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なぜチーフや主任は機能しないのか?~管理職運用の失敗要因とは~


はじめに

医療組織ですと10名を超えてくるとチーフや主任という役割を用意するタイミングがきますし、多くの医療機関で既に存在すると思います。

しかしながら管理職者として機能させることができていない医院が多いようです。

そこで今回は管理職運用の失敗要因を探っていきながら、貴院の今後に活かしていただきたいと思います。
※以下、管理職をチーフと呼び名を統一しておきます。

失敗要因

失敗の要因は以下の5つであることが多いです。

①トップの方針が曖昧
②トップとチーフのコミュニケーションが薄い
③チーフ選定の判断ミス
④チーフとしての役割の不明確さ
⑤チーフ業務の時間が捻出できない


①トップの方針が曖昧


チーフの役割の1つはトップの考え方を現場に落とすことです。
ですから当然、トップの方針が曖昧な状況だと機能せず、意味をなしません。
前回と前々回の記事でお伝えした当院の方針や目標、プロジェクト運営などが整理されてはじめてチーフの機能が活きるようになります。

②トップとチーフのコミュニケーションが薄い


2点目はコミュニケーションの量と質です。
チーフは中間管理職ですが、言い方を変えると常に板挟みの状態です。
トップの方針と現場サイドの意見を調整し、上手く現場をトップの方針に近づけていく必要があります。
そのためには、コミュニケーションを取り、チーフはトップの考え方を理解し、トップはチーフの悩みや課題を聴き、すり合わせをする必要があります。
コミュニケーション量が少ないと、コミュニケーション量の多い現場サイドの意見に偏る可能性が高くなり、労働組合の延長線上になり得るリスクが高くなります。

③チーフ選定の判断ミス


3点目はそもそも論ですが、チーフの選定ミスです。
誤りやすい傾向として
・スキルが高い
・入社年歴(ベテラン)
この2点だけの判断でチーフに選定してしまうことで組織を混乱に招いたり、チーフが炎上する可能性があります。
スキルが高くても、チーフとして向いているわけではありませんし、ベテランだからといって向いているわけではありません。
チーフに求める役割を明確にし、適正人事としてチーフに任命するようにしましょう。

④チーフとしての役割の不明確さ


4点目は③にも記載しましたが、チーフに求める役割が明確になっていないことです。
多くの医療機関(特にクリニック)では、現場スタッフのまとめ役という抽象的な役割のまま進めてしまっているようです。
結果、チーフとしての役割を担っているかどうか評価ができず、チーフもパフォーマンスを発揮することができません。
この④が明確ではないからこそ、スタッフはチーフになりたがらないケースが多いのです。
チーフは立場が上ということではなく、役割が違うだけ、という捉え方を持つことが重要です。

⑤チーフ業務の時間が捻出できない


①~④は特に問題ないが、具体的な行動として前に進まないケースは⑤が要因であることが多いです。チーフが他スタッフと同じように診療現場100%の状態だと当然、チーフとしての時間が取れず、前に進みません。
④の役割を明確にすることと共に、現場からどの程度離れ、チーフ業務を業務時間内にどのように捻出していくのか、ここを考えてみてください。

本日は、管理職運用における5つの失敗要因についてご紹介して参りました。