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介護職の基本給、6万円低く 全産業平均に比べ、労組調査・・・という記事の紹介です。

介護事業所を経営している立場なので、日々頑張って働いて自分たちのそれぞれの人間性やスキルを活用して利用者さん満足度を少しでも高めてくれて、その結果、経営が安定していますので、当然、その仕事ぶりや成果に応じたお給料を支払いたいわけなので、やはりこういう業界全体のお給料の水準や、他産業を含めた全体の水準というのは気になりますし、把握しておく必要があると思っています。

ただ、これ平均値よりは中央値で議論して欲しいんだよなぁ・・・。

労働組合の日本介護クラフトユニオンは30日、介護職員の2024年7月の基本給が平均26万5711円だったとの調査結果を公表した。全産業平均の33万200円より6万4489円低かった。組合は他産業の賃上げに追い付いていないとして政府に改善を求める。

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大企業は5%規模、中小企業でも4%規模の賃上げが2024年度で実施され、同時期に行われた介護報酬改定では、賃上げ率2.5%程度を目標にして設計された報酬改正が行われたわけで、国や厚労省が何を根拠に2.5%という数字を割り出したのか大変気になりますが、おそらくそれまでの傾向から見立てをたてたのでしょうが、物価高騰が相次ぐ状況で、全産業で人手不足が深刻化していく傾向がはっきりしている中で、今までにない賃上げをしないと離職に繋がりかねない情勢の中で、さすがそれはないわ、と思いました。

案の定、せっかく全産業との給与格差が縮小傾向だったのに、また差が開いてしまう結果となっていますし、当然2025年度も大きな賃上げの流れになると思いますので、介護報酬改定の予定もない介護業界と他産業の賃金格差は、ますます開く事でしょう。

このせいで、優秀な人材が他産業に流出しないか本当に心配です。
この場合の優秀というのは、どのような環境や状況でも自己研鑽して対応できる対応力や応用力、また一人分以上の成果を出せる生産性が高く、プレイングマネージャーとして活躍できる人の事を指しています。
こういう人材は、当然介護現場でもリーダーとしても活躍できるのですが、当然他産業でも欲しい人材ですし、これから高齢者問題が大きな課題と、大きなマーケットになっていく状況の中で、介護現場での勤務経験や介護についての知識を職業経験として持っていて、それを介護業界以外で新たな価値を生み出せるような発想と展開力をもっているような人材は、おそらく他の業界でも欲しい人材だと思うんですよね。

そして、そういう人材は、介護業界としたら、これからの厳しい介護サービス全体の舵取りや業界を背負っていけるポテンシャルを持っているはずの人材なんですけど、結構こういう有能な人、埋もれがちなんですよね。

そういう意味では、そういう埋もれている有能な人材が他産業に引き抜かれていく状況になったら、これはもう本当に終わりだな、と勝手に心配しています。

だって、介護業界に自己研鑽しないで応用力も対応力もなくてマネジメント目線もなくて生産性も高くない人が残る構図でしょ?
これからどんどん介護職が足りなくなるし、介護職の高齢化が進むのに。
今までにない工夫やチャレンジをしないといけない状況になるのに。

介護業界は、こういう人材をちゃんと守れる処遇を準備しておかないと本当にヤバいと思います。

介護職員の給料は、公費や保険料を財源とする「介護報酬」で賄っている。物価高で事業運営コストが増加し、多くの介護事業者が経営に苦しむ中、人手不足も深刻化。組合の染川朗会長は記者会見で「現場は『長く働いても給料が上がらない』と不安を感じている。報酬の引き上げが不可欠だ」と訴えた。

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介護報酬っていうとぼやっとするので、これ税金なんですよね。
お給料のほとんどが税金なんですよ。
だから、お給料の配分も税金の無駄遣いになってないか考える必要があると思うんですよね。
特に僕なんかは、時々国会議員の給料が高すぎないか!?・・・なんて記事を書いているので、尚更思います。
事業所に国から入ってくる売上は、ほぼ9割が税金なんです。
だから大事に使いたい。
だから、頑張って利用者さんの人生をよりよくした人に配分したいし、同じチームメンバーと助け合ったり話を聞いたりして職場の心理的安全性を高めてくれている人に配分したいんです。それが介護サービスの向上に必ずつながるので。
事業所やチームが目標に向かって前進できるようにメンバーとして全体を俯瞰して導ける、あるいは協力できる、フォローし合える人を評価しないと。

ですので、どうしてもそういう働き方が出来てない職員にまで処遇改善されるのは、ちょっと抵抗感あるんですよね。国民の税金だから。

僕なら、自分が支払った税金なら、いい人に多めに配分して欲しいですもん。

組合によると、全産業平均との格差は8万1654円だった13年以降は縮小傾向となり、21年には4万2184円になった。その後は他産業の賃上げに追い付かず、22年は5万782円、23年は5万5640円と拡大している。

調査は24年9~10月、有料老人ホームや訪問介護事業所などで働く組合員5544人を対象に行い、3346人から回答を得た。

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そう、この他産業の賃上げに追いついてない感じがあった2024年度の報酬改定の結果があれだもんなぁ・・・ほんとになんで2.5%なの?って。

介護業界もせめて中小企業並みの賃上げは実現したいところですが、おそらく追いつかないと思います。

(中略)

はてさて、国や厚労省はこういう現状を見て、どういう対策を打つのか、はたまた何もせず見てるだけなのか・・・。

note おおさわ
2024年3月13日の記事

当時の記事を見直してましたが、これみんな思ってと思うんですよね。

そして、国も厚労省も、現時点でも何も手を打ってないという・・・。
やっぱ見てるだけだったか・・・。

さて、ここまで書いてどこにも中央値が出てこなかったので、こちらの記事も紹介します。

日本の平均年収

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者1人あたりの平均年収は460万円です。内訳をみると、平均給料・手当が388万円、平均賞与が71万円となっています。平均年齢は47.0歳、平均勤続年数は12.5年です。

まずは、全国や都道府県別の平均年収と中央値について見ていきましょう。

全国の平均年収と中央値


国税庁の調査結果によれば、過去10年間における全国の平均年収は以下のように推移しています。

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そう、中央値が大事なんですよ。中央値が。

国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/pdf/R05_001.pdf

この流れの中で、どっから2.5%で介護職が定着して増える賃上げに繋がるって思ったんだろう・・・。

年収の現状をより正確に把握するためには、平均値だけでなく、中央値を確認することも重要です。平均値はデータの数値の合計をデータの個数で割って算出する数値で、中央値はデータを小さい順に並べたときに中央に位置する数値です。

たとえば、200・300・400・800・1,000が調査対象のデータであれば、平均値は540(合計2,700 ÷ 5)、中央値は真ん中の400となります。極端に年収が高い一部の人たちが平均値を引き上げてしまっている側面があるため、中央値のほうがより現状に近い数値といえるでしょう。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」および国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」をもとに算出した、全国の年収の中央値は351万円(*)です。一般労働者の賃金の中位数279.8万円 + 平均賞与71万円で算出

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年収の中央値は、現状では約350万円みたいですね。

上で紹介した記事の、全産業平均の月給33万円を基準に年収を計算すると396万円になるので、46万円の差がでますね。こっちは平均だけど。
となると、毎月のお給料の差は、約3万円くらい、という事になります。
まぁ、介護職の中央値が分からんから、これも更に差が開く可能性が高いのですけど・・・。

国税庁の調査結果によると、年齢階層別の平均年収は以下のとおりです。

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僕は平均に届いてないけど、うちの正職員は平均以上のお給料支払えてるのでよかった。詳細は、本記事の方に年代別一覧表とかあるんで参照してみてください。

しかし、女性の平均年収ってずっと横ばいなのおかしいな、これで女性が社会的に自立できるわけがないがな・・・。
それだけ役職につけないって事かなぁ、男女差の給与号俸なんて見た事ないし。あ、そっか非正規とかそういう雇用形態の差もあるか。

以下、業種別の平均年収。

国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/pdf/R05_001.pdf

医療・介護は、404万円。
あれ、これ平均だけど、全産業の平均年収より高いやん。
まぁ、医療も入ってるからだろうけど・・・。

それより農林水産業の333万円がひどくない?って思いました。
この業種こそこれから重要だと思うんですよ。
ここ増えないと誰も野菜とかお米とか作ってくれないし、お魚だって獲れないし、山林や治水が放置されると自然災害の被害が甚大になると思うんですよ。特に気候変動が起こっているので、ここの対策重要なはずなのに、この年収じゃもう生きていけないから仕事続けれませんよ。

しかし、業種ごとに中央値のデータが見れると思ったけどなかったなぁ・・・(苦笑)

まぁでも、年収の中央値が350万円くらいなので、そこは参考にできると思いました。

あとは、本当になくなったらヤバイ農林水産業の処遇が低すぎて、日本という国は本当に大丈夫なんだろうか。それこそ持続可能性はあるのだろうか・・・と心配になってしまいました。

一つ言えるのは、女性の平均年収が340万円くらいで横ばいなんですよね。
これ、介護業界の平均年収が390万円くらいなので、女性にとって介護職というのはお給料アップの転職先として良いんじゃないかなぁ。
介護業界なら、女性でも役職につきやすいですし、そうなればもっと高い年収を狙えますから。

是非、他産業で活躍されている女性の皆様、介護業界への転職を検討してみてください。

いまはかなり労働環境も改善されてますし、いい施設長さんや管理者さんも多いですよ。

こちらの介護関係のお二人とは仲良くさせてもらっていて、それぞれ役職の立場で働かれていて、人柄も人間性も抜群ですので、是非、気になった方は気軽にお問合せしてみてください。

こんなイケおじが施設長なんて最高!
って感じで完全に良い人です。

おおさわ

とにかく話をなんでも聴いてくれます!
ずんずん聴いてくれて優しさ全開です。

おおさわ


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