
昨年の介護事業者の倒産、過去最多172件 小規模な訪問介護など急増・・・という記事の紹介です。
まぁ、そうなりますわなぁ・・・という感じですね。
確実に、地域に展開している訪問介護の事業所は減ってますね。
昨年1年間の介護事業者の倒産は172件で過去最多を大幅に更新した。東京商工リサーチが9日に公表した新たな調査レポートで明らかになった。【Joint編集部】
前年を50件上回った。172件の倒産のうち、資本金1千万円未満が86.6%、職員10人未満が83.1%。多くが零細事業者となっている。
2023年の倒産件数を50件上回った・・・という事ですね。
平均でみると、毎月前年比で+4件の倒産数という事です。
トータルの倒産が172件ですから、毎月14件の事業所が倒産しているという事になりますね。
これ、明らかに介護報酬の影響ありますよね。
全体では報酬アップといえど、世間の物価高騰と人件費アップの流れにまったくついて行けてないのが原因だと思います。
なんでそんな事になったか、というと、そういうアンテナ張らずに今まで通りに今まで通りの感覚で、なんとなく決めたからでしょう。
この大事な時期の報酬改定で、あんな程度のアップで何がどう変わるのか、ただでさえ人件費アップは他産業がリードしているし、最低賃金だってかなりアップしたわけなのに、そのあたりの流れを全然考えてないで、たぶん予算から逆算でなんとなく割り振ったんでしょう。
介護職がどんどん足りなくなってて、2025年から団塊の世代が後期高齢者になってどんどん介護サービスのニーズが高まるっていう2024年度の報酬改定でそんな程度の仕事をしてたら、そりゃ事業所倒産するし、新しく出来る事業所は、営利追及で儲け主義で社会保障とは無縁の事業所がどんどん出来るに決まってるじゃないですか。
これ、もしそんな事想定外でした、なんて言うんだったらちょっと本当に頭悪いんじゃないの?って思ってしまいます。
こんなのみんな分かってましたよ。

2023年度は、ちょっと踏みとどまってたんだ。
これ、この件数みて報酬改定で渋い報酬にしても大丈夫じゃね?なんて考えてたのであれば、本当にアホですね。
グラフ全体を見ると、綺麗な右肩上がりです。
これ、本当は介護職員は介護事業所数の推移であれば、今後のニーズ拡大や、それに伴う経済効果とかも含めて国益になったんだと思うんですけど、まったく逆ですからね。
ほんとうにどうするんだろ。
これだけ倒産ふやし続けて制度を見直すばかりか、逆に締め付ける方向でしか改正してこないんだもんなぁ・・・。本当に何考えてるんだろう。
人手不足の悪化、熾烈な人材確保や利用者獲得の競争、長引く物価高騰などが背景にある。人材確保の競争は他産業も含めて激化しており、介護事業者の経営環境は一段と厳しくなっている。
この状況、本当に深刻なんですよ。
他産業の大企業は5%近い賃上げをしてるんですよね、2024年度で。
で、日本全体で人手不足なわけですよ。
どの企業も労働者が欲しい。
でも、労働人口自体が減っていくから、できれば生産性の高い人を雇いたい。
そうなんですよ、優秀な人ほど大きな企業に取られるんですよ。
物価高騰でみんな生活厳しいじゃないですか。
やりたい仕事より、家族みんなが食える仕事ですよ、選択肢は。
介護業界、この流れに1年遅れてるんです。
で、たぶん今年も大企業は更に処遇改善してきますよ。
だけど、介護業界の報酬ってずっと同じなんですよ。
少なくとも、2024年の報酬改定後の介護事業所の経営状況を注視して臨時での対応するっていってた厚労省が、こんなに事業所が倒産してるのに何の手も打ってない時点でやる気ないのが分かります。
もう何周も周回遅れするわけですよ、介護業界って。
で、利益率たかめて処遇改善の原資にしようと思っても、2024年の報酬改定で訪問介護の報酬が引き下げられた理由からもわかるように、利益率を経営努力で高めたら、次の報酬改定で報酬を下げられるわけですよ。
利益率が高い、けしからん!となるわけですよ。
7%くらいの利益率で、ですよ。
まぁ併設型の訪問系事業所が不必要なサービスまで提供して暴利を貪ってる構図があるにしても、結局そうでもしないと儲からない仕組みにしたのは国なんでね。
営利追求の民間にやらせる制度にしたんだからちゃんと考えないと。
もしかして国の発想って措置時代のままなんかな、そんなノリで民間に参入させたんなら酷い話ですよ。
まぁ何にしてもがんじがらめなので、中小零細はやりようがないんですよ、体力ないから。
もうね、なんも出来ないんですよ。独自の努力が。
ですから、介護業界で人手を確保するのは、本当に過酷になりますし、人手が確保できなきゃ倒産なんですよ、人員基準とかもあるので。
八方ふさがりなんです。
介護事業者の倒産をサービスごとにみると、最も多いのは訪問介護。全体のおよそ半数を占めた。通所・短期入所や有料老人ホームなども増えている。

黒いのが訪問介護事業所ですね。
訪問介護もそうだけど、デイサービスもヤバイですね。
地域の介護事業所が、根こそぎ潰れていってる感じです。
もう施設しか生き残らないんじゃないの?
大丈夫なんだろうか・・・。
訪問介護の倒産は、職員10人未満が95.1%。大多数が零細事業者だった。ホームヘルパーの不足、あるいは高齢化、今年度の基本報酬のマイナス改定、物価高騰などが影響しているとみられる。
弊社の状況がぴったり当てはまるので、経営は本当に頑張らないといかんなぁと思います。
まぁ、難しい状況で舵取りすんのは、それはそれでワクワクするんですけど命懸けだからなぁ(笑)
大手が運営する事業所、集合住宅に併設されている事業所に人材が集まり、地域に根ざした小規模な事業所、過疎地の事業所が追い込まれるケースも少なくない。介護難民や介護離職の問題が広がる懸念が強く、東京商工リサーチは「事態の深刻さが深まっている。効率化や協働化などの支援が急務」と指摘している。
ほれほれ、やっぱりそうでしょ。
儲けが出やすい併設型の事業所が増えてんだわ。
あとは報酬以外で上乗せできる体力がある大企業ね。
わかってんのかわからんけど、あらためて言いますが、大手とか規模のでかい会社は利益でやすい効率的な事しかやんないからね、儲けにくい事はやりませんよ、生産性下がるから。
そういう儲かりにくい所をカバーしてた地域の事業所を潰した今回の報酬改定の罪は重いな。
これは本当に、これから先の地域の介護サービスどうすんねん、って話になりますよ。
結局、家族が介護しないといけない状況に追い込んでおいて、労働者が足りない、もっと働け、家族の介護もしろ、制度あるだろ活用しろ、とかもう現実的じゃないことばっかり言う感じになるんだろうなぁ・・・。
地域の介護サービスって、働く人の足元を支えているサービスですよ。
現状のサービスではまだまだ足りてない状況なのに、それでも減らしていくわけですから、今後は本当に経済成長とか無理だと思います。
政治家のみなさんは、よーく現実をみて政策を検討してください。
もう立て直せないと思います。
まぁ、腕の見せ所ではあるとは思いますが、今の我田引水しか頭にない政治家には無理だと思います。