映画・アニメをレビューしている、飛田カオルのnote
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アニメレビュー:逃げ上手の若君(2024)〜歴史アニメと思いきや、暴力と流血描写でレーティングを上げているのが見合わない幼稚な内容のバトルアニメだった
ストーリー 1333年、鎌倉幕府は足利高氏の裏切りによって滅亡する。得宗家として幕府を支えてきた北条家は一族郎党が皆殺しとなったが、そんな中、ただ一人生き延びたのが、後継者となるはずだった北条時行だった。彼は諏訪明神の神官、諏訪頼重の手引きで、焼け落ちる鎌倉から脱出。その庇護を受けながら自らの郎党を集め、鎌倉奪還に向けて、決して相手に捕えられてはならない「逃げるが勝ち」の戦いを始める。 レビュー 2022年の大河ドラマが鎌倉時代の創成期を扱った「鎌倉殿の13人」だっ
ブックレビュー:被曝直後にラジオから流れてきた女性の声‥‥、著者が追いかける「幻の声」の正体に暗に抱いた期待が裏切られてゆく‥‥白井久夫著「幻の声 NHK広島8月6日」
8月6日の広島の原爆記念日の数日前に、たまたまTwitter(現:X)で見かけたツイートで紹介されていたので、手に取ったのが白井久夫著「幻の声 NHK広島8月6日」(岩波新書)である。 広島に原爆が投下された直後、突如ラジオから美しい女性の声で、このような放送が流れてきた、この声が生涯忘れられない、という、ある1通の手紙を受け取った著者が、この女性が誰だったのか、声の主を追いかけ17年にわたって続けてきた取材の結果をまとめあげた本である。 Twitterで紹介されて
アニメレビュー:宇宙空母ブルーノア(1979)〜海のロマン、男のロマン、ロマン派艦長土門の夢見るロマンティックを実現すべく海を彷徨い何千里‥‥、実は「ガンダム」を相当意識していたのでは?!
ストーリー 西暦2052年、宇宙から突如飛来してきたゴドム人工惑星により引き起こされた天変地異で、地球は壊滅状態となり、全人口のおよそ9割が失われるという惨禍に見舞われた。世界各所に開設されていた科学技術開発施設「ポイントN1〜N9」のうちN1とN9以外も破壊されてしまった。 高等科科学院の学生だった主人公の日下真も、学校内でゴドムの襲撃に遭い、崩れてきたコンクリートの下敷きになった科学者の父を眼前で失うことになった。しかし父は死の直前、真に謎のペンダントを手渡した。科
映画レビュー:ゆるキャン△(2022) 社会人となって現実を生きる彼女たちが非現実に思えるほど挫折も苦悩もなく、キャンプという遊び方をプロモーションしているだけの作品だった
ストーリー 社会人となった、野クルのメンバー。リンは名古屋のタウン情報誌編集者、なでしこはアウトドアグッズ販売店店員、あおいは地元小学校教員、千明は山梨県観光推進機構で、恵那は犬のトリミングサロンでそれぞれ働いてる。 ある日、今名古屋にいるんだが、と千明からメッセージを受信したリンは居酒屋で落ち合うが、そこで話が盛り上がり、千明は深夜タクシーで山梨のとある施設へリンを連れていく。そこは数年前に閉鎖された、青少年野外活動センターだった。荒れ果ててはいたが、富士山が見える絶
映画レビュー:ヤマトよ永遠に(1980)「愛とは信じあうこと」というけれど、作画技術の向上に肝心の作劇が追いつかず、ファンもそれに気づきはじめたのかも
ストーリー 西暦2202年、イスカンダルでの暗黒星団帝国との戦い(「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」)から1年がすぎていた。地球は以前にもまして繁栄していた。パトロール艇の指揮官として火星軌道付近を航行中だった古代進は、地球に向かって進む閃光を観測する。しかしその閃光が過ぎ去った火星基地には生存者はなく、古代は地球に危機が迫るのを感じる。 地球では、婚約者で藤堂司令長官の秘書を務める森雪が待っている。だが謎のロケットから武装した兵士が降下し攻撃を開始。瞬く間に地球は占領
アニメレビュー:機動戦士ガンダムUC RE:0096(2016) 宇宙世紀ガンダムを我が手で書き換えたいという自己顕示欲の塊を見せられた
ストーリー バナージ・リンクスは工業スペースコロニー<インダストリアル7>のアナハイム高専に通う学生。ある日、何者かに追われて逃げる謎の少女、オードリー・バーンがコロニーの空から落ちたところを助ける。彼女が「行きたい所がある」というので一緒に連れていくが、目的のビスト財団の屋敷の中で、彼は一角獣(ユニコーン)を描いた中世のタペストリーを見て、既視感を感じる。オードリーは、ビスト財団と「袖付き」と名乗るネオ・ジオン残党軍との間で行われようとしていた取引をやめさせるため行動して
アニメレビュー:推しの子(シーズン1)〜オタクから生きることを赦されなかった「推し」の子どもが、復讐を果たす‥‥のか?と思ったらどんどん話しが逸れてゆき‥‥核心にたどり着くことはできるのか?
ストーリー アイドルグループ「B小町」のセンター、アイの熱狂的なファンである雨宮吾郎と天童寺さりなは、とある地方都市の病院の医師と患者。雨宮は産婦人科医、さりなは不治の病で幼少の頃からずっと病室で過ごしていた。雨宮は研修医の頃からこの病院におり、さりなとはアイのファンという共通項でつながっていた。ある日、その病院にアイ本人が受診しに来てそのまま極秘入院する。出産するためだった。ファンとして衝撃を受けた雨宮だが、医師として全力を尽くそうと決意する。しかし出産間近となったその
映画レビュー:地雷を踏んだらサヨウナラ(1999)戦場カメラマン・一ノ瀬泰造の足跡を追いつつ、彼がアンコールワットを追い続けた理由を心に刻む
ストーリー 1972年4月。一ノ瀬泰造(浅野忠信)はフリーランスの戦場カメラマンとして、カンボジア内戦の戦場にいた。小隊と行動をともにし、戦闘が開始されると、銃弾が飛び交う中、カメラを構えてシャッターを切り続ける。その恐れを知らない姿は、同業のティム・ヒル(ロバート・スレイター)を驚かせるほどだった。しかし写真の腕は今ひとつで、ティムのネガは150ドルで売れたのに、泰造のネガは10ドルにしかならなかった。ティムは彼に、戦場で危険を感じ取る能力が欠けている、と忠告する。泰造