居心地よくなったので会社を辞めました。|とべちゃんのレシピ
こんにちは。とべちゃんの頭の中を書き残すnoteです。
私は今の自分がどこから来たのか、何でできているのかを考えることが好きです。そこで”とべちゃんのレシピ”と題して、これまでの印象的な出来事をよく振り返っています。
最近、学生の方との面談でよくいただく「なぜ新卒入社した会社を辞めたのか」について、何回かに分けて書き残しています。
今回は、タイトルにある「居心地よくなったから会社を辞める決意をした」エピソードを紹介させていただきます。
ずっと抱え続けた違和感
大学を卒業し意気揚々と新卒入社した私でしたが、新人研修期間からつまづくことの連続でした。誰よりもやる気があるのに全て空回り。失敗して、叱られて、落ち込んで、体調を崩して。とことんダメダメな毎日。
悔しいことが続く研修期間だったので、配属後はその悔しさを払拭するために必死でした。それでも思い描くような活躍には程遠い、苦しい日々が続きました。
何をやってもうまくいかない。気持ちも落ち込むばかり。好きだと思っていたこと、得意だと思っていたことは全て勘違い。これまでに手にしてきた自信は全て吹き飛びました。私にできることは何ひとつない。毎日、自分が自分でなくなっていく恐怖がありました。
組織への不信感、仕事で関わる人への嫌悪感、自分がいる場所、やっていること、全てが腑に落ちなくて、違和感だらけの底に落っこちていく感覚でした。
それでも、「これ以上ない」と思うくらい沈んだ私の会社員生活に、少しずつ回復の兆しが見えてきました。きっかけはマインドの変化にありました。
馴染めなかったのは全部自分のせい
うまくいかなかった理由は全て自分にありました。どうしようもなくなって変わるしかなくなりました。少しずつ自分が変わり、周囲のリアクションが変わっていきました。すると自分の気持ちも変わり、働き方も変わり、ポジティブな出来事が増えていきました。
1.「べき論、正論」→「正しさは一つではない」
学校の勉強は○と×がはっきりしていて、正しい一つの答えがありました。しかし、仕事ではたった一つの正しい解がないものばかり。時期で変わるものもあれば、見る側面、関わり方によって変わる正しさや確からしさがあることを理解できるようになりました。
その違いを理解する前の私は、仕事や組織に対して生じる疑問を「何でこうなんだろう(違うよね?)」と否定的に捉えてばかりいました。
時間をかけて多くの人と関わり、経験を積む中で、世界は自分の見える部分以外にも広がっていて、立体的なものなのだとわかりました。想像力を働かせて見えていない側面にも意識を向けるようになりました。
2.「自分」→「相手」
多様に存在する正しさを理解するには、相手や関係者や組織や社会環境など、自分以外のものに目を向けたり、それらの繋がりをイメージする必要があります。
その仕組みがわかってくると、かつては自分のルールで「おかしい」と決めつけて相手のせいにしていたことも、「なぜそうなのだろう?」「何か事情があるのかもしれない」「なんとかできないか」と考えるようになりました。すると、相手に寄り添ったり、助けたりできるようになりました。相手の役に立てる喜びは、組織の中に自分の居場所を作ってくれました。
3.「気の合う友達」→「ステークホルダー」
学生時代は気の合う人とだけ付き合い、苦手な人とは距離をおくことができました。でも仕事は違います。気が合う/合わない、好き/嫌いを問わず、いろいろな人と関わります。
仕事で必要な人間関係は、商売で合理的に双方のメリットを生み出せる関係だと思います。「好きかどうか」「仲良くなれるかどうか」のような個人的な感情は、極端に言うと不要です。好きじゃない人とでも円滑に仕事をすることは可能ですし、信頼関係を築くこともできます。(もちろん、全員とお互いに気が合って好きになれると良いのですが。)
うまくいかなかった頃の私は、学生時代のお友達を作る感覚で、商売相手を見ていたからうまくいかなかったと思います。商売で合理的に双方のメリットを生み出すための関係構築へとマインドが切り替わると、コミュニケーションも変わり一気に楽になりました。
4.「ボランティア」→「商売」
「仕事を通じて社会や他者に貢献したい」
私も微力ながらそう思っています。仕事を通じて社会や他者に貢献できることはたくさんあると思っています。
でも見落としていけないのは「商売」であるということです。そう、私は見落としていたんですね。
当然のことですが、商売は無償の奉仕やボランティアではありません。仕事を通じて貢献するには、取り組むことが商売として成り立つか、売り上げと利益が作れるかが重要です。
目先の貢献にとらわれず、事業成長や企業の存続が社会にもたらす大きな貢献を知ることが大切だと思います。
事業を通じて社会に貢献するために、良い商売をするのです。
馴染めなかった会社が居心地のいい場所に
そんなこんなで、マインドが変わり、スタンスが変わると、周囲に応援してくれる人が増えました。たくさんの人の助けを得て、少しは仕事ができるようになりました。次第に仕事が楽しくなりました。
そして4年目のある日、ふと気がつきました。
「かつてはあんなに会社に行くのが辛くて気が重かったのに、毎日がとても楽しい。居心地が悪く馴染めないと思っていた会社が、いつの間にかとても居心地のいい場所になっている。」と。
私は仕事で全ての自信を失いました。でも仕事は私に自信を与えてくれました。
ずっとずっと求めていた「ここにいていいんだ」「ここで頑張れるんだ」という気持ちを4年がかりで手に入れることができました。
新人研修時代から取り返せなかったものがやっと埋まったような感覚でした。それはそれは本当に、涙が出るくらい感動しました。逃げるように組織を去ろうと考えていた頃の自分に比べると目覚ましい成長です。
そして、同時にわかったことがあります。
本当に欲しかったのは、安住できる場所ではなく、どう頑張っても超えられなかった壁を乗り越える経験だったのです。「このままじゃ終われない」という意地が私の原動力でした。
「あ、やりきったな。」と思いました。
会社に期待される成果を出したとはとても言えないです。でも自分の中で納得感がありました。
そこで私は自分の社会人人生に一つのゴールラインを引きました。
こうして私は会社を辞めることを決意しました。
お恥ずかしながら私は4年かけて、社会人として当然のことを学びました。今でも「何でみんな当り前のように納得して、違和感なく適応できていたのだろう。すごすぎる…。(私がやばすぎたってことかな…)」と思い続けています。
まぁ、こんな私でもちゃんと仕事ができています。(今の会社では新人賞をもらったし、マネジメントもやらせてもらえるようになりましたよ!)新卒のみんな、安心してください。
以上です。
本日もありがとうございました: )
とべちゃん: )