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只今の変化を共に感じ、そこに祈りを込めることそれが愛する事。

おはようございます
生命問い器の中にある命
その命を生き切るために
命とは、生きるとは、死とはを考える
とある看護師です。


 引き続き6月も『愛する事』とは何か
そこについて、考えていきたいと思います。
愛するとは『今この瞬間、ただいまを生きる事』と
昨日の朝、記しました。

https://note.com/toarusekitomo/n/nebb33c091e35

 昨日は、その只今、その今この瞬間を
まさに、変化する身体を共に感じ共有し、
私のできうる限り、私達のできうる限りを実践した
一日でした。
 患者様は突然動かなくなる、難病でした。
症状が想ったより早く、治療実践しても刻々と、
進行している。
この事例は、あなたにと、夜勤リーダーが直接帰り際に
私に言葉を残し
担当が割り振りされたのでした。

難病に該当する神経疾患『ギランバレー症候群』
刻一刻と、自らの上下肢が動かなくなる状況において、
できうる治療の実践をしつつ、
その、じりじりと迫る、動かなさ。
感じたくなくても、感じざる得ない
動けなくなるという実感、恐怖、絶望に
どう向かい合うか。この瞬間をどのように
共にするか。

 一昨日、ボールペンで漢字を自らの名前を書けていたのに
今はかけない。
 昨晩は、自らの携帯を持ち上げ、細かくメールを打てたのに
今は、携帯をたてかけないと、メールがうてない。
 今日は自らの口腔内で、沸き上がる唾液が、重力で流れ落ち
気道と食道の区分けを自然に体がやってのけ
上気道の粘膜が運動するのに
それが、できていないのが、喉の動きができない。
午前中感じなかった、口の周りのしびれが
今寝る前にでてきており、
自分の身体の感覚が刻々と変化している。

上記の身体変化を、冷静にインターネットで調べながら
表出されていました。
理解力もあり、自己で対処しようと、行動しておられる。
『動けなくなるのはわかってます。
足はほぼ動かなくなっているのはあきらめたというか。
でも手が動かなくなる変化が怖いです。
動かないんだから、自分でできないし食べることも
胃管で鼻から管ですかね、、』
そんなことをおっしゃるのでした。


医師は、勿論頻回にベッドサイドにきて、
神経症状、身体の診察を実践します。
話しをする。

~ですが時にこの看護師、医師の問い、診察が
動けるか、この痛みが感じるか
今この筋肉に力を入れてほしい。。と呼びかけることになり、
大切なのですが、酷で、非情で、
時に、その患者様の表情が引きつっていく。~

医師と話し合いもしました。
今できる説明とできうるケアについて。
食事が気分転換になるのかもしれませんが、この状況では
飲水することもリスクとなる。
今できうる見通しが立たない状況、
その後の回復は、保証は立てられないと。
できうる、やれる治療をしており、
ここからは
もう、一緒にその場にいて、
治療効果をみていく時期。


~私は、緊急入院は、すべて他スタッフに託して
このベッド上を強いられる安静の状況で
入院によってできていないケアを
すべてをベッドの上で
寝たまま実施していくことにしました。

足浴をして、
髪を洗って、
手が動かないその方の歯磨きをして
ひげをそり皆で
実践します。


 ベッドサイドにいったときに
ただ、身体の変化を聴くことそれだけを
することが、とてもできない。
ケアをしながら、身体の感覚を一緒に
わかろうとして、聴いてどこまで動くか
感覚があるかを把握する。
その只今を全力で。それを、試された一日だったと思います。

患者様が寝る前に発した言葉が下記でした
『今暗くなって(消灯)寝る時間ですが
もし、自分の呼吸が、息が変化した時
おそらく、呼吸器となるんですよね。
夜神経内科の先生はずっといてくれるんですか
この土日はどうなんでしょうか
気管挿管は誰が。。』

この寝る前の言葉からも
安心ができていないし、
信用もされていない。
関係性を構築するのには
まだまだなのは十分自覚している。
それでも
打ちのめされるのと、
その抱える恐怖と不安が
私の想像に及ばないものだと実感します。


少しベッドサイドで話す時間を持ちました。
『助けてを言ってよいこと』
『こんなことでもということ、位置をかえる
ベッドの角度などすべてを頼んでほしいこと、
動かせなくなる不安と恐怖の気持ちのせめぎ合いは、
今減らせなくとも
身体的安楽を保つことは一緒にできるかもしれない。
頼んじゃ悪いということはないこと』
そこについてを一日を通して、
ベッドサイドでの行動を通して
最後に一言二言の言葉で
お伝えしようとした。


  今この瞬間を生きるのに
こんな酷なことがあるのだろうか
刻々と動かなくなる自らの体の感覚を味わって
必死で対処する状況。
何故、人間に病があるのでしょうか。

それであればこの只今、
その一刻一刻の変化する瞬間を
できうるベストを尽くして
そのケア一つ、そのラウンド一つに
『助けてを言って大丈夫です』
の想いを込めるしかない。
そして、やはり祈りを込める。
治療の効果がでてくるように
少しでも、気持ちと体の安らぎがとれるように。。

だからこそ想うのです。
今日の朝
私の心臓も、あなたの心臓も
身体が打ち続けてくれ、
あなたも、私も今日も朝を迎え
生きていること
息ができていること
手足が動くこと
稀有で、ありがたく、
自然と涙がでてくるのです。

~昨日担当した患者様の治療が
うまくいくこと
私も今日も全力で生きていくこと
そしてあなたも今日をかけがえのない
時間を生き抜けることを
今日も祈って
今日も行ってきます。
あなたと私の命に
ありがとうございます
あなたもいってらっしゃいませ。~


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