在宅介護の現場で働いていると、必ずゴミ屋敷の問題と直面します。
僕自身の経験談を簡単にまとめると以下のようなゴミ屋敷と出会いました。
あとは浴室がカビだらけとか、そういうケースも多かったですね。
あ、先日なんですけど、認知症で独居の方なんですが、冷蔵庫の中で物を腐らせてしまったりと、台所周りの生ごみ問題があった方で、台所周りは一緒に綺麗に片付けて維持できていた方がおられたんですけど、どうしても冷蔵庫の中を見せてくれない方だったんですが、僕が訪問した際にちょっと体調悪そうにしていたので、ゆっくり休んでもらうようにして、お水を用意すると大変喜ばれたので、何か食べる物取ってきますね、と言って冷蔵庫開けさせてもらると水しか入ってなかったんですよね。
それで、野菜室を開けてみると・・・この世のモノとは思えない光景が野菜室の中に広がってまして、もう茶色と緑色と紫色が混ざった液体と原型をとどめていない物体で満たされているわけです。
本人も、そこはダメ・・・みたいな反応だったんですけど、ちょっと体調悪くなってたのもあって開けさせてくれたんですけど、そんなんになっちゃって見せれないのよ、としょんぼりおっしゃられていました。
とりあえず冷蔵庫の清掃もケアプランに位置付けられているし、この冷蔵庫問題を解消するのも目標の一つだったので、その日は冷蔵庫の掃除を行いました。冷蔵庫から野菜室だけ取り出すと、これまたびっくりしたんですけど、コバエの死骸が庫内の底の部分一面に層になってびっしり。
それも除去して綺麗にすると、本人も大変喜ばれていました。
どうしてこうなっちゃったんだろう・・・と何度も不思議そうにされていたので、やはり手が付けられなくなってからはどうしようもなくなったんだろうな、と思いました。
屋内は綺麗に整理整頓できているので、本人にとって許容範囲を超えてしまうと手が付けられなくなる、というのがゴミ屋敷になってしまう原因なんだろうな・・・・なんて思ってました。
さて、そんなゴミ屋敷についての記事の紹介です。
https://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/home-care/no486/
やはり一人暮らしの高齢者で多いみたいですね。
男性の場合、病気等による障害を受けた方や奥様をなくされた方で自暴自棄というか気力をなくして何もやる気がない状態になってしまっている方も多いように感じます。
不衛生なのは本当に厄介ですからね。
それに、だんだん綺麗になると明るくなる方も多かったです。
住環境が本人に与える影響は大きいと思いますし、そういう環境整備から本人のQOLを高めていくアプローチは、介護の仕事では凄く大切な事だと思っています。
掃除機持てなくなって以前のように掃除できなくなった、という理由でお掃除の援助に入らせてもらっている方が多いので、そういう出来なくなった事でゴミがたまっていく、部屋が汚れて綺麗にできない事での小さな諦めが、だんだんと感覚を麻痺させてしまって気が付いたらゴミ屋敷になっていた・・・なんて事はありそうですね。
そうそう、米つぶや輪ゴムとか、けっこう落ちてるんですよね。
コバエが飛んでいても気にならない方もいるので、単純に見えてない、というのはあるかもしれません。
一緒に片付けをしていても、これは取っておく、といって明らかに使いそうになさそうなものを大事に取っておかれる方も多いです。
モノに歴史あり、本人には大切な思い出の品かもしれないので、そういうストーリーを妄想したりするのは結構好きかも。
認知機能は病気でなくても加齢にともなって低下していきます。
50代からのこの低下していく様は覚えて置いて欲しいですね。
認知症になると、この低下速度がもっと早くなるというか、一気にガクンと階段を降りるように低下します。
で、問題は僕も含めてほとんどの人が、自分は大丈夫、と根拠なく思っている事なんですよね。基本的に自分が衰えている事は認めたくないわけです。
その辺りの感情と実際の能力の自己覚知の差が、ゴミ屋敷を生んでいるのかもしれません。
ヘルパーが定期的に来るので片付けをしよう、というのは良い事だと思っています。やはり誰かが家に来る、という刺激や負担は、いい方向の刺激や負担になるはずなので、ヘルパーとして伺っているとしても、そのお宅へ伺うお客さんとして、また来て欲しい、と思ってもらえるような人物であるべきだと個人的には思っています。それが本人への良い刺激につながると思うからです。
これね、女性だとうまく行きそうですけど、男性は難しいんじゃないかなぁ。特に団塊の世代の男性は、そもそもそういう事は女の仕事・・・なんて思って生きてきた方が圧倒的に多いと思うので、70年近く染みついた考え方を変える方が難しいと思います。
まぁ、適応できる男性もおられるので、こういう提案していくのは良い方法と思いますが、あまり期待しない方がいいかもしれません。
無理ない範囲でたまに訪問してこういう取り組みができればいいのですが、一番よさそうなのは友達関係を維持してもらって、伺ったり招いたりする関係や機会を作れていれば、自然と良い感じになりそうです。
こういうの、早い段階で習慣化しておかないとどんどん難しくなるので、日常的に外出する生活やお客さんに来てもらう生活の習慣化は大事だと思いました。
整理整頓アドバイザーなんてあるんだ、と勉強になりました。
介護サービスでいうと、こういう生活援助的なサービスは評価が低く、近いうちに介護保険のサービスから外される可能性があります。
個人的には、こういう生活援助と言われている部分の事を、本人と一緒に取り組んで、本人が意欲的になれるようなアプローチが正しい方向じゃないの?とは思うのですが・・・。
実際、本人とともに行う行為については、身体介護に分類されるのですが、これが中々浸透していない現状もあります。
上記は、要介護の方へのサービス提供にて改正があった内容です。
弊社の訪問は、ほとんどが総合事業の方なので、上記のような身体介護に該当するような支援も普通にさせて頂いています。
掃除や片付けを、本人が出来る所は本人が行い、出来ない部分をヘルパーが行う事で、良い循環が生まれているような実感もあります。
少しでも介護予防の取り組みになっていればいいな、と思いながら単に掃除をしに行くのではなく、そういう仕事を通して本人へアプローチをしていく、そういう取り組みを今後も続けていきたいな、と改めて思いました。