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ノーベル物理学賞「量子もつれ」をわかりやすく解説・・・という記事の紹介です。

宇宙について、宇宙が膨張しているらしい、どういう事だろう、調べてみよう・・・と調べてみた結果、余計に分からなくなったおおさわです。

みなさんお元気に過ごされていますでしょうか?
安心してください、今回もわからんシリーズです。

さて、宇宙の次は量子について調べてみました。
どうせまた分からなくなるだろう・・・と思ってたのですが、10歳でもわかる!という記事があったので、そちらを読めばわかるはず!という事でチャレンジです。

「量子もつれ」が何なのかについては、ノーベル賞にちなんで作られたテレビ番組や解説動画などをみて調べた人も多いでしょう。

ナゾロジー

すいません、量子については、マーベルの映画アントマンで知ったくらいでよくわからないんです(笑)

しかし、おそらく多くの人は「量子世界の奇妙さ」という文言しか記憶に残らず「量子もつれ」が何なのか、さらに受賞者たちの何が凄かったのかという部分については、イマイチな感じで終わっているかと思います。

ナゾロジー

量子もつれ自体がよくわからないし、そもそも量子っていう所からよくわかってない気がする。

原子よりもっと小さい単位?くらいの認識だし・・・

そこで今回は「量子もつれ」について可能な限り表現を簡略化した図や文章を用いることで、小学校の子供でも「量子もつれ」の不思議さを実感してもらえるような解説を目指しました。

簡略化によって「量子もつれ」の数学的理解や実験装置の仕組み、設定条件などの要素は大幅に省かれていますが「量子もつれ」の核となる神秘的な部分を感じて頂けるように努力しました。

ナゾロジー

そろそろ50歳になるおじさんでも理解できればいいのですが・・・

量子もつれ」について解説する前に、多くの人にとって謎である「量子」や「もつれ」といった単語について簡単に解説したいと思います。

量子というのは、ザックリ言えば小さな粒です。

といっても、BB弾のように肉眼で確認できるようなサイズの粒ではありません。

では、どれくらいの小さい粒なのか?

さまざまな解釈がありますが、一言で答えるならば量子は「日常生活で学んできた常識が通じなくなるほどの小さな粒」となるでしょう。

テニスボールやサッカーボールなど、人間の手にとれるサイズにある物体がどのように転がったり飛ばされるかは、日常の常識でも十分理解できます。

しかし量子レベルの小さな粒は、何もない空間から突然現れては消えたり、1つの量子が2つの穴を同時に通過したりと、日常の常識から外れた振る舞いをはじめます。

これは、私たちがテニスボールやサッカーボールで学んだ日常の常識が、宇宙に存在する全ての物理法則のなかで通用する割合がほんの僅かでしかないことが原因です。

量子世界の法則も、そんな日常の常識の範囲外に存在する分野の1つと言えるでしょう。

ナゾロジー

あー・・・
なんだよ、いきなり分からんぞ(笑)

とにかくあり得ないほど小さいモノが量子である、という理解でいいのかな。まず見えないくらい小さいと。

で、そのくらい小さくなると、今僕らが信じている常識が通用しないような現象が発生しますよ、と。

・・・なんで?(笑)

つーことは、僕ら人間の身体の中の細胞の中のもっと小さな世界では、常識ではありえないような現象が起こっている、という事?

そもそも、何もないところから突然現れたり消えたり、1つの量子が2つの穴を同時に通過したりって・・・どういうこと?

そういう現象は観測できてるんだ、二つの穴を同時に通過?

あー・・・そっか、常識が通用しない世界が量子の世界か・・・

いやでも、ファンタジーのお話じゃなくて、この世の中にある空間の中でサイズを限りなく小さくした世界で起こっている現象なんですよね・・・

・・・やっぱりよくわからん。

小さな世界で何でもあり、というか常識が通用しないのであれば、大きな世界になっても同じって事にはならんのだろうか。

重力とかそういう周囲からの環境から受ける影響がサイズが大きくなるから、そういう影響が大きすぎて物理的な法則が出来上がった・・・という感じ?

ではもう一方の「もつれ」とはどんな意味なのでしょうか?

国語的な意味での「もつれ」は、「こんがらがり、からまり、いざこざ」など、複数の要素が複雑に関連している様子を意味しています。

つまり「量子もつれ」とは「日常の常識が通じないほど小さな粒子たちが、お互いに複雑に関連している」という意味に翻訳できます。

といっても、あまりピンとこないかもしれません。

ナゾロジー

もう置いてきぼり感があるんですけど(笑)

量子もつれのもつれ、については普通にもつれてるんだ。
これは分かる、量子がわからんからよくわからんけど、もつれてるってんならわかる気がする。

えーっと、量子は小さな粒だけど、それぞれ他の粒ともつれあって存在しているって事かな?

さっきの1つの量子が同時に二つの穴を通過するってのと関係あんのかな。

おっしゃる通りで、あんまりピンとこないです。

そこでまずは、いったん常識が通じる例をあげたいと思います。

たとえば、男女の恋人のうち1人が北海道、もう1人は九州に行く場合を考えます。

このとき、北海道にいるのが男性の場合、九州にいるのは女性であることが自動的に確定します。

一方が誰かわかれば、もう一方も誰かわかるというのは、日常の常識です。

ナゾロジー

お、常識が通じる説明きた!

男女の恋人。
北海度と九州の遠距離恋愛。

なるほど、この場合だと北海道にいるのが男性だとすると、九州にいるのは女性で確定だ。

・・・うーん、これが何の説明なんだ?
量子もつれ?

量子もつれって、恋人の話!?

いやまて落ち着いて次の説明を見ていきましょう。

では似たような例を「光」で考えたいと思います。

といっても難しい話ではありません。

光の粒である光子を特別な結晶にあてると左行きと右行きの2つに分割され、一方が縦揺れの光、もう一方が横揺れの光になる場合があります。

この現象が「量子(光)が常識が通じる存在だと仮定した場合」には次の図のような①~④の順で理解することが可能です。

ナゾロジー
ナゾロジー
光の粒である光子を特別な結晶にあてると左行きと右行きの2つに分割され、一方が縦揺れの光、もう一方が横揺れの光になる場合があります。
ナゾロジー
この現象が「量子(光)が常識が通じる存在だと仮定した場合」には次の図のような①~④の順で理解することが可能です。

うーん・・・何言ってんのかよくわからん(笑)

①と⓶を深く考えないで、こっちで縦揺れが観測されたから、向こうは横揺れだろう、という事でいいのかな?

これも基本的には恋人たちの場合と同じです。

北海道に行ったのが男性ならば、九州にいるのが女性であるのが明らかであるように、右側に行った光を観測して縦揺れの光であれば、もう一方は横揺れの光なのは確定します。

当然ともいえる常識的な話を、なぜいちいちあげつらうかと思われるでしょう。

しかし先ほども述べたように、これは本来ならば常識が通じない量子を、常識が通じる相手として仮定した場合になります。

つまり、極めて当然と思えるこの理解は……

量子の世界では間違っているのです。

ナゾロジー

違うんかい!

あ、そっか・・・
量子の世界だと常識が通用しないんだもんね。

だとすると、北海道に男性の恋人がいたとても、九州の恋人も男性の可能性があるってこと?意味わからんけど、女性の恋人どこいった?

では真実はどんなものなのかと言うと、それは以下のようになります。

ナゾロジー
ナゾロジー

まず1つの光子が結晶に当たって、2つに分割するまでは同じです。

しかし真相は、左右に分かれた2つの光について「一方が縦揺れならもう一方が横揺れになる」という決まりだけが、見えない糸で関連付けられただけの状態(もつれ状態)にあり、どっちが縦揺れか横揺れかといった情報は、まだこの宇宙には存在していないのです。

ナゾロジー

光の例だと、分割した所までは現象として確認できるけど、分割された後の時点でも、それぞれどちらが縦揺れか横揺れかは、まだ決まってない状態になってるんだ。

なんでだよ、いつだれが決めるんだよ(笑)

この奇妙な真実を北海道と九州に旅立った恋人たちで例えるならば「一方が男であるならば、もう一方が女になる」という決まりだけが見えない糸として存在しており、北海道と九州に存在している2人は、男でも女でもない状態で存在していることになります。

恋人たちを例にとると奇妙さが際立ちますが、日常の常識が通じない量子の世界ではこの理解のほうが正しいのです。

ナゾロジー

おおー、こっちの説明の方がしっくりくる(苦笑)

男女の恋人が北海道にも九州にもいるんだけど、男女かどうかはまだわからんと。男女かどうかは、まだわからんけど、そこに存在はしていると。

いや、やっぱりよくわからんわ(笑)

しかしこれはまだ序の口に過ぎません。

真に奇妙な現象は、観察を行うと同時に起こり始めます。

さきほど真相は、左右に分かれた2つの光は「一方が縦揺れならもう一方が横揺れになる」という決まりだけが、見えない糸で関連付けられただけの状態にあり、どっちが縦揺れか横揺れかといった情報は、まだこの宇宙には存在していない状態にあるると言いましたが、観察を行った瞬間、縦揺れでも横揺れでもなかった光に変化が起こり、どちらか(図では縦揺れの光として)生まれ変わります。

そして一方(図では右)が縦揺れの光に生まれ変わったという情報は、2つの光の間を結ぶ見えない関係性の糸を伝ってもう一方(図では左)に瞬時にテレポートしたかのように転送され、もともとのどっちつかづの光が横揺れの光として再構成されるのです。

ナゾロジー

これ本当なの?

誰かが観測したら縦揺れか横揺れかが決まってそこに存在するようになって、もう一方の存在も確定するってこと?

人間が観測したら?
犬とか猫が観測しても同じなんだろうか?

これ、すっごいちっさい世界の話ですよね、僕らが生きてる世界を構成している世界で起こっている事なんですよね・・・。

つーことは、もしかすると、この宇宙全体を何者かが観測してたりするの?

誰かが観測したからビックバンが起こったってこと?
いや、それとこれとは違うのか・・・

しかし縦揺れか横揺れかの情報は観測するまでこの宇宙に存在すらしておらず、観測することではじめて実在する情報になるという点、そして一方を観測したという情報が瞬時にテレポートして、もう一方の光が揺れ方向を持つ光として新たに再生成させるというプロセスは、日常の常識とはかけ離れたものであり、どちらかというとSF世界の話のようにも聞こえてきます。

正直言って「信じがたい」「嘘くさい」「マンガの読み過ぎ」「ありえん」と思う人もいるでしょう。

大丈夫です、それと全く同じ感想を述べた、稀代の大科学者が存在します。

その大科学者とは、相対性理論で有名なあのアインシュタインです。

アインシュタインは、物体の状態は人間が観測するかどうかにかかわらず客観的なものとして決まっており、観察によっての持つ情報がかわったり、その情報が見えない糸でつながった別の光と「もつれ」て影響し合うなど、ありえないと考えていました。

一般人からすれば、相対性理論における空間の歪みや時間の遅れなどのほうが「ありえん」と思えるかもしれませんが、それらを考え付いたアインシュタインにすら「量子もつれ」は受け入れがたいものであり「遠く離れた不気味な作用」との感想を残しています。

アインシュタインが受け入れられないのならば、一般人にとってはなおさら受け入れがたいものであるのは間違いありません。

ナゾロジー

アインシュタインが研究してた頃から、この量子もつれってのは観測されてたんですね、じゃないとアインシュタイン自身が遠く離れた不気味な作用、なんて事を言うわけないですもんね。

実際、常識的に考えるとアインシュタインが言ってる事の方がしっくりくるわけですけど・・・。

1964年に理論物理学者のベルが「測定する前には光子の揺れ方向など物体の性質が存在しない」というのが本当ならば、破綻する不等式をうみだすことに成功します。

つまりベルの不等式の破綻が起こる状況を実験で再現することができれば「量子もつれ」が正しいことを証明できるのです。

この難題に最初に成功したのはクラウザー氏(中央)であり、1969年に人類史上はじめて実験的にベルの不等式が破れる可能性があることが証明されました。

次に1982年になるとクラウザー氏の証明はアスペ氏(左)によってより隙がないものへと洗練されます。

そして1997年にツァイリンガー氏(右)によって行われた実験により「量子もつれ」は完璧に証明されました。

ナゾロジー

量子もつれが証明された、という事は、その常識では考えられない現象が現実に起こっている事が証明された、という事なんでしょうね。

まぁでもよくわからんのですよね、科学で証明できてない事はいっぱいあるとは思ってましたけど、そこにあるんだけど、観測するまでは存在として確定してない、というのがなぁ・・・。

また興味深いことに、左右に飛ばした光の間の距離は理論上、いくら離れてても「量子もつれ」が起こることが予想されています。

しかし「量子もつれ」によって、遠く離れた場所にあるものがお互いに見えない糸によって結ばれた「運命的なもの」で繋がっているというのは、いったい何を意味しているのでしょうか?

ナゾロジー

さっきの光の例えでいうと、どんなに宇宙の端から端で離れてようが、一方の光を観測して、それが縦揺れだったとしたら、もう一方は横揺れで宇宙の端っこに存在する、って事なんでしょうね。

なんだかなぁ・・・。
うーん・・・

クラウザー氏は、私たちの日常の常識の限界について触れています。

クラウザー氏は「ほとんどの人は、自然(宇宙)は空間と時間全体に分散した物体から作られていると思い込んでいますが、そうではないようです」と述べています。

同様の意見はジョンズ・ホプキンス大学の物理学者、アーミテージ氏も採用しており「宇宙の一部は、互いに遠く離れた場所にあるものであっても、つながっている。これは人間的な直感に相容れない事実です」と述べました。

どうやら、かつて隣り合っていた物質や情報の断片は、分離されたとしても見えない運命の糸で接続または関係を持っているとする考えを採用しているようです。

またツァイリンガー氏は量子もつれを使用すると、物体の保持している全ての情報を、物体が再構成される別の場所に転送できるようになる。これはSFのように人をテレポートさせるのとは違うが、確かにヒトではない何かを距離を超えて輸送している」と述べています。

ナゾロジー

これ、物質が情報を持っていて伝達している、という事になるのであれば、ビックバンで広がり始めた宇宙の全ての物質の情報って、互いに影響しあっているって事?

しかし、偉い人は何をいってんのかさっぱりわからんですね(苦笑)

宇宙もそうでしたけど、ミクロな世界の量子についてもさっぱりわかりませんでしたね。

とにかく、この世の中のミクロな世界では、現実に非常識な事が日常茶飯事で発生している?という理解でいいのかな・・・。

その上で成り立っているこの世界って、けっこうあやふやでもろい世界なんじゃないかって思ったり、じゃあ自分自身の存在とかどうなんだろう・・・とか、なんならスターウォーズみたいな、フォースの力って本当にあるんじゃないの?とか思ったりしました。

理解はできなかったけど、楽しかったです。

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