知らず知らずのうちに全国の男共の寿命を縮ませてたかもしれない
内容がしょうもなすぎるので推敲はしません。悪しからず。
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腹が痛い。
これは喫煙者にしか伝わらない戯言だが、人はタバコを吸うとうんこがしたくなる。食事中の方には申し訳ないが本当だから仕方がない。それに私はアイドルでもないので出るものは出てしまう。これも仕方ない。
というか食事中にこんなタイトルのエッセイを読むなという話だがやや「読んでいただいてありがとうございます」という感謝の気持ちが勝ったので黙ることにする。改めて、皆様いつも本当にありがとうございます。
話は戻って、腹が痛い。しかしまだタバコは点火してから2分の1程度しか吸っていない。諦めてタバコの火を消すか、13円を渋って社会的尊厳を失うかだったら私は前者を選ぶ。泣く泣く灰皿にタバコを捨て、エレベーターホールに急いだ。
急いでいる時に限ってエレベーターが全く着かない現象に名前をつけたい。腹がそんな愚痴を呟いているとエレベーターのドアが開いた。焦る気持ち、というか腹を抑えて何事もないかのようにエレベーターに乗り込む。回数指定ボタンは少なく見積っても自分の行く階までに6個は点灯していた。それを見て腹がまたボヤいた。そろそろ限界かもしれない。
少し昇っては止まり、を繰り返したエレベーターはようやく目的の階に止まった。平静を装ってはいたが他人から見れば明らかに早足に見えたであろう。男子トイレへ向かう。
私の会社の男子トイレは先に洗面所を抜けて便器や個室が設置されている造りになっている。そして洗面所には大きな鏡がはられている。鏡の前には髪の毛を肩くらいまで伸ばした女性が立っていた。
……女性?あれ?もしかして女子トイレ入っちゃったか?嘘だろー。ただでさえオフィスでそんなに好かれてない雰囲気を感じるのにこんな事をしたら会社にいられないよ、まったく。なんて冷静になる事ができるはずもなく、心臓バックバクで入口まで戻る。さっきまで口をポカンとあけて「うんこしてー」としか思っていなかった男が今ではラマヌジャン並のIQでこの場をどう切り抜けるか考えていた。
入口にはMANの文字があった。やっぱり男子トイレじゃないか、さっきのは何だったんだ。そう考えていると私を焦らせた張本人が申し訳なさそうに横を通りすぎていった。ただの髪の長い男性だった。膝の力が抜けた。
まだ力の戻らない足を引き摺って個室に入る。便器に座り込んだ瞬間、緊張が抜けたせいか思わず吹き出してしまった。男子トイレで何故か焦る男と髪が長いだけで一人の人間をラマヌジャンに変える男。お互いに恥ずかしかっただろう。
思えば、私の髪も長い方なので今回と同じような事故が知らず知らずのうちに起きていたのかもしれない。不運としか言い様がないが寿命を縮めてしまった男性たちには申し訳ないことをしたものだと思う。本当はあまり思っていない。
心も一旦落ち着いたので個室を出た。ふと横を見ると全ての個室が埋まっていた。つまり吹き出してしまったところをトイレ内の全員に聞かれていたことになる。うんこを漏らさなくても、女子トイレに間違えて入ることもしなかったのに、最終的には「個室で1人で笑ってるヤバいやつ」のレッテルが貼られた。人生って難しい。
うんこは出なかった。