ケアマネの採用が「困難」 居宅で8割弱が回答 協会調査 「人材難は深刻な状況」・・・という記事の紹介です。
ケアマネ協会の調査なので事実でしょうけど、調べるまでもなくこれまでもずっと言われてきた事なので・・・問題は、だからどうするのか、という所なんですけど、直近の介護保険制度改正でも特にこの問題を解決するのに有効そうな制度変更はない状況で、見かねた東京都が色々と施策を打ち出している状況なんだと思っているので、ケアマネ協会としてどうするのか方針があるのか気になる所です。
人材が不足しているのは全産業の問題なので、どこでも採用は困難になってきていて限りある人材の取り合いになってきているような気がします。
気になったのが、このアンケート調査の回答数が1130人しかいないという事です。
ケアマネ協会の会員数ってそんなに少ないの!?って思ってしまいました。
で、調べてみたんですが、ケアマネの総数は去年の調査で約18万人との事。
ケアマネ協会の会員数ですが、2019年のデータしか見つからなかったのですが、約3万人のようです。
で、今回の調査の回答が1130人から得られたデータとの事ですから、ちょっと物足りない感じがします。
会員全体の約3.7%の意見。
ケアマネ全体の約0.6%の意見という事になります。
調査期間も去年の10月~11月という短期間なんですよね。
なんとなく大急ぎでデータを取った気もしますし、この調査結果の報告が5か月後になって発表されるというのもなんというか時間かかったなぁ・・・と思いました。
なんだろう、ウェブ上で入力させる形式ならその場で集計結果とか出せそうなんですけど、紙媒体でのアンケートだったのでしょうか・・・。
少なくとも民間の平均年収以上との提言ですが、ケアマネの年収の平均って既に民間全体の平均値くらいだったと思ったので調べてみました。
男性と女性別での調査結果が出ていたので参照しましたが、2019年までの統計なので情報としては古いのですが、おそらく以降も処遇改善は継続されているはずなので、ケアマネの年収についてもこれより下がっている事なはいと思います。おそらく、介護職の年収が更に増加しているのではないかと推察します。
男性でも女性でも、ケアマネの平均年収はそれぞれの中央値と同等かそれ以上の年収になっていますので、いまの時点で平均年収以上の実現を訴えた所で、それでも人材確保が困難である事は既に証明されているわけですから、別の切り口が必要と思いました。
男性ケアマネの場合、民間の平均とほぼ同等の年収ですが、女性ケアマネの場合は民間の平均と比べると約10万円ほど高い年収になっているので、やはり賃金が原因で人材確保が進んでいないと分析するのは無理がある気がします。年収が少しでも高いに越した事はないですが、それが大きな原因ではなさそうで、やはり書類関連の業務など、ケアマネの業務の範囲が広すぎる事も大きな原因になってそうな気がします。
ただ、今後は業務範囲や研修制度についての議論も始まりますので、そういう意味では今後の対策次第では改善できそうな気もします。
いずれにしても、今後の動き次第、という事になりそうです。