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4月末はバタバタする予感。そして「分権化すべきは政策。書式ではない」。規制改革会議、非合理なローカルルールの解消を強く訴える・・・という記事の紹介です。

4月もとうとう最終週となりました。
思ったよりも利用者確保ができずここまできましたが、先々週から隣町の白老町全域へエリア拡大をした事と、総合事業については白老町とも相談して5月1日からエリア拡大する事が決まった事もあったのか、本日だけで4件の問い合わせがありました。
しかも、全て白老町というこの状況。

事業開始の見立てでは、このような現象が登別で開業後2週間くらいで発生するかな、という見込みでいたのですが、どうやら白老町の訪問介護事業所不足は本当に深刻なようです。

まぁ、タイミングもあるとは思うのですが、こちらも利用者確保は死活問題ですので全て受け切ってなんとか経営が軌道にのるまで突っ走るのみです。

また、先週末に室蘭市の登別方面よりの居宅や地域包括に挨拶がてら地域情勢を聞き取りに行きましたが、室蘭でも今すぐにでも紹介できる対象者がいる、という情報があり、これは室蘭にも広げるしかないな・・・と思いました。

そんなわけで、今朝は室蘭市の担当課にも挨拶をして、エリア拡大について事前に相談し、申請してもらえれば・・・という事で了承を得ました。

事務所に戻ってからは、介護ソフトと請求ソフトの連携についてソフト会社に問い合わせして具体的な方法や手順をレクチャーしてもらって仕組みを理解しました。
あとはしっかりデータを作るだけですが、4月末実には実績をきちんと各居宅にFAXで送っておきたい所です。(5月は月初に祝日が多いので)


いろいろソフトの設定や、利用者登録やスケジュール調整が一段落した夕方に、ふと登別市からの紹介が思った以上に無い事について、自分の予測が外れた事については、五分五分だと思っていたのでそれはいいとしても、何か自分の中で理由付けをしておきたいと思い少し調べてみました。

室蘭市 8万人に対して19事業所 → 1事業所あたり4200人
※ 当事業所を含むと20事業所 → 1事業所あたり4000人

登別市 6万人に対して8事業所  → 1事業所あたり7500人
白老町 1.5万人に対して4事業所  → 1事業所あたり3750人

ネット調べ/情報の公表や各自治体ホームページより(4/19の記事より)

人口から事業所数を見て、だいたいの利用者確保の状況をイメージしていたのですが、高齢化率と要介護認定者数でも見ておいた方がよいな、と思いました。
実は、本当はそこから分析しておきたかったのですが、ちょっと面倒だったのと、だいたいざっくりした感覚をつかみたかっただけなので、人口と事業所数でだいたいのセンになるだろうと思っていました。

室蘭市 人口約77000人 高齢化率38.5% 要介護認定者数=約5600人
登別市 人口約45000人 高齢化率38.0% 要介護認定者数=約3000人
白老町 人口約15000人 高齢化率46.9% 要介護認定者数=約1500人

ネット調べ/各自治体のホームページ等より、自治体毎に数値の時期は異なる

いやぁ、予想以上に登別市の総人口が減ってました。15000人も誤差があったのは僕自身の準備段階での大きなミスですね。
最新のデータを見ていたつもりでしたが、今日調べたデータが2022年度の統計で登別市が公表している内容なので間違いないでしょう。

上記を参考に、各自治体の訪問介護事業所数を割り当てて1事業所あたりの要介護認定者数を計算すると以下の通りとなりました。

室蘭市 1事業所あたり要介護認定者数 約280人
登別市 1事業所あたり要介護認定者数 約375人
白老町 1事業所あたり要介護認定者数 約375人

おおさわ調べ

他の地域で調べてないので、これが多いか少ないかは不明ですし、要介護認定を受けていたとしても必ず訪問介護のサービスが必要かというとそうでもないので、これで顧客数が見込めるかというとそういう事ではないのですが、確率の問題というかだいたいの雰囲気がつかめると思っています。

こうしてみると、当初登別市で期待していた現象が発生しなかった変わりに、白老町で営業を開始してから発生している現状の状況を見ると、登別市と同じくらい白老町では事業所不足だった事がわかります。
問い合わせ数も併せて考えると何となく納得ですね。

そうであれば、登別市でもタイミングがあえば同様の状況になる見込みがありそうな感触も得る事ができました。まだまだ分からないですけどね。

室蘭市の端から白老町の端まで車で横断すると約60kmなんですが、室蘭市はとりあえず登別市寄りの地域に限定してエリアを広げる事にしました。
それでも横断すると約45kmの距離にはなるのですけど・・・。

あとは問い合わせの状況に応じて柔軟に動きをつくるしかないですね。
軌道に乗るまではとにかくお客様を増やさない事にはどうしようもありませんので、その可能性があるのであれば将来的な効率化をこの時点で検討していても仕方ないと思っています。
軌道に乗って全体像が見えた時にどう工夫するか、とれる手段がこれしかないので後は僕自身の腕次第という所でしょう。ちょっと楽しみですけど、下手をすると職員の不満につながる事なので真剣にいろいろと想定をして考えています。

やっと忙しくなってきたので、改めて忙しくなりきる前に出来る事はしておかないといかんな、と思いました。

さてさて、そんな今日はこんなニュースが気になったので紹介です。

政府の「規制改革推進会議」で分野横断的なテーマを扱う「共通課題対策ワーキング・グループ」は24日、自治体の非合理なローカルルールの解消を強く訴える意見書の原案を提示した。【Joint編集部】

JOINT

これは本当に早く解消してほしい問題です。
登別・白老・室蘭では特に書式が特殊な事はないと思っていますが、結構離れた自治体だと独自ルールなどあるようなので、あっちではこの書類でよかった事が、こっちでは通らない、なんて事が結構あります。

こういうの本当にやめてほしいですし、書類が一つ増えるだけでどれだけ介護職の手が現場に回らなくなっているのか、または残業になっているのかを少しは理解してもらいたいものです。

原案では、「書式・様式などの行政手続き上のローカルルールは、民間事業者のデジタル技術を用いた業務効率化の阻害要因になる。日本のDX実現に向けて見直すべき喫緊の課題」と問題を提起。「一部には地域的差異を設ける合理性に乏しいものの存在が指摘されている。国民や事業者にとって大きな負担になるだけでなく、各種制度や行政への不公平感・不信感を助長することにもつながりかねない」と踏み込んだ。

JOINT

このあたりは運営指導などで分かりやすい書類のあるなし等で行政側の指導のしやすさやわかりやすさも大きいかと思うのですが、書類に力を入れるのもいいんですけど、そろそろそうじゃなくて、もっと介護保険法の理念の部分をちゃんと踏まえて運営しているかどうかもチェックしてもらいたいものです。

介護保険法は、そもそも利用者の『尊厳』を守った上でサービスを提供せよ、と示しています。
憲法で明記されているので当然なんですけど、介護の現場では、人手不足や忙しさや現場の大変さから、この『尊厳』が軽視される傾向が強いと感じてきました。

忙しいから仕方ない、人が足りないから仕方ない。
そういう事なんですけどね、本当にどうしようもない事もありますけど『尊厳』ってそこと比べていいレベルの事なの?と思ってしまいます。
『尊厳』は軽視されてはならないものだと思っているので。

この大元の原因は、介護保険制度開始時期に『尊厳』を守る事を最優先にして指導してこなかった国や厚労省や行政担当者にあると思っています。
そんな事より書類が整っていればよい、という積み重ねの結果のように見えます。

しかし、人間として絶対に守らないといけないのが『尊厳』で、それは世間一般では当たり前に守られています。

それが介護の現場となると話は別で、介護が必要だから我慢すべき、高齢者なんだから我慢すべき、という事を現場の介護職が意識せずに思っている可能性が非常に高い事に危うさを感じています。

そうじゃない介護職もたくさんおられる事は知っていますが、圧倒的にまだ少ないように感じています。これまでの経験上の感覚ですけど。

介護職はついつい日々の多忙さや大変さから忘れてしまいがちですが、世間一般と介護の非常識を常に意識しておかないとダメだと思っています。

介護現場では高齢者であっても女性の入浴や排泄に男性介護職が入る事があります。
基本的にそういう可能性がある事を事業所側が事前に説明をして、了承を得た利用者様にのみ男性介護職がケアに入るという事を少なくとも僕が管理していた事業所では実施してきましたが、そういう僕が管理している事業所ですら、現場の職員から『なんであの人は男性介護職がダメなんですか?』『同性介助って誰の希望なんですか?』『そんな事を認めたんですか?』なんて文句を言われる事がほぼ全ての事業所で多々ありました。耳タコです。

その都度、物事の順序を説明して言い聞かせてきましたが、本当に納得していた職員はごく一部でした。目をみればそういうのはわかります。
『じゃあ今からパンツ替えてあげるからトイレに一緒行こうか?』
『ならお風呂で洗髪と洗身してあげるから風呂に行こうか?』
・・・なんていうとみんな嫌がります。

もう無意識的にそうなっているんだろうな。
ずっとこうしてきたからこれが正解なんです、という事なんだろうな。
そう思うようにしてきました。

ただ、やはり危ないのが、介護を受けるんだから同性介助が常に受けられない事は当たり前という前提でいる場合、事前の説明なく同性介助を受けられず『尊厳』を傷つけられる人が出る可能性があるというリスクについて、まったく想定されていない、という事です。

だって、世間一般では当たり前なんですから、女性なら女湯に、男性トイレには男性のみという状況は、少なくとも日本では当たり前です。それが介護の現場では違う。世間一般で介護は違うんだ、という常識が仕上がっているかというと、まだまだそうではないと思います。

ずっと昔の江戸時代とかは混浴が普通だった時代もあったようですけど、今はそうではありません。

産婦人科はどうか、という話も聞きますが、大前提として嫌かもしれませんが産婦人科の先生が男性医師だったとして、そこを自分で最終的に選択しているのは本人ですから、自分で選択したという部分で大きく違うと思っています。選択の範囲が広がれば女性医師の産婦人科を選べたかもしれませんし、前提として自由に選べるという事が重要と考えています。

『尊厳』とは、だれからも強要されたり傷つけられない事のはずです。

介護の現場ではどうでしょうか。
現場の職員が同性介助なんて無理無理、と言っている事業所が圧倒的に多い状況では、やはり選択肢は狭くなりますし、我慢するしかない状況は変わりません。
ここで僕自身が心配なのが、事前にちゃんと説明しているかどうかと、自由に自分の意見や要望を言える態度で説明しているかどうか、です。

介護現場は大変で人手不足なんだし、介護が必要なんだからそのくらい我慢してもらわないと困る、という大前提があった場合、意見が言える人はかなり限られていますし、望むサービスを受けられない可能性が高くなりますし、なによりミスマッチが起こりますよね。そんな事は思ってなかった、というトラブルです。この状態では両者の常識が正反対ですから、双方が双方の常識を知っていると思った状態になります。

特に介護福祉士は、物言えぬ代弁者の役割もありますので、こういう部分については常に本人の本心はどうなんだろうか、という事を考えねばなりません。

個人的には、サービスを提供する側の問題なので、サービス提供側が顧客の常識に合わせる事が普通だとは思いますけどね。
実際に同性介助は難しい部分もありますが不可能ではないと思っています。僕自身も一部の事業所では実施できましたし、障害福祉の現場では同性介助が前提のはずです。

ちなみに、異性介助では男性職員がセクハラで訴えられるケースもあるので男性職員を守る視点でも同性介助が出来るのであれば可能な限り工夫すべきだと思います。
どれだけ高齢でも、女性の方が男性介護職に介助されて嫌な思いをされる方はいます。事前に判っていれば男性介護職を守る事もできますので、最低限事前の意向調査は絶対だと思っています。逆に女性介護職が男性利用者からセクハラを受けるケースもありますが、こちらも事前の対策は重要ですし男性介助者が対応した方がいろいろと安心です、管理者として職員を守る上でも。まぁ調整が難しくて、どうしても女性利用者が多いので女性介護職に負担が偏りますけどね。そういうのも含めていろいろコミュニケーションをとって歩み寄りとか工夫が必要なんじゃないかと思っています。

何事も一気に変える事はできないので、出来る事から少しずつ変えればいいと思っています。

どうしても体重が重い女性の方の介助で、女性だけだと大変だから男性が排泄や入浴の介助をしてもいいかと本人やご家族に説明して了承を得てから実施したこともありました。そういう事じゃんじゃないかなぁと思っています。

書類のニュースを読んで、書式の統一も大事だけどそうじゃないよなぁ・・・なんて思ったので『尊厳』を守る事について、こういう機会にしっかりと考えた方がいいかな、と思いましたし、国や行政も書類だけじゃない部分をちゃんと”見て”ほしいと思います。

もしかしたら、介護の現場で同性介助が完全に実施できてない事自体を、国や厚労省は想定していない可能性もあるんじゃなかろうか・・・なんて思ったり。

厚生労働省

だって、こうして介護保険法の理念の所で下線まで引いて強調してますもん。介護給付費を支払っている以上、尊厳守れてて当然ですよね、という事なんじゃないかと。

普通に考えたら裸になる場面って同性しかいませんしね。
ただ、こういう尊厳をしっかり守ってケアを提供しています、という事自体がもしかしたらこれからウリになるかもしれません。出来てない事業所が多ければ多いほど、その効果はありますからね。

出来ないと諦めるか、どこまで追求できるかに挑戦するかだとは思いますが、個人的には介護保険制度が始まって以降、多くの事業所で諦めてきた結果の課題なんだと思っています。

ローカルルールの是正は介護分野でも大きな課題となっている。以前と比べると取り組みが進んできたものの、その浸透はまだ必ずしも十分とは言えない。厚生労働省が今月17日の審議会に報告した調査結果によると、介護報酬の加算の届け出に関して国の標準様式を「全て修正を加えず利用している」と答えた自治体は、全体の半数あまりにとどまっていた

JOINT

すごく脱線しましたけど、ちょっとびっくりしたのが国の標準様式を修正せずに使っている自治体が全体の半分くらいしかない、という内容です。

という事は、全国の自治体の半分もの自治体が国の標準様式に手を加えて余計な仕事を増やしているという事でしょうか。

この課題も早く解決してもらいたいものです・・・。

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