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長期投資を始める前に考えて欲しいこと・必要な知識
はじめに
近年、積み立てNISAやiDeCoなど、長期的な投資を促す制度や情報が溢れています。確かに、長期投資を行えば資産が増える可能性は高いでしょう。しかし、人生において最も価値のある資産は「お金」ではなく、「記憶(思い出)」ではないでしょうか。お金とは、あくまで人生を充実させるための手段に過ぎません。
私は長期投資をしないという選択をしています。その考え方を以下に述べていきます。これから積み立てNISAなどを始める人は、一度この記事を読んで、自分にとって本当に投資が必要なのかを再考してみてください。
また、この記事では本当に投資をすべきかの判断方法、考え方を一緒にシミュレーションできるようにしています。
加えて、投資をする場合なぜ銀行での投資はだめなのか、投資するなら何の証券講座を使えば良いのかの判断方法、何に投資しなぜそれが良いのかを徹底解説しています。
※この記事では、投資の一般的なシミュレーションとして年利4%を採用しています。これは過去の市場平均を基準にした一例であり、将来の利得です。
投資回収について考える
投資をする目的は、お金を増やし、将来の安心を得ることかもしれません。しかし、もし貯めたお金を使い切ることなく人生を終えたとしたら、それは果たして意味のある投資だったと言えるでしょうか?
「老後の安心感のために貯める」と考える人もいるでしょう。しかし、本当にそれが必要なのでしょうか。以下のパターンを見ながら、考えてみましょう。
パターン1:お金を使い切る考え方(取り崩し)
例えば、積み立てNISAの非課税枠で1,800万円を貯めたとしましょう。これを定年後の30年間で使い切るとすれば、
8.5万円 × 12か月 × 30年 = 3,060万円
と、実質3,000万円以上使える計算になります。
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一見、魅力的に見えますが、ここで考えなければならないのは「健康」です。25歳、35歳、45歳、55歳で1800にするためには毎月いくらの投資額が必要か見てみましょう。
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老後に8.5万円を使うよりも、投資額を今使うほうが、より有意義な経験ができる可能性があります。その例を以下に示します。
恋愛
20代
収入や将来性を気にせず「好き」という感情だけで付き合える
デートの費用を割り勘にしても気にならない
価値観の違いがあっても勢いで付き合い続けられる
30代
相手の年収や職業、結婚観を意識するようになる
周囲の結婚ラッシュに焦りを感じる
恋愛より仕事や自己成長を優先しがち
40代
婚活市場での厳しさを実感する
相手に求める条件が増え、妥協が難しくなる
結婚歴や子供の有無が重要な要素になる
50代
再婚やシニア婚を視野に入れ始める
友達関係の延長のような恋愛が増える
健康や介護など老後のことを考えて恋愛するようになる
旅行やイベント
20代
LCCやゲストハウスを活用し、低予算で海外旅行ができる
深夜バス移動やオールナイトイベントに耐えられる
思い立ったらすぐに旅行に行けるフットワークの軽さがある
30代
多少高くても快適なホテルや移動手段を選び始める
旅行先での体力消耗を考慮し、ゆったりしたスケジュールを組む
仕事のスケジュール調整が必要になり、自由な旅行が減る
40代
長期休暇を取りにくくなり、短期間の旅行がメインになる
観光よりもリゾートや温泉など、リラックスできる旅行を好むようになる
体力の衰えを感じ、ハードなアクティビティは避けるようになる
50代
旅行よりも家でゆっくり過ごす方が快適に感じることが増える
ツアー旅行やクルーズ旅行など、手間のかからないプランを選ぶようになる
体調を考慮し、移動時間が短い国内旅行を好むようになる
趣味や遊び
20代
友人と徹夜でゲームやカラオケをしても翌日平気
フットサルやバスケなど体を動かす趣味を積極的に楽しめる
週末はイベントやライブに連日参加しても問題ない
30代
徹夜すると翌日に響くため、無理をしなくなる
体を動かす趣味よりも、読書やカフェ巡りなどの落ち着いた趣味が増える
仕事のストレス解消のため、趣味にお金をかけるようになる
40代
趣味にかける時間が減り、家での時間が増える
新しいことを始めるよりも、過去の趣味を継続する形になる
体力を使う趣味をやめ、ウォーキングやゴルフなどにシフトする
50代
体力を考え、アウトドアよりインドアの趣味が増える
一人でも楽しめる趣味(ガーデニング、DIY、書道など)を好むようになる
健康維持を目的とした趣味(ヨガ、軽い運動など)に移行する
私自身の経験ですが、若いころは寒い中、開園待ちを何時間もしてディズニーに行っていました。しかし、今では体力的に難しく、ホテルに泊まり、ハッピーエントリーを利用する形に変わっています。こうして経験できることが減っていくのです。
こうした点を考慮し、「今の楽しみ」を犠牲にしてまで投資すべきかどうかを改めて検討してみてください。
パターン2:老後の安心感を優先する考え方(予備)
老後にけがや病気の治療費がかかることを不安に思い、お金を寝かせておく人は少なくありません。しかし、その結果、病気にならずに1,000万円以上を使わずに終わる可能性もあります。
たしかに、万が一のときのために貯蓄をしておくことは安心につながります。しかし、お金を貯めておき、いざ病気になったときに治療費として使い、本当につらい状態で生き続けることが、自分にとって最善の選択なのでしょうか?
また、保険で賄うことはできないのか、あるいは治療費に充てて長生きすることと、健康なうちにお金を使い、思い出をつくることでは、どちらが自分にとって価値があるのか。
老後のお金の使い方について、改めてじっくりと考えてみることも大切です。
パターン3:使い切りと安心感の両立(利回りのみ使用)
使い切りと安心感の両立として、利回りのみで生活するという方法もあります。
1,800万円を年利4%で運用した場合:
1,800万円 × 4% = 72万円(年間) → 月6万円
この形は理想的に見えますが、元本を回収するには25年以上生きる必要があり、それ以前に亡くなれば損をすることになります。
「もっと若いうちにお金を使っておけばよかった」と後悔しないために、老後の働き方や資産運用について、今のうちにバランスよく考えてみるのも一つの選択肢です。
また、「老後は絶対に働きたくない」と考える人は多いでしょう。しかし、人は社会とのつながりがなくなると孤独を感じやすいものです。
もちろん、趣味の仲間がいれば問題ありませんが、年齢を重ねるにつれて交友関係は狭まり、友人を失うことも増えます。そのとき、孤独に耐えられるでしょうか?
一方で、現在はシニア採用が増え、時給も上昇しています。月8.5万円程度であれば、アルバイトで十分稼ぐことが可能です。むしろ、働くこと自体が趣味のようになり、社会とのつながりを持つメリットもあります。
こう考えると、「今、数万円を節約してまで投資に回すべきなのか?」と再考する余地があります。
一緒にシミュレーションをしてみよう
ここまで、投資に関する考え方を伝えてきました。しかし、価値観は人それぞれです。そこで、自分ならいくら毎月投資すればよいのか、どうしていけば良いのかを解決するためにシミュレーションをしてみましょう。
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