「高齢者とお話」で時給2000円超え。味の素出身社長が救う"伝わらない声"・・・という記事の紹介です。
ちょっと先日、訪問先のお宅でテレビでやってたのを掃除機をかけながら横目で見ていて気になったので調べてみました。
有料記事だったので、後半部分は読めませんが、前半の無料部分だけで仕組みはだいたいわかったので、そこだけですけど紹介していきます。
「高齢者の話に耳を傾けたり交流したりするアルバイト」が大学生を中心に人気を集めている。
介護領域は特に人手不足が深刻だが、このアルバイトの月間の応募数は200件を越え、採用面接の通過率は17～20％という難関だ。
求人を出しているのは、大手食品メーカー・味の素出身の赤木円香氏が、2020年に創業したスタートアップ・AgeWellJapan（エイジウェルジャパン）。
単発バイトや、気軽にアプリで申し込めるアルバイトが勢いあるのは知ってたのですが、こういうほぼほぼ訪問介護的なアルバイトまで出てきたのか、と思って興味津々でした。
しかも、若者に人気とか。
そう、高齢者と若者って凄くいいんですよ、相互作用が計り知れないというか。
で、結局は国もこういう生活援助の部分は介護保険から外したいので、そういう国の動きともマッチしてるので、もしかしたらこれは・・・と思ったのですが・・・。
時給は最高2250円
同社が募集している仕事は、「Age-Well Designer（エイジウェルデザイナー）」という名前がついている。
深い傾聴と対話を通じてシニアの自己肯定感を高め、ポジティブな行動を生み出す──という職業で、エイジウェルジャパンが独自に認定制度を設けている。国家資格などではないが、現場に出るには最低でも28時間の初期研修が必要だ。
業務内容は、高齢者の日常生活における困りごとを解決し、日常生活を彩ること。
エイジウェルが手掛ける高齢者の自宅を訪問するサービス「もっとメイト」は、月額1万2000円で月1回、2時間の定期訪問をするサービス。エイジウェルデザイナーが自宅を訪ね、スマホの使い方を教えたり、一緒に買い物に行って荷物を持ったり、話し相手になったりと希望に応じてさまざまな依頼をこなす。
エイジウェルデザイナーの時給は最低で1500円から。経験を積めば、最高2250円までになる。
やっぱそうだよなぁ・・・。
月一回２時間で1万2000円・・・。
もうね、お金持ち相手の商売ですやん。
そりゃ時給2250円出せるでしょ。
２時間だから、人件費率37.5%。
そんなもんか・・・。
僕ら公的な介護サービスを利用されている方の多くが、暖房費や食費を削ってなんとかサービス利用料を捻出している人なんですよね。
ちょっと世界が違い過ぎてびっくりしました。
ちなみに、要支援の方だと月額14000円（利用者負担が1400円くらい）で週1回（月4回程度）のサービスを受けられます。
時間は法的に定められてませんが、だいたい45分とか60分とかが相場でしょうか。
簡単に計算すると、4回で14000円なので、1回あたり3500円ですね。
で、2250円の時給を出すとすると人件費率64.28%ですね。
実際、ヘルパーさんの時給が平均で1600円くらいみたいなので、人件費率45.71％くらいなんですよね。
カイゴLINK
今は最低賃金上がってるので、もうちょっと時給高いかもですね。
ちなみに、北海道はこの表だと996円ですが、現在の最低賃金は1010円です。
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で、利用者負担はこの１割なので、利用者さん的には１回350円くらいの金額で利用できているわけですが、この月額1400円でも高く感じておられる方は多いです。
週2回の利用となると、だいたい倍の2900円くらいの月額利用料になってますね。事業者が受け取る売上は、月29000円（月8回利用）ほどになります。
ただ、これらの売上や金額も、事業所毎に特定事業所加算等を算定していたりしていなかったりで変動ありますので、全国一律の金額ではありませんし、1単位あたりの単価も、僕らの地域は1単位10円ですが、一番単価の高い東京などの地域だと、1単位20円とかだったはずです。
これもおかしな話なんですよね。
地方の方が効率悪いから単価高い方が自然だと思うんですけどね。
今、同社の事業に携わる「エイジウェルデザイナー」は130人。このうち8割が大学生だ。タウンワークマガジンの調査によると、3大都市圏でアルバイトする大学生の平均時給は1100～1150円。平均よりも高い水準ではあるが、人気の理由は時給だけではない。
赤木社長は「この仕事を通して、アルバイトをする側の自己肯定感が上がるんです」と説明する。
普段、当たり前に操作しているスマートフォンの使い方を教えると「世界が広がった」と喜ばれる。外出に付き添うと、「一人で行くのは寂しかったから」と感謝される。
「Z世代の傾向として自己肯定感が低いと感じていますが、業務を通じてシニアの方たちに感謝されることで自己肯定感が上がり、キラキラ輝き出します。その様子を見た周囲の友達が、求人に応募してくることもある」（赤木社長）
これ、内容はともかくですが、地域包括ケアシステムをこういう工夫や切り口でやればよかったんですよ。
結局、民間任せでやらせるけど、制度は国や自治体が作るから硬直化して新しい発想が生まれない。
その間に、こういう民間企業にある程度裕福だったりお金がある顧客を奪われる。
そうこうしている間に地域でお金が落ちないで都会の大規模資本が地域にまわるはずだったお金を回収していく。
地域包括ケアをやるにも公的な資金を投入しないと無理。
人口減少、過疎高齢化で税収上がらない。
どんどん悪くなっていく。
ヘルパーも気軽にアルバイトできる業種だったら僕らにもやりようがあるんですけど、初任者研修を修了してないと現場に出せないし、それを受講したりさせたりするにはお金も時間も必要。地方では、そもそも研修自体をやってない所も多い。
どんどん若手がヘルパーの仕事に触れる機会がなくなっていってるんですよね。
こういう部分のアプローチも、完全に民間に奪われたな、という感じ。
しかも地方ではやりようがないので、ますますこういう時給が高い都会へ若い人が流れていく構図になりそう。
エイジウェルデザイナーが活躍する「もっとメイト」の事業は、同社にとって祖業ではあるが稼ぎ頭ではない。月1万2000円という価格も「富裕層向けだね」と言われる。
赤木社長は
「そもそも、売り上げ構成比として伸ばす気がありません。シニアのリアルを把握するためのR＆D（研究開発）のような位置づけ」
と言い切る。
こういう感じで軽度の介護（要支援１～要介護２まで）の生活支援は完全に保険外に流していくつもりなんだろうか・・・。
まぁでも、これ総合事業の訪問型サービスBで位置付けれたらいいかも・・・とか思ったけど、まずこういうマッチングできるようなアプリなりを地域で展開できないと無理か・・・。
この会社がやってるような若者を巻き込みたいならスマホのアプリでお手軽に、というは必須条件だからなぁ・・・。
でも、よく考えたら地方の過疎が進んでいるような地域って高齢化も同時に進んでいるから、どっちにしても無理か・・・。
それでも、あまり積極的に関われない地域住民に対して、時給2000円くらいのボリューム（補助＋利用料で）で報酬を提示できれば、結構活性化しそうな気もするんですよねぇ・・・。
まぁでも、そんな思い切った事を行政がやらんわなぁ・・・。
だとすると、訪問型サービスBも現状のままか・・・。
というか、訪問型サービスBってどっかで事例あんのかな・・・。
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ちょっと調べたら出てきました。
令和4年度 地域づくり加速化事業（全国研修）より
令和4年度 地域づくり加速化事業（全国研修）より
令和4年度 地域づくり加速化事業（全国研修）より
しかし、ぱっと調べただけですけど、どこもこんな感じですね。
これおもろいな、という取り組みあまりないというか、どこも一回当たりの利用料は低価に抑えてるけど、取り組んだ人への報酬額がどの程度になるのかさっぱりわからん。
最初のスライドは、謝礼額700円＋交通費、と書いてあるので、そのくらいの報酬なんだろうなぁと思いますが・・・。
本当にボランティア精神で地域で助け合え、って感じですね。
大丈夫かな・・・。
この流れだと、お金持ちは困らないんだろうなぁ・・・。
そういう構図だな・・・。
・・・ん、そういえば訪問型サービスBってどうやって始めんだろう・・・。
そういう所からしてよくわからんもんなぁ・・・。
どうするんだろ。