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「上位認証」で働き続けやすい職場に寄与 社会福祉法人レモングラス(京都市)・・・という記事の紹介です。

働きやすい職場というキーワードと、上位認証という聞きなれないワードが気になったので記事を紹介します。

学生などの若者に、介護・福祉業界で安心して働いてもらおうと、京都府は13年から、人材育成に積極的に取り組む介護事業所を対象に「きょうと福祉人材育成認証制度」を実施している。
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こういう認証制度はいろんな自治体で取り組みがされていますが、あまりポピュラーじゃないというか、この認証がある=よい職場、という認識って一般的にあまり広まってないような気もします。

あそこの施設は県の認証おりてる施設だからいい職場だよ、とかそういう基準で就職を選択したり希望したり、というような動きもないように感じますので、この認証制度が大きなスターテスになれば、もっと広がるだろうし、競合するはずなのでどんどんと職場環境が改善されていく好循環が生まれるかもしれませんね。

認証を受けるには、まず人材育成に取り組むことを「宣言」し、その後▽新人教育の充実▽未来を描ける職場▽社員を大切にする――など4分野17項目の取り組みができているかをセルフチェックし、満たせば「認証」を受けられる。
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宣言とセルフチェックによる取り組みですので、そこまでハードルが高いとは言えませんが、たとえば僕の所属する法人がこういう認証制度に取り組んでいるかといえば、そうではないので書かれているほど簡単ではない可能性もあります。

北海道でどの程度の取り組みがあるのか調べてみましたが、結構な事業所がエントリーしてました。
ただ、一覧を見て思ったのは、結構評判の悪い事業所も名を連ねているので、これはどうなんだろう・・・と思ってしまいました。

全国その他の自治体の取り組み状況はこちらのサイトで紹介されていました。

検討中と実施なし、の自治体が思ったより多くて意外でした。

さらに、認証を得た法人で▽福祉現場の魅力発信▽キャリアパス・人材育成▽意欲に繋がる評価と待遇▽働きがい・働きやすさ――など5分野13項目と、離職率など6つの数値評価を満たすと、「上位認証」が受けられる。今年4月時点で、宣言551法人、認証287法人、上位認証15法人。
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こちらの上位認証を受けていると実績も伴うという事ですね。
こちらを取得している事業者は間違いなくしっかりと職員を大切にしている事業所だと思えますね。

ちなみに北海道に上位認証制度があるか調べてみましたが、情報が見つかりませんでしたので、こういう上位認証制度を設定している自治体は一部だけなのかもしれません。

記事では京都の取り組みですが、551法人が宣言して287法人が認証を受け、15法人が上位認証を得ていますので、相当厳しいハードルなのが解ります。

この上位認証制度はもっと周知されるべきですね。

介護労働安定センター公表の介護職員の離職率は平均14.3%(21年度)だが、認証法人では8~9%、上位認証法人では7%程度と、いずれも平均より低い。
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職場の定着率との相関性もありますので、認証制度についてはもっと有名にならないとダメだと思います。

安定した人材育成へ向け、新人職員に担当の先輩職員がつくプリセプター制度を設け、1年間は両者のシフトを合わせ、業務をおぼえやすいよう配慮。「夜勤帯には、全ユニットを自由に動ける職員を1人加配し、夜勤にあたる新人のフォローも担う」と、生活サービス部部長の齋藤乃里子さんは話す。
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指導者と新人をしっかりとシフト繰りの段階から配慮してきちんとしたサポート体制を組んでいる、それが定着率向上にもつながりますよね。
人手不足なので採用した新人にしっかりと定着してもらうには、やっていて当たり前の取り組みですが、多くの事業所が”忙しい””体制不足”を理由に中々着手できてない現状もあると思います。

ただ、こういう事をしていないといつまでも”忙しい””体制不足”が解消されませんので、どこかのタイミングで頑張るしかないんですよね。

そして、その頑張るのは今現場で働いている職員しかできない事なんですけど、そこまで理解できている職員はやはり少ない印象です。
忙しいのも体制不足も、どこか他人のせいで自分たちは関係ないと思っている職員は、やはり一定数存在します。

人材育成評価の仕組みでは、全職員に年3回面談を実施。個人目標の設定と達成状況を確認し、その上で評価を行う。後の面談で本人に評価をフィードバックし、評価を反映した一時金を支給する。
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定期的な面談は、多くの事業所で取り組んでいると思いますが、形式的だったり職員の為のものではない取り組みも多いと思います。
そして、やったら終わりでその後のフォローもない事も多いのではないでしょうか。

この取り組みのように、その後の評価に応じてお給料で評価するというのは非常に効果が大きいと思います。

施設では担当介護職員が少ないユニットがあり、休暇などで不足が生じた際は、他ユニットからフォローし合うなどする。またインカムや電子記録システムなどICTの導入などで業務の効率化を図り、介護職員1人あたりの平均残業時間は、年間4時間53分まで短縮させた。
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ユニット間で柔軟にフォローしあえる仕組みがあると強いですよね。

よく聞くのは、ユニット間で仲悪かったり交流なかったり。
ユニットケアが手段であるのに目的になっている良い例だとは思います。

施設で年間の平均残業時間が5時間程度というのは凄いと思いました。
今はどこもそのくらいしっかり効率化できているのでしょうね。

当法人の特養では、残業時間が減らないだけでなく増加傾向にある事が問題として議題に上がっていました。
この差はいったい・・・と思ってしまいます。
やはりICT技術を導入していない影響はかなり大きいと言えますね。

ケアマネジャーなどの専門職や事務職も、極力本来業務以外の仕事を減らすなどし、18年度に1人あたり年60時間だった残業時間は現在33時間まで減らした。有給休暇取得率も、事務・介護職ともに9割以上と高い。
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もとからそうでなかった、というのがわかる記事ですね。
あそこは特別だからうちではできない、という事ではなく、何か工夫すれば同じような取り組みは可能という事です。

この数字だけ見ても働きやすそうですね。
有給が取りやすい環境という事は、ちゃんと職員同士でフォローしあえる環境が整っているという事です。

「これらの取り組みにより、ここ3年の離職率は8.2%と平均より低く、新卒者の離職も防げている。ユニットケアでのご利用者と職員のなじみの関係を保ち続けるためにも、より働きやすい職場づくりに努めていく」と事務部課長の髙田充さんは話した。
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いかに定着させる事ができるか・・・が本当に重要ですね。
しかし、これだけの取り組みをしていても離職率が8%あるというのも逆に驚きです。

気になったので離職率について調べてみました。
離職率8%がどの程度なのか、介護業界はどうなのか。

ワースト1位は、宿泊・飲食業で、30%でした。
ワースト2位は、生活関連サービス業・娯楽業で、22%でした。

医療・介護は、ワースト5位で、14.7%でした。

※ 生活関連サービス業とは、洗濯・理容・美容・浴場業…クリーニング、理容室、美容室、銭湯、エステ、リラクゼーション、ネイルサロン等、旅行業、家事サービス業、葬儀業、結婚式場業等
生活関連サービス業について調べてみた

こうやってみると、離職率8%はかなり優秀ですね。
では、離職率の少ない上位はどうなっているのでしょう。

離職率の低いトップ1位は、鉄鋼業界で0.85%でした。
離職率の低いトップ2位は、ガラス・土石業界で4.11%でした。
離職率の低いトップ3位は、電気・ガス業界で4.15%でした。

離職率の低いトップ6位の医薬品業界が、8.14%なので、介護施設で離職率が8%ならかなり優秀ですね。すごいです。

こういう上位認証制度などが、しっかり機能するようになれば不幸な職場マッチングとかも減りそうですね。

上位認証制度ですが、ささっと調べただけなので間違っているかもしれませんが、京都でしか取り組みがなさそうな感じです。

こういう取り組みも広がるといいですね。

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