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world’s end girlfriend「抵抗と祝福の夜」の記録
2024年5月8日、world’s end girlfriend(以下wegと表記)のライブに行った。
会場は東京六本木のEXシアター。
私は関西在住なので、会場の近くでホテルを予約して1泊した。この1泊旅行についてはまた別の記事にして、今回はライブのことを書きたいと思う。
まとまりのない内容になるが、音楽の素人がライブに行った話、として読んでもらえると嬉しい。
world’s end girlfriend「抵抗と祝福の夜」
2024年5月8日(水)
開場18:00 開演19:00
EX THEATER ROPPONGI
world's end girlfriend は前田勝彦氏のソロユニットで、ジャンルは「ポストロック」「エレクトロニカ」になるらしい。
らしい、と言っているのは、正直に言うと私に音楽の知識がないからだ。それがどういった音楽を指すのかイメージが湧かないし、Wikipediaを開いてもあまり理解できていない。
音楽のことはよく分からないが、wegの Plein Soleil と Reincarnation No.9 - Fire, walk with me. が好きで何回も聴いていたので、東京で生の音を聴けると知ったときは喜んでチケットを取った。
クラファンのプロジェクトの一環として、ライブの売り上げの一部をガザ地区の支援に充てるという。
黒い封筒に入った綺麗なチケットが届いた。
真ん中より少し後ろの席だった。
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クラファンのマイページに、来場者への注意事項が送られてきた。公演中の私語や歓声は控えて、耳と目を各自で保護すること、とあった。
無事生きて会場でお会いしましょう、とあったのが嬉しかった。
旅行用品の売り場で耳栓を買っていく。
当日の感想。
耳栓を用意していって正解だった。耳栓がなかったら、始まってすぐに会場を出て行ってしまい、そのまま戻ってこられなかっただろう。
ステージの照明が眩しかったのでずっと目をつぶっていたが、耳栓をしても音は皮膚から入ってくるし、目を閉じていても光を感じられた。
トークや休憩はなくノンストップで演奏が続いた。どの曲が演奏されていて、始まってどれぐらい経ったのか、という系統立った思考ができなくなっていった(公式のトラックリストを貼っておきます)
このライブを通して、自分のなかで音楽に対する見方が変わった。
それまで、ステージに上がる人々は、聴き手にとって心地よい音楽を提供するために練習を重ねる、というイメージが自分の中にあった。
私の少ない音楽経験のなかで言えば、学校の合唱コンクールがそれに近い。聴き手はそれを享受して、ときには序列をつけて、なにかしらの講評をするもの。
しかし、ライブ会場で轟音に揺さぶられて感じたのは、自然はいつもに人に優しいわけではない、ということだった。音も同じで、必ずしも人に優しいものではなく、時には自然現象のように人の意思を超えて私たちを圧倒する。恵みでもあり、猛威をふるう存在でもある。
日常で音を飼いならして楽しんでいるのは、音のひとつの姿でしかないんだと思う。イヤホンで自由に音量を調整して好きなものを選びながら聴くのと、生の音の中に身を浸すのは全く違うんだってことが分かった。
何から言葉にすればいいかよく分からない。祝福なのか拷問なのか分からなかった。嵐の中でなすすべもなく震えている気分だったし、何かすごく綺麗なものに触れた気もする。
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終演後のステージ。
会場での物販はなく、音楽だけに特化した空間だった。
EXシアターを出ていくとき、バラの花を1本もらった。その晩は雨が降っていて、片手で傘を差しながら、片手に花を持ってホテルまでの道を歩いた。周りにも花を持って歩いている人がいた。
雨なので月は見えなかったが、東京タワーの灯が滲んでいるのが見えた。
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ホテルに戻った後、ペットボトルに水を入れて花を挿した。ベッドに伏せたまま意識が落ちそうになったが、なんとかシャワーを浴びてから眠った。
ライブの感想を書こうと思っているうちに1か月以上経ってしまった。
時間が空いた言い訳といえばそうなんだけど、本当にすごいものを自分なりに取り込んで文章にするまでには時間が要るのかもしれない。日常に戻った頃に思い出しながら記事にしている。
あの夜に会場に足を運べて、言葉にしきれないほどの圧倒的な体験をさせてもらったことに感謝しています。