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きらめ樹セルフビルド物語Vol.2日本の森の現状

『きらめ樹セルフビルド物語』に繋がるお話を過去に遡って回想中~

『きらめ樹』とは?
NPO法人森の蘇りが推奨している皮むき間伐の愛称。
女性も子どもも、みんなができる森づくり!それが、『きらめ樹』
です。

https://mori-no-yomigaeri.jimdo.com/

まずは『きらめ樹』を知るまでのお話をしていきたいと思います。

2011年の東日本大震災が起きた時、当時横浜のマンションに暮らしていました。
物凄くマンションが揺れ、自力で立っていることが出来ませんでした。
震災地では無いにも関らず、スーパーから水が無くなりました。
「あ~都会に住んでいてはいけない」と夫婦で話し合い、田舎に移住することを決めました。
2012年横浜から三重県の田舎に移住しました。
綺麗な川があり、近くには湧き水もあり、山に囲まれていました。

地元の山
地元の川

僕たちの住んでいる場所は安全なのですが、
目の前に広がるスギ、ヒノキの人工林の山、ここは日本有数の多雨地帯、土砂災害は頻繁に起こります。
何故土砂災害が起こるのか?考えてもみたことがありませんでした。

簡単に説明します。


戦後の復興時に山の木を丸坊主になるくらい切ってしまった事で災害が起こるようになってしまいました。
それを国の事業で急速に植林という形で復興させました。
40、50年後には大きく育ち、日本の建材などとして使用する予定でした。
しかし、1964年の木材輸入自由化が始まり、1970年代からは輸入製品や輸入燃料材が国産材を圧迫し、2000年には木材自給率が過去最低の18.2%まで落ち込むことになってしまいました。現在は35%くらい。
どうして土砂災害が起こるのか?
山が崩れてしまうところはほとんどが植林の山なのです。
間伐が進まず、放置されてしまった山です。

スギ、ヒノキが山の中でこのように根っこから倒れているのを良くみかけます。

ねっこ根っこからの倒木

何故倒れてしまうのか?


それは植林する苗が、挿し木によるものが大部分であり、木を支える主根が細く弱い。
地中表面に浅く横に根を張るイメージです。だから大きく成長した時に台風などで倒れやすくなります。
山の斜面は整備されていない植林の木だけが生えているので、大雨、台風などが来るとごっそりと地滑りを起こすのです。

地元の土砂災害

一方、自然の広葉樹などの雑木は、自然に種から芽が出ることで、主根が自分の身長と同じくらいしっかっりと地中深く力強い根で全体を支えています。
スギ、ヒノキも種から成長したものは雑木と同じくらい強いです。
雑木の山は山崩れが起きにくいのです。
そう言う違いがあり、雑木山と植林山のバランスを取る必要がある事を知りました。
高齢化や国産材が使われない現状から林業の衰退がかなり山々を荒廃させている事も大きな原因だと思います。
地元の方は、山から木を切り出して、木材市場に持って行っても赤字になるだけだと、森の手入れが進みません。
林業離れが加速してしまっている現状です。
そんな状況を田舎に来て初めて知ったわけです。

植林された山々

1000m級の植林の山々、
この目の前の山々を何とかする手段は無いのかと?
とても素人では手を出せる状況ではありませんでした。

そんな日本の山の現状をいつの日かすっかり忘れてしまいました。

つづく

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