Backroomsとエンティティにまつわるいくつかの愚痴について
たまにはと、僕は自転車で片道20分くらいある画材屋まで歩いて行った。目が開けられないくらいの向かい風を全身に受けてオールバックになりながら進んでいた。交差点で信号が変わるのを待っていたが、奇妙なことにそのときだけは、車通りが一切なかった。それどころか、見渡せるところまでなかったのである。一つの方向に三つ車線があるような大きな道路なのに相まって、僕は異世界にきた気持ちになった。その時間自体はほんとうに一瞬で終わってしまったが、僕はあることを思い出して、ふつふつと上記のようなお気持ちを表明した。
Liminal spaceという言葉を聞いて、僕が初めに思い出すのは、7歳の頃の記憶だ。40度近い高熱を出して、目の前の色がすべて黄色かかってみえ、僕は親に連れられて深夜4時の病院にいた。その病院は、総合病院というよりは、どちらかといえば市役所と呼んだほうがしっくりくるような場所だった。ロビーがずっと広くて、消火栓の赤いライトが廊下の大理石を照らしている。受付のナースが机に突っ伏して寝ていた。医者のいる場所を指さされて向かうと、そこは暗い廊下であった。いくつかのドアが並んでいて、奥から3番目のドアから光が漏れていた。それ以外は、非常口表示の緑の光が。夜目が効いてたし、何か障害物があるわけではないから廊下はすんなり通れた。僕は薬をもらうと、空は紫がかって、明るかった。
最初に外出禁止令が出たときに初めてLiminal spaceという言葉を聞いた。それから三年経つが、僕は未だにあのとき見た無人の羽田空港を忘れることができない。
これから長々と書かれる文章を要約すると、BackroomsもLiminal spaceもすきだけど、Backroomsの一部の設定が気に食わないという話。
それがなにかといえば、エンティティと、派閥と、ナントカという巨大企業の存在だ。そもそも裏世界という体で話進めてるのに、本来意識を持つ個体が立ち入ることが想定されていないのに、なぜアーモンドウォーターのようなインタラクト可能な物があるのか甚だ謎。しかも巨大企業ってなんだよ。資本主義ちらかせるなよ。
そもそもBackroomsとかの不気味空間は何かが来るかもしれないからこわいのであって、実際に何かが来ちゃ意味がないということをその設定を考えた者たちはわかっちゃいない。最初に言いだしたやつを許しはしない。
不気味だな~淋しいな~こわいな~って、誰かに脅されてるわけでもないのに自然と怖い気持ちになるところがBack roomsのすごいところであり魅力的なところなのに、僕は理不尽な怖いエンティティによって怖くならされている!漠然とした恐怖が!ちっぽけで実体を帯びてしまった!暗闇に笑みを浮かばせるな!針金みたいなやつ登場されるな!やってること完全にプレデターと同じなんだよ。というか人間だすな!!首落とせ。首落として外歩かせてたらまだ許せる。ただの悪意もった人間なんて現実で十分じゃ。
あとドラマチックにすな。その空間に対等に向き合えるのはその場所とそれを観測する自分じゃ。おまキャラみせるな。没入感そがれる。
そもそもLiminal spaceから派生されるBackrooms、それらになされる評価について度々あげられる不安感や超現実感、不自然さ、不気味さはすべて元をたどれば、本質的に外界から隔絶された状況に対する孤独感じゃないかと考えてる。そこに人の息吹を感じてしまった瞬間!!それまで立ち尽くしていた人に生きる気力が生まれてしまうだろ!!!人がいるならどこかで出会えるかもしれないって希望をもつだろ!!!!Backroomsは!!!!もっと漠然としてて!!!!とにかく絶望的で!!!なにかこう…超越的でなきゃいけないんだ!!!
厄介オタクになっちゃった。
記事を書くのに差し当たっていろいろ調べてみると僕と同じような思いをしてる人は他にもいたみたいで、日本コミュニティのBackrooms Wikiは、僕が先述した派閥とか企業とかの設定よりも、もっぱら初期のBackroomsにあった雰囲気のほうがもっぱら重視されているみたい。
あは….ぼく、情弱みたい…。野暮ったさを抱えて一人山にこもって呪詛を書きまくってたら、いつの間にか自分がただの妖怪になってたみたい。これでこの記事はおわりにします。Backroomsはいいですよ。
日本wikiを知った記事