親の有無を決めるな
実家暮らし?と訊かれたらそうだよと答えます。実家で暮らしているので。
その後に続く言葉のほとんどが「一人暮らししたら親のありがたみ分かるようになるよー」であることも知っています。
いっぱい聞きました。
実家で一人で暮らすというのは普通じゃないことなんだ、と、当事者になってから知りました。
小学生の頃仲が良かった子に、ご両親のいない子がいました。
私はそういうこともあるよな、と思っていて、大人の人たちが「あの子は可哀想なんだから、優しくしてあげてね」と何度も何度も言うのを聞きながら、そうなんだなぁ、優しくしてあげよう。と思いながら接していました。
今、自分が「実家暮らしだけど、一人暮らしだよ」と答えた時に、相手の表情が少し曇って、徐々に自身が「腫れ物」になっていくじわじわとした空気の中で、彼女のことを思い出します。
嫌だったと思います。可哀想がられるの
彼女はよく強い言葉を使う子で、言い方を弁えなければ一足先に反抗期が来た子、という印象でした。
それは彼女が親を亡くした悲しみ、絶望……そういったものから自分を守るための攻撃なんだと、先生や親は言っていました。
本当にそれだけだったのかな
普通の子どもとして扱ってもらえない孤独感があったんじゃないかな、と、今になって思います。
話を戻します。実家暮らしはイコールで親と暮らしている訳ではありません。
親と暮らしていたとしても、諸事情で家庭が機能していなかったり、とても親と呼べるような人間では無い場合だってあると思います。
どこに住んでいるかどうかで、生活は、はかれません。
書いていて、優しい人ではなく、想像力のある人になりたいと、そう思いました。
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