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「5分間」の研修で腑に落ちる、“親不孝介護”の意味・・・という記事の紹介です。

昨日の記事の続きの記事ですね。
前回の記事については、こちらを参照くださいませ。

川内:まず、管理職の方向けにやってくださっているというのが素晴らしいと思います。管理職は部下から相談を受ける立場ですから、「介護のために休職を」と言い出したら「ちょっと待って」と言える(なぜ「待て」と言うべきなのかは前回『介護休暇が誤解生む? ブリヂストンの担当者と語る「親不孝介護」』参照)。セミナーに出ていただければ、私から「部下に『テレワークで介護すれば?』みたいなことは絶対言わないでください」とお願いすることもできる。

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企業でこういう介護に関する研修をしているのは凄い取り組みですよね。
管理者さんが、職員の介護の悩みに適切に助言できれば介護離職も減りますよね。

川内:これからは「始まる前が一番お買い得、学び得」 ということを、もっと訴えていけるといいですよね。一般社員の方向けにも「親が元気なうちに手を付けるのが成功の秘訣なんです」ということをばーんと打ち出してやっていると、「あ、元気なうちに相談に行っていいんだ」と気付いてくださって、参加されている方もいるわけです。いくらお元気でも、親の介護にまったく不安がない人なんていないわけですよ。

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介護が必要になる前や、看取りの事とかも早いうちに相談しておいた方がよいとは思います。
介護で忙しくなったり、気が付いたら認知症が進行してしまって本人の意思が確認できなかったりというケースはありました。

増谷:川内さんのお話を聞いていていつも思うのは、私は今、介護を含めたダイバーシティー(多様性)関連の仕事をしているんですけど、ダイバーシティーへの対応って結局、選択肢というか、可能性というか、それを増やすことだよなと思うんです。

なるほど。打ち手の多さ。人によって事情が千差万別だからですね。

増谷:はい。そういう意味で、介護はもう、なるべく早い段階で専門家に相談することで選択肢がたくさん手に入るんだよ、後半になればなるほど少なくなってくるから、早いうちにね、ということをお伝えしています。

川内:その通りです。分かりやすい。

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打ち手の多さはいいですね。
選択肢の多さや、工夫の引き出しを増やしておく事ですよね。

早い段階で相談窓口と繋がっておくのはよいと思います。

増谷:そうなんですね。実はこの間、母と電話で話していたら、不安なことがあるというので、とにかくまずは「地域包括支援センター」に連絡だ、と。

おお、素晴らしい(笑)。

増谷:川内さんから教わった通りに、「住所+包括」で検索して。

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そうそう、こんな感じで気軽に検索して相談してもらえるとよいと思います。

川内:自分がやっている介護相談の経験も含めて考えると、包括の存在が世の中に本当に知られていないし、まして活用の仕方は分からない人がほとんどでしょう。ちなみにYさんは市役所のページから探してましたが、私のお勧めは、いきなり
「親が住んでいる住所(何丁目、まで入れる) スペースを空けて 地域包括支援センター」
で、ネットで検索することですね。これで一発です。

「こんなことで支援してもらっていいのか?」
 私は、包括という言葉と機能まで知っていたのに「家族のことなのに、公の支援を仰いで本当にいいのかな」と悩んだんですよね。

川内:それはYさんに限らず、おそらく日本人の大半が持っている感覚だと思います。おそらく多くの日本人は、今のYさんのお話のように、「自分で面倒を見られる間は、自分でやるべきじゃないか」と思っているわけです。つまり「支援とは、自分だけではどうにもならない状況になってから、初めてお願いするものだ」という感じ。

それだ。私が感じていたのはそんな気持ちでした。

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こんな感じで相談のタイミングが遅れる事が多いので、本当にちょっとでも悩みがあれば包括に相談してみて欲しいですね。
活用できる制度などアドバイスもらえたり、悩んでいる事自体を話せるだけでだいぶ違うと思います。

支援を早めに利用するほど、公も私もメリットが大きい
とはいってもですよ、実際に問題がないうちに、公的機関に相談してもいいのか、という論点はあるんじゃないでしょうか。

川内:いや、相談する側はもちろんですが包括の側も、早く相談してくれるほうがむしろありがたい。そのほうがお互いにコストパフォーマンスが高いんです。

え、どうして。相談すれば包括にはコストが発生しますよね。

川内:露骨な言い方をすると、包括、といいますか行政にとっては「状況が悪化するだけ悪化してから支援を求められるより、問題がない時点から相談してくれるほうがずっとマシ」なんです。早めに問題点に対して手を打つことで、放置した場合に発生する、大きなコストがかかる事態を抑えられる可能性が出てくるから。

あっ、そういうことか。

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利用調整なども今すぐ必要な状態で相談になると結構大変なんですよね。
対応自体が余裕がありませんし、振れる事業所の選択肢も狭くなりますし、たとえば認知症が重度になってからサービス導入となると、ご本人が慣れない環境に向き合う事になるのでうまく行かないケースが多いです。
そうであれば、顔なじみになっていて、徐々に認知症の症状が進行していく中でも介護スタッフやケアマネージャーとの関係性が出来ていると全然違ってきます。
また、重度化する事を予防もできますので、本当に早め早めの相談がよいと思います。

川内:そうなんですよ。利用者にとっても行政にとってもコスパの高い介護支援ができるかどうかは、「どれだけ早く外部サポートを入れられるか」次第なんです。たとえば、ご家族が親の認知症の進行に気付かず、「家がゴミ屋敷になっています」という状況で初めて包括に連絡してきたら、対応する職員もしんどいし時間もかかります。即座に片付けるのは無理、そのままにもできない、しょうがないから半ば強制的に「措置入所」ですね、と、老人ホームの空き室を行政の費用で借りることになる。そこで生活習慣病が見つかって、と、どんどん大ごとになっていく。放置するほどリスクが掛け算で増えていく感じです。

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ゴミ屋敷って結構あって、僕も男性介護職だったので何軒かのゴミ屋敷の清掃に入った事があります。

玄関前から家中がゴミだらけとか、ゴキブリだらけ・・・。
何の液体かわからないが床が全部濡れていてベコベコになっているとか・・・。
中にはゴミが多すぎて玄関が開かず、部屋の窓も開かず、トイレの窓がかろうじて空いたので、そこから家に入ったのですが、トイレの中はコバエの大群でひどい事になったとかいろいろありました。

いきなり入所とかになると本当に環境の変化に対応できずに一気に認知症の症状が進行してしまって凄い速さで重度化する事も多いです。

川内:そう、認知症でも初期から手が打てれば、包括がやっている自立支援のサポートを使えるので、親御さんの健康な時間をできるだけ延ばしつつ、ご本人に合ったサービスや施設を紹介できていたはずなんです。その機会を失ってしまうと、本人のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)も下がるし、ご家族の負担も増す。そして行政にも負荷がかかる。

であれば、やっぱり包括に早く相談したほうが行政にとっても、保険財政にとってもいいし、利用者さんやそのご家族にとってもプラスになるんです。そこがまだ理解されていないんだなということが、我々の調査でも見えますね。

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重要な内容が多いのでほとんど記事の内容を転載しています。
本当に早め早めの対応が重要です。

介護は子どもも初めての経験ですけれど、親自身も、自分が衰えたときにどうしたらいいかというのが分からないんですよね。その分からない親を見たときに、子どもも一緒にぐらぐらくるわけです。

増谷:そうですよね、お互いに分からないから。

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本当に先が見えない中で手探りで進んでいく感じなので、家族だけで抱え込まずにいろんな人に相談できる状況を作っておく事は大切です。

だから専門家の「包括」に早期にアドバイスを求め、自分は親と適切な距離を取る『親不孝介護』でいこう、と。

川内:私はもうずっと介護の世界にいて、実家も介護の会社ですから、普通の会社員の方の意識とはずれてしまっているんです。一般の方が、人生で初めて福祉の窓をたたくのが親の介護だったとしたら、これまでの“常識”、「親のそばにいるのが親孝行」というのがその典型ですが、そこから離れるだけでも相当厳しいだろうな、とは思いました。

「介護のプロだからこそ、自分の親の介護はできない」と川内さんに言われてびっくりしました。

増谷:そうですよね、プロだから技術はある。でも、自分の親相手だと必ず失敗するからやらないんだと。

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僕自身、自分の親の介護を冷静にできる自信がありませんし、もし親のそばにいて親に介護が必要になった場合に、こうして早めに相談できる自信もありません。
だから、普段介護に馴染のない一般の方は、もっと相談しにくいと思うんですけど、これは本当に早め早めに相談してほしいです。

プロだから自分の親の介護はできない・・・これは本当にそう思います。
客観的に、冷静に見れないと思いますね。

川内:はい、それを使って、息子役の方の気持ちをことごとく否定するわけですね。「いやいや、あなたがいてほしいというのは分かるけど、それは私の望んでいることじゃないんだよ」と、わんわん言うわけですよ。そうすると、たった5分なんですけど、そこには苦しみだけが残るわけですよ。

いやいや、笑いたいけれど笑えない。

増谷:子ども役は、ちょっと川内さんのことを嫌いになりますよね(笑)。

川内:そうそう、私のことはたぶん嫌いになるんですよ。私は別にいいんですけれど、それはつまり、「呼び寄せた親が、だんだん憎たらしく感じられていく」ことを意味しているわけですよ。

なるほど。

川内:でもたった5分なんですよ。これが1週間、1カ月、半年と続いていったら、お互いの関係が良くなるわけがないじゃないですか。その疑似体験をしていただいて、「これって本当に親孝行ですか」という問いを出して、介護相談に来てもらう。

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どのケースを見ていてもそうなんですけど、本当にコントロールなんかできませんし、それでやっぱり腹立ってるんですよね。

川内:それは、「僕にも親孝行させてくれよ」です。

ああ、言いそう。

川内:それに対して私がどう答えているかというと、「いや、本当に親孝行したいと思うんだったら、私をすぐに広島に帰してくれ」って。想定上は実家は広島なんですけどね。もう親と子は、使っているロジックが違うんですよ。

かみ合わない。

川内:かみ合ってないんですよね、それを感じてほしいんですよ。かみ合わないのはどうしてかといえば、「親のため」と思ってやっているのは誰ですか、という話なんですよね。本当に親のためってどういうことなんだ、と、考えたことはありますか、という問いなんですよ、このロールプレイって。だから「あなたが苦労することが、親のためになる、とは限らないですよね」と気付いていただく。

うっかりすると「俺は苦労しているんだから、親はそれを評価すべきだよね」みたいな感じに。

増谷:自分のことをありがたがってほしい(笑)。

そうそう、ありがたがってほしい。

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本当に思いがかみ合わないので、ケアマネージャーさんも大変です。
自分の事をありがたがって欲しい・・・という気持ちはあると思いますね。
頑張っているんだから評価してほしいんだけど、親はそういうの望んでない。
だけど、見るからにほっとけない状況・・・。

川内:でもありがた迷惑なんですよね。「いや、お前は親孝行をはき違えているよ」とお母さんは言っているんだけど、でも「自分は親孝行をしている」という思い込みのほうが強くて、そこに気付けなくなっていく。ここに介護の大変さ、難しさがあるなと。

「どんなに苦労して親と同居していても、どんなにおむつ交換が上手になっても、どんなに認知症のことを勉強しても、親のためにならないんですよ」ということを、非常に優秀なビジネスパーソンがなぜ気付けないのだろうということが、ずっと自分の中のテーマではあったんですよね。

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ここ重要だと思います。

そんなわけで、早め早めの相談が重要ですよ、という内容の記事でした。


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