Hiroki Tobita

私立高校で情報を教えています。Google Workspaceを使った授業や校務での活用などについて実践しています。 ICT/ 授業実践 / eポートフォリオ / Google認定教育者Lv.1 、Lv.2/ GEG Fuji

Hiroki Tobita

私立高校で情報を教えています。Google Workspaceを使った授業や校務での活用などについて実践しています。 ICT/ 授業実践 / eポートフォリオ / Google認定教育者Lv.1 、Lv.2/ GEG Fuji

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AI時代の教育は「体験」に全振りしてもよい?

□ はじめにChatGPTに代表されるようにAIの進展が目覚ましく、私たちの生活や働き方、学び方に革命をもたらしています。この技術の進歩により、私たち教師は「どのような能力やスキルを未来に必要とするのか」を探求する契機にもなっています。この問いは不確実性を孕んでいるため、何が求められるか明確には捉えられませんが、高校教師という立場からの視点や考えを述べていきたいと思います。ぜひ、多くの教育関係者と議論したいテーマでもあるので、気軽にコメントしていただければと思います。 □A

    • 学びのドーナッツ理論について

      私は教師として働く前、教育とは「発達を促すすべての営み」であると学び、この「発達」を「社会文化に貢献できる潜在的能力」と解釈するヴィゴツキーの学習理論を学びました。個人が教育されれば社会がよくなり、社会が良くなれば個人が良くなり、個人がよくなれば社会が良くなるというスパイラル構造を実現するために教育があるという考え方です。 また、ヴィゴツキーの社会構成主義理論が広がっていく流れのなかで、佐伯先生が提唱する「学びのドーナッツ理論」やレディの「二人称的アプローチ」論を学び、教育

      • Google認定教育者レベル2 を取得しました!

        先日、Google認定教育者試験のレベル2に合格しました。万全の状態ではありませんでしたが、有難いことにバウチャーや勉強会などのサポートもあり、無事に受かることができました。 □ Google認定教育者を取得したキッカケGoogle認定教育者試験を知ったのは、外部の先生とのオンラインミーティングがきっかけでした。ちょうど、一人一台のICT端末やGoogle Workspaceの導入を始めたタイミングで、ICTの活用についてご相談させて頂いたときに、GEGの存在、Google

        • 朝のルーティンを確立するための、習慣化のメカニズム

          「毎日の行動の40%以上が「習慣」によって決められている」 これは、デューク大学の学者が2006年に発表したもので、毎日の人の行動の40%以上が「その場の決定」ではなく「習慣」によって決められています。 つまり、良い習慣を身につけ、悪い習慣を減らしていくことにより、人生が劇的に変化するということは、議論の余地がないところですが、良い習慣を身につけるのは簡単なことではありません。 私も幾度となく習慣化に挑戦しましが、「朝、運動しよう」と思っても1週間続かなかったり、起きら

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          【学習とは一体なにか①】スキナーの行動主義について

          個人の学習を成立させる学習論として、大きく3つの考え方があります。いずれも「発達」の捉え方の違いが理論を規定していると考えられ、「知識」の定義によって変遷をしてきました。 今回は、「行動主義」の学習理論について紹介していきたいと思います。 □ 行動主義とは行動主義とは、J.B.ワトソンにより提唱された現代心理学の学派です。それまでの心理学で中心的役割を果たしていた内観法を批判して、客観的データを重視しました。行動主義のメカニズムは、「刺激→反応」の繰り返しによる強化です。

          【学習とは一体なにか①】スキナーの行動主義について

          【Pear Deck】Googleスライドを活用したインタラクティブな授業実践

          今回は「Pear Deck」というGoogleスライドのアドオンを利用した授業について紹介します。スライドを使った説明は一方向の授業になりがちですが,このアドオンを使用することで,簡単に教員と学習者が双方向的に授業を進めることができます。 □ Pear Deck(ペアデック)とはGoogleスライド/Microsoftパワーポイント用のアドオンで,インタラクティブな授業を可能にするツールです。生徒の反応をリアルタイムで共有したり、教師が各生徒の回答を一覧で確認することができ

          【Pear Deck】Googleスライドを活用したインタラクティブな授業実践

          【他己紹介】授業始めのアイスブレイク

          今年度も新しいクラスでの授業がはじまりました。 毎年、初回の授業では、授業のルール,授業の内容,成績などについて説明し,コンピュータのログインなどで終了するのですが,今年は上記に加えて、「他己紹介」というアイスブレイクを実施してみました。ただのアイスブレイクとしてだけでなく,相手の情報を収集し上手に伝達できるか,また相手を惹く情報はどれなのかを選別するなど,情報の授業とも絡めて実施し、さまざまな効果があったので共有していきたいと思います。 他己紹介とは他己紹介とは,「自分

          【他己紹介】授業始めのアイスブレイク

          成長するために必要な「報・連・相」のマインドセット

          どの仕事においても重要とされる「報告」「連絡」「相談」。略して「報連相」ですが,これを上手くやれる人とやれない人とでは,その後の成長角度に大きな差がでるなと感じています。 自分が「報連相」を意識するようになったきっかけは,大学院時代の研究活動でした。週1回のゼミで研究の進捗を発表するのですが,毎回,ダメ出しや軌道修正を求められ,とてもストレスを感じていました。 そこで,「報連相」のやり方を見直したところ,修正にかける時間も減り,精度の高い仮設を立てたり,結果を出すことに繋

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          再現性を高める努力を続けることの重要性

          「できた」で終わりではなく「できる」状態にしておく。 これは,僕が教員になる前,働いていたスタートアップで学んだことの1つです。新しいことにチャレンジして成功できたときは,いつ誰がやっても同じような結果になるよう,再現可能な仕組みを作ることを心掛けています。 自分が教員となったいま,どのように教育現場で再現性のある仕組みを作る工夫をしてきたか,綴っておこうと思います。 □ スタートアップ時代の経験仕事で伸びる人と伸びない人の大きな違いの1つは「再現性」だと考えています。

          再現性を高める努力を続けることの重要性

          高校での観点別学習状況の評価の導入に向けた評価方法についての考察

          2022年度から始まる新学習指導要領では,高等学校で観点別学習状況の評価が義務付けられ,これまでの評定に加えて3つの観点において,A,B,Cの3段階で評価することになります。 この観点別学習状況の評価では,「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点について評価し,学習と評価を一体化させ,児童生徒の学びを進めていくことが求められています。 私の勤務校では,この3観点をどのように評価するのか具体的な方針は決まっていないのですが、現時点の実行可能な

          高校での観点別学習状況の評価の導入に向けた評価方法についての考察

          【Googleフォーム】学校の欠席連絡の運用方法と導入時の流れ

          はじめに近年,学校・保護者等間における連絡手段のデジタル化の推進により,児童生徒の欠席連絡をフォームで行う学校が増えてきています。 これまで欠席連絡は,朝の忙しい時間帯に電話で連絡するという方法が主流でした。保護者の立場から見ると,朝の決められた時間内に電話しないといけない煩わしさや,教員側からすると朝の勤務時間外に電話を取ることを強いられるなど,両者の負担が大きいものになっていました。 そこで,私の勤務する高校でも,欠席連絡をGoogleフォームというツールを使ってデジ

          【Googleフォーム】学校の欠席連絡の運用方法と導入時の流れ

          【高校生プログラミング】情報の授業でpythonを使ったプログラミング学習の実践

          はじめに2022年度から高等学校の新学習指導要領が全面実施され,プログラミングの授業を段階的に適用する流れとなっています。 私の勤務する高校では,情報の授業で「python」というプログラミング言語で学習をはじめました。その内容をまとめたので、投稿しようと思います。 言語の選択理由そもそも教科「情報」の目的は何なのか、そこから考えて選択しました。学習指導要領にはいろいろ書いてありますが、ざっくり言うと「情報や情報技術を活用して情報を収集したり分析して問題を発見し,解決して

          【高校生プログラミング】情報の授業でpythonを使ったプログラミング学習の実践

          【授業実践④】「学び合い」集団を作る情報科の授業実践

           今回は、高校情報科での「情報のディジタル表現」についての授業実践を紹介します。 学び合いの授業 この単元では、学習者相互の「学び合い」を中心とした授業をおこなっています。学び合いとは、その名の通り子ども同士で教え合い、学び合い、自発的に学習していく授業形態のことです。この方法では、教材に演習問題(穴埋め問題、計算問題、文章問題など)を用いて、生徒たちが教科書や資料などから情報取集し、解答していきます。自分で解答できない箇所については、解答できたものに解き方や考え方を教えて

          【授業実践④】「学び合い」集団を作る情報科の授業実践

          【学習とは一体なにか②】ピアジェの構成主義について

          今回は、「構成主義」の学習理論について紹介していきたいと思います。 個人の学習を成立させる学習論として、大きく3つの考え方がこれまでに提示されてきました。いずれも「発達」の捉え方の違いが理論を規定していると考えられ、「知識」の定義によって変遷をしてきました。 前回、紹介した「行動主義」は「発達」を「知識の量」と捉えていました。1980年代に入ると、知識は普遍的なものではなく、変わっていくものであるという考えに変わってきました。つまり、社会という共同体の中で「真」とされたも

          【学習とは一体なにか②】ピアジェの構成主義について

          【学習とは一体なにか③】ヴィゴツキーの社会構成主義について

          □ はじめに 私は教師として働く前、教育とは「発達を促すすべての営み」であると学び、この「発達」を「社会文化に貢献できる潜在的能力」と解釈するヴィゴツキーの学習理論を学びました。この理論に出会ったのは大学時代で、その当時、知識伝達型の授業に疑問を持ち、学習者中心の授業を模索していました。そのため「学習とは単なる知識伝達のみならず、学習者の事前知識から事後知識への質的な変化である。そして、仲間の援助を受け入れることによって発達が生じる」というこの理論を初めて知ったときは、ものす

          【学習とは一体なにか③】ヴィゴツキーの社会構成主義について