも見なければいけない時がやってくる。
「何故か鳴んなかったアラーム」「開かず踏切閉まるドア」「何故か上がんないウダツ」。主人公からしたら厄介なことで、生活していて多少のストレスを感じたこと。でも、どうでもいいんです、そんなこと。暑いし、夏なんだから。そんなこと考えなくていいじゃん。なんでもいいよ、別に。授業中に寝ていて怒られても、もちろん反省はしないし、先生に対して逆ギレをするエネルギーも使いたくない。
友達と適当なことを喋り、家に帰って、アイスを食べて。今年こそは勉強も頑張ろうと思ってたけど、もういいや。暑いからゴロゴロしよう。「暑いねー。ブラジルみたい」「なんでブラジル?」「んー、暑そうだから?」。
最高で最低な夏休み。中学時代、家族で美術館に行ったけど興味が無いからずっとスマホゲームをしていましたが、あとになって後悔しています。ちゃんと見ておけばよかった。
大人になったら、「めんどくさいからやりません」はできない。誰しもが「あの頃に戻りたい」と思っているはずです。「あの時ちゃんと勉強していれば」「夜遅くまでテレビ見ていなければ」。後悔など星の数ほどあるでしょうが、それ以上にその時代への憧れは強いはず。
「三段重ねアイスクリーム」
「扇風機に向かってスクリーム」
「(A゛h゛h゛h゛h゛h゛)」
何も考えず、適当で、今考えればただただ楽しかった頃。「大人はわかってくれない」のように、子供の気持ちを曲で代弁しながら、大人の郷愁を誘う曲が、ほぼブラジルなのだと思います。