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いつかエッセイを出版したいです!応援してくださってありがとうございます☺️☺️ 旅がすきです!私の話です。

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最近の記事

⑨眩しい空

 ご夫婦と一緒に緩やかな坂を上る。巡礼事務所周辺だけでもいくつかのアルベルゲがあり悩む。赤いレンガと白い壁、大きな木の扉、窓にはカラフルなお花たち。正直この町に宿泊できるならどこでもいいと思ってしまう。そのくらいには私の心は踊っていたし、初宿探しに舞い上がった。その気持ちはご夫婦も同じだったようで、私たちは重いバックパックとは裏腹に軽やかな足取りで坂をさまよった。  結局、中庭に黄色いお花畑のあるこじんまりとしたアルベルゲに決まった。  このアルベルゲは食事は各自、シャワー

    • ⑧アルベルゲ初心者

       第一声は忘れちゃった。でも、日本人ですか、とかそんな感じだったと思う。これから今夜の宿探しをするということなのでご一緒させてもらうことにした。ラッキー。  私が今回の巡礼旅において最も不安だったのは、宿決めである。多くの巡礼者はホテルではなく、アルベルゲという巡礼者専用の宿泊施設に泊まる。ここはいわゆるゲストハウスのような施設で、ホスピタレロというお世話人にクレデンシャルを提示しスタンプをもらうことで宿泊ができる。公営と私営があり、食事の提供の有無やベッドの数、快適さ、料金

      • 再生

        with Italian friends

        おじいちゃん友達と一緒に!もしイタリア語わかる方いらっしゃいましたら、最後なんと言っているか教えていただけませんか?😊

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          Beginning SJPP

          ⑦巡礼事務所

           町、というよりかわいい街、だった。バスク地方特有の赤レンガと白い壁、道端の小さなお花が涼しい。緩やかな石畳の上り坂の途中に巡礼事務所があった。ここで巡礼登録をし、説明を受けた後にクレデンシャルをもらう。クレデンシャルは申請をすればその国々のオリジナルをその土地で受け取ることができるし、巡礼はどこから始めていつどこで終わっても良いので必ず事務所に行く必要はないが、私はここから始めることにした。とにもかくにも自由な旅なのだ。  フランス人の道は初日が一番の難関といわれるルートで

          ⑦巡礼事務所

          ⑥Saint-Jean-Pied-de-Port(SJPP)

           翌朝、チェックアウト時間少し前にホステルを後にする。駅でSJPP行きの切符を自動販売機で購入。購入方法は昨晩日本語で予習済みなので難なくクリア。やっぱり事前準備は大切だと痛感。出発時間までは数時間あったので昨日できなかった街散策。田舎と言ってもやはりフランス。川に架かる石橋はそれだけでステキだし、川越しに見える向こう岸は絵画のようだった。いろいろなベンチで休憩しながら駅に帰ると、先ほどとは打って変わって私と同じような格好をした人がちらほら。一人の人はいないなあとぼんやり座っ

          ⑥Saint-Jean-Pied-de-Port(SJPP)

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          JAPAN〜PARIS

          JAPAN〜PARIS

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          ⑤聖地巡礼

           さて、今回私が「聖地巡礼」で目指している場所はスペイン、サンティアゴ・デ・コンポステーラである。エルサレム、ローマと並ぶキリスト教三大聖地の1つで、聖ヤコブが祀られている世界遺産でもあるカテドラル(大聖堂)を目指す。巡礼路はたくさんのルートがあるが今回私が歩くのは、フランス、サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(以下SJPP)から続く約800㎞のフランス人の道と呼ばれるルートである。このルートは道自体が世界遺産として登録されている。道が世界遺産として登録されているのはここと日本の熊

          ⑤聖地巡礼

          ④バイヨンヌ

           モンパルナス駅からバイヨンヌ行きの国鉄が出ることは予習済みなので、そこからは比較的スムーズだった。窓口で切符を購入。すぐの便は満席だったのでその次の便まで2時間程度、時間をつぶす。  そしてここで重要ミッション。この2時間で今夜の宿を確保しなければいけない。予定ではバイヨンヌに着く時間は19時過ぎ。その町が田舎ということ、初めての夜ということで、できるだけ駅から近く、お値段抑えめな宿を探す。Booking.comを開くこと20分。良さそうなホステルはあるのだが踏ん切りがつか

          ④バイヨンヌ

          ③いざパリへ

           その後もう一人の女性が加わり、年齢バラバラ謎の女4人衆が出来上がったところで私の出国時間が迫る。あとの皆は全員マルタへということなのでここでお別れとなった。最初の2人とは連絡先を交換していた。年上のお姉さんは一人で行く私のことがよっぽど心配らしく、今夜の宿に着いたら連絡することを強引に約束させられた。させられた、と言ったが内心はとてもとても嬉しかった。どのような場面でも自分を心配してくれる人がいて、連絡を送ってと言ってくれる人がいるのは、幸せなことである。  つかの間のグル

          ③いざパリへ

          ②お一人様旅の掟

           なんだか不気味な雰囲気のある空港だ。  初めてのイスタンブール空港に想像とのギャップを感じながら、空港内の移動バスに揺られていた。午前3時、うっかり飲み込まれてしまいそうな夜の空気に、なぜか私はわくわくしていた。今思うと、バックパッカーズハイである。そんな私の気持ちを感じとったのか、陽気そうな女性に話しかけられた。  日本人ですか?  頷き、私も聞き返す。同じ飛行機で日本から来たのだから、十中八九そうだろうと思ってはいたが、やはり日本人。彼女もここでは乗継で待ち時間があると

          ②お一人様旅の掟

          ①レールの外

           きっと必ず、私はここに帰ってくる。次は大切な人と一緒に。  1か月前、パリの見知らぬ空港で、しかめっ面のフランス人に気付かれないようひっそりと泣いていた私はもういない。  聖地巡礼をしよう!  そう思いたった大学4年生の春、5分後には数日後に迫った合同説明会の予約をキャンセルしていた。学生と社会人の狭間、多くの学生がそうであるように私もまた、人生の迷宮でため息をついていた。そんな生活の中で出会った「聖地巡礼」。もともと旅好きの私を就職活動のレールからドロップアウトさせるには

          ①レールの外