厚労省、ケアプランの「課題分析標準項目」を改正 解説Q&Aも通知 「記載の適正化や充実を図った」・・・という記事の紹介です。
昨日は、草取りのリピートを頂きまして、2時間半ほど手作業で草を千切って毟って引っこ抜きました。
以前だとこういう完全手作業の草取りは3時間以上はかかっていたので手早くなったなぁと感じたのと、夏場と違って草が抜きにくいような気がしました。まぁ夏場は結構伸びた状態の草だったので引き抜きやすかったのかもしれませんが、この時期の草はあまり伸びてない代わりに根が張っているのかもしれないなぁ・・・なんて思いながら作業をしました。
夏場はいろんな虫が出てきて平和な世界が乱されてしまってワラワラしていたのですが、今回はミミズばかり出てくる状態でした。
しかも出てきてこっちにすごい勢いで向かってくるのと、結構なビッグサイズなので男の僕でもビビッて腰が引ける状態でした。
ただ、ミミズも逃げるなら土のある方に逃げたらいいのになぜかアスファルトの方に逃げて行ってしまうので、『お前、そんな所に行ったら干からびるぞ・・・』と言いつつ拾って土の上に移してあげるというのを5回行いました。全部違うミミズだとは思うのですが、全部同じに見えました、ミミズの個別の見分けが最後までつきませんでした。
そんなわけで本日は足腰がもれなく筋肉痛ですが、ケアプランについて厚労省から新たな書式の通知が出たようなので、そちらの記事を紹介します。
厚生労働省は16日、居宅介護支援のケアマネジャーらがケアプランを作る際などに用いる「課題分析標準項目」の改正を通知した。【Joint編集部】
項目の主な内容の記載が一部現状とそぐわないというのは昔(約20年前)と現在で考え方や捉え方が変わった事象があるという事でしょうか。
また、来年度から適用される適切なケアマネジメント手法に合わせて今まで通りの書式だと整合性がとれなくなるから改正します、という事のようで、それはまぁそうなのかなぁ・・・という感じ。
ただ、最後の『なお、情報収集項目がこれまでと変わるわけではない。』と指摘されている部分に若干違和感を感じます。
だったら書式変えなくてもいいんでないの?と。
書き方の問題なんでないですか。そういうの統一するために定期的に研修をしないと更新できない仕組みになっているのでは?・・・とちょっと意地悪な感想を持ってしまいました。
これ、記載する項目は増やしたけど、項目全部を埋めなくても必要な項目が埋まってたらいいんですよ、という事なんだろうと思うんですけど、日本人って空欄のままにしとくの苦手なんだと思っていて、そのうえで運営指導とかで空欄をないようにしましょうなんて指導を受けたら終わりだと思いますよ。
もしかしたら、この利用者さんの課題分析にこの項目の記載が不必要だと判断した根拠を示しなさいとか言われそうで、結局ケアマネの仕事がめっちゃ増えそうな予感しかないんですけど・・・。
ちょっと興味ある内容だったので、それぞれ厚労省が出している通知も見ていきたいと思います。
介護保険最新情報 1178と1179
下のリンク先に通知それぞれの本体がありますのでご参照ください。
この記事では一部切り取って紹介しています。
■ 介護保険最新情報 1178
https://www.mhlw.go.jp/content/001157205.pdf
■ 介護保険最新情報 1179
https://www.mhlw.go.jp/content/001157102.pdf
向かって左側が新しくなる内容で、右側が古い内容で、それぞれ一番上に新・旧と表記されています。
新の方の文章の中で下線が引いてある部分が、今回新しく追加された・変更された内容という事です。
ですので、新しく変わる内容は何かな、と思ったら下線を追えば何となく理解できると思います。
さっと見ただけで結構下線が増えていますね。
さて、全部の項目を確認してもいいかなぁと思ったのですが、1179のQAのある部分だけ見ていく事にします。
1 基本情報 の変更部分
1179のQAを見ると、初回か初回ではないか、という事の記載場所が変更になったようですね。
今回のアセスメント理由という項目では、これまで以上に詳しく記載してくださいね、という指摘もついているので、それだけでもケアマネの仕事が増えますよ、という事ですね。
3 利用者の被保険者情報 ⇒ 利用者の社会保障制度の利用情報
これ、聞きにくいし教えたくないでしょう、気持ちよく出せる個人情報じゃないんですよね。
それに加えて気になるのが、これらの情報を把握することで適切な介護保険利用のためのサービス調整と給付管理が可能となる・・・と記載されている部分です。これまでのサービス調整と給付管理を全否定するような内容なんですけど・・・。
しかし、こういう情報って逆に国側が抑えているデータじゃないんでしょうか。国で情報整理してケアマネに教えてあげる方が親切なんだと思うんですけど。
あと、これらの情報ってマイナンバーに集約される情報になりそうなので、将来的にはマイナンバーのデータをAIが活用して、標準的なサービスパターンなど提案してくれるようなシステムになりそうですね。
しかし、年金額やお金の使い方について根掘り葉掘り聞かれた挙句、普通はこの経済状態ならこういうライフスタイルですよ、みたいな事を言われるっていうのは嫌だろうなぁ・・・なんて思ったり。
それにそれを説明したり提案したりするケアマネも大変だなぁ・・・と。
それに、経済状況に合わせたら個別化が進むというのも何だか腑に落ちないですね。個々の人生の質や個別性って経済力で左右される要素ではあるとは思うのですが、経済力によってやりたい事とかも制限したりセーブしたり我慢したりしているという部分はどのように評価するのでしょうか。
本当は、本人が望む生活にはこれだけのサービス量が必要だが、経済力がこうなのでここまでしか実現できません、という事になると思うんですけど、そこから先の支援の可能性とか追求できないような書類なら無くてもいいと思うんですよね、何のために集める情報なのかイマイチよくわかりません。
ここの部分も上記と同じで、フォローできている部分とフォローできていない部分を明確に把握したうえで、何にどうつなげてフォローできていない部分をどう解消するのかまで辿り着かないのであれば、あまりやる意味がない気がします。結局、本人に経済力があり地域に社会資源やマンパワーがあれば実現できるフォローしかできないのであれば、ここまで力を入れてやる必要性ってあまりないような気がします。
5 日常生活自立度(障害・認知症)
ここは項目の名称が変わっただけのようです。
この評価も情報が古いと意味がないですが、最新の評価をケアマネでもやってね、という事のようですので、そういう部分では仕事増えますよね。
7 主訴・意向
意向の項目が追加されたという事のようです。
これまでは主訴のみでしたが、今後の生活に対する要望や意向まで含めて情報を集めなさいと。
主訴だけでは、本人の真意を具体的に表現できている可能性が低いので、意向を追加しました、というように読めます。
これからは本人や家族等の、こういう生活がしたい、してほしい、という情報が記載されていくという事なんだろうと思います。
10 健康状態
かなり増えました、これは健診結果とか診断書とか書き写さないと無理ですね。・・・なんでこんな手間を増やすかなぁ・・・、服薬の状況までかなり細かく把握する必要がありそうです。
これだけ項目が増えていて、これまでと把握する内容は変わらないというのは変です。
厚労省としては、これらの情報が重要だから把握してほしいという事なんでしょうけど、病院だってこういう情報を出してくれる所と出してくれない所もあるので医療情報については国や厚労省が把握したうえで、必要な情報をケアマネに渡す方がいいと思いますし、たぶんそういうのマイナンバーがしっかり活用できれば自動化できますよね、服薬情報も含めて。
これら全ての情報収集を行う事は求めていない、と明記されていますので、ここはもっと大々的に周知しておいた方がいいと思います。
まじめな人ほど項目を埋めたくなるもんですから、これけっこう業務負担になりそうな気がします。
身長って結構把握が難しいんですよね。
膝下の長さから身長を計算する計算式があって、それを活用してデイサービスの利用者さんの身長を割り出していた事もありました。
どうかんがえても利用者さんが持っている情報や資料から引き出すしかないし、ケアマネが独自で計測するというのは避けた方がよいと思います。
13 認知機能や判断能力
ここも項目の名称が変わっただけのようですね。
・・・しかし、この項目の元々の名称が”認知”という項目だったのがちょっと驚きです。認知機能じゃなかったんだ・・・。
14 コミュニケーショ ンにおける理解と 表出の状況
この項目もかなり細かな内容が追加されています。
コミュニケーションに関する情報をしっかり集めてください、という事ですね。これからテクノロジーの活用も増えてくるだろうし、こういう項目はあった方がいいですよね。
15 生活リズム
社会との関わりという項目が、生活リズムに変更になったようです。
生活リズムを把握し、そのリズムが崩れてきた場合には、もとのリズムに戻るように課題分析を行いなさい、という事なんですけど・・・。
事業所側としては、モニタリングの再に生活リズムについての報告も意識しておいた方がよい、という事でしょうかね。ちょっと頭に入れておきます。
17 清潔の保持にに関す る状況
褥瘡だけではなく入浴や爪の状況に加え、寝具や衣類の状況まで含まれる項目となったようです。また増えた・・・。
衣類が清潔でない場合には、その原因や生活上の課題についても確認しなさいよ、という事です。
同じようにお風呂の回数や頻度とかも把握するようになるんでしょうかね。
お風呂の習慣については個人の嗜好や習慣もあるので一概に適切ではないと判断も出来そうになさそうですけど、さすがに一か月も入ってないとかは該当しそうですね。
18 口腔内の状況
こちらの項目も、内容がより具体的になっています。
こちらも項目が増えているが全ての情報を収集せよ、という事ではなく、本人にとって必要な情報のみでよい、という事です。
なお、介護支援専門員が自ら収集する情報だけでなく・・・と明記されているので、月1回のモニタリングの際に口腔内の情報を現認したりして収集する必要がありそうですし、その情報を歯科医とかと共有する事も望ましいとされているので、今後はそういう連携が重視されていきそうですね。
19 食事摂取の状況
この項目もより具体的な内容に細分化した感じですね。
まず、本人にとって必要な食事量の把握から必要ですね。
それに加え、歯科医や言語聴覚士との連携が求められる内容なので、早めに繋がりを構築しておく必要がありそうです。
必要な食事量については、かかりつけ医の指示を受けるというのは必須のようです。簡単にさらっと書いてありますけど、結構大変になりそうな気もします。
療養におけるケースの場合は、水分量や塩分量について医師の指示内容を必ず確認しておく事が求められているので、運営指導でもチェックされそうですね。
食事の形態や内容については、モニタリングで報告しておいた方がよさそうですね。
21 家族等の状況
家族や同居人は介護力としてしか見てなかったという事ですよね。
そりゃケアラーも増えて介護離職も増えるわな・・・と思いました。
ケアラー問題、介護離職の問題の原因はここにあったんじゃないでしょうかね。
家族等を介護のための資源としてとらえる事をやめました、という事のようです。
そうであれば、同居家族や同居人がいるとヘルパーが入れないというようなルールも変わる必要がありそうなんですけど、そこについてはケアラー問題で議論が進んでいるような気もしますが、来年度の改正である程度の変更が行われるのでしょうかねぇ。
家族等もそれぞれの生活があることから・・・というこの部分の記載は本当に重要です。
22 居住環境
この項目も具体的に細かく記載された変更のようですね。
これまでと集める情報は変わりませんよ、と言いつつ、室温の状況や清掃の状況といった内容については確認が必要としています。
そして、自宅内だけではなく周辺の状況や利便性などの確認も必要としているので、おそらくやる事は増えると思います。
23 その他留意すべき 事項・状況
この項目では、他制度との連携の必要性の観点が重要としていて、退院後でも医療機関との緊密な連携が必要になるケースがあると示してあります。
障害のある方については相談支援専門員との連携も求められるとされているのでここは必須となりそうですね。
経済的に困窮している方の場合には、生活保護や自立支援制度等の利用などの検討も必要となるとされているので、経済的な課題のある方については、これらの対応をしたかどうかの証拠を残しておく必要があるという事ですね。
おわりに
冒頭の記事から再度引用しますが、情報収集項目がこれまでと変わらないとしても、やる事が絶対的に増えてますよね。
ケアマネ不足も深刻な中、更に仕事が増えてややこしくなりそうです。
事業所側としては、できるだけ情報収集には協力していきたいので、こういう項目で報告できそうな気づきや発見があればモニタリング報告等で連絡して情報共有していきたいと思います。