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認知症の高齢者、2040年に584万人へ 厚労省が最新推計を公表・・・という記事の紹介です。

今後の認知症と軽度認知障害(MCI)の患者数を新たに推計した結果を、厚生労働省の研究班が8日に公表した。【Joint編集部】

2040年には認知症が約584万人、MCIが約613万人にのぼるとした。

認知症は65歳以上の高齢者のおよそ15%、6.7人に1人の割合。2022年の約443万人から大幅に増える。更にそれより多くの高齢者がMCIになる見通しだ。

JOINT

高齢者の10人に一人が認知症になる・・・と言われていたような気がするのですが、ほぼ7人に一人が認知症になる計算ですね。
軽度認知障害(MCI)の方も含めるともっと割合が高くなりそうです。

いまの現状よりも認知症の方の数が増えるという事ですが、そこに対応できる専門職である介護職員の数は圧倒的に不足している状況が予測されていますので、本当にどうなってしまうのか・・・。

軽度認知障害については、ご存知ない方も多いと思いますので以下に説明されている記事を紹介します。

人は誰しも、年齢を重ねると忘れっぽくなる傾向が見られます。「あの人の名前は何だっけ?」「昨日の夕食は何を食べたかしら?」など、一般的に「もの忘れ」といわれる現象です。

一方で、認知症の場合は経験や体験そのものが記憶から抜け落ちてしまいます。例えば「顔見知りなのにその人の存在自体を忘れてしまう」「夕食を取ったのに『食べていない』と言う」といったケースです。このような認知機能の障害によって日常生活に支障をきたすようになると、認知症と診断されます。

軽度認知障害(MCI)は、その名の通り「軽度の」認知障害が見られる状態です。つまり認知機能が健常とはいえないものの、認知症と診断されるほどの日常生活への影響はまだないものになります。

介護のほんね

これからはこういう軽度認知障害の方が地域で普通に暮らせる環境や仕組みが整備できているかそうでないかでかなり状況が違ってくると思うのですが、いずれにしてもここの部分、認知症があっても日常生活を営めるレベルで維持できるような取り組みを担える担い手が今の現状でも見当たらないのが正直な所です。

軽度認知障害(MCI)の定義

1. 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
2. 本人または家族によるもの忘れの訴えがある。
3. 全般的な認知機能は正常範囲である。
4. 日常生活動作は自立している。
5. 認知症ではない。

介護のほんね

認知症と軽度認知障害(MCI)の違いについて理解しておくと対応も幅も広がります。

1人暮らしの高齢者も増えていく今後、認知症になっても地域で暮らしていける環境の整備が大きな課題。厚労省の担当者は、「誰もが認知症やMCIになり得る。そのことを踏まえ、共生社会の実現に向けた施策を進めていかなければならない」と話した。

JOINT

厚労省も課題は見えているわけですけど、実際の整備が間に合ってないというか、ちょっともう無理なタイミングのような気もします。

認知症や軽度認知障害(MCI)なんて誰もなりたくてなるわけじゃないんですよね、ここの理解ができてないと適切な対応は難しいと思います。

脳の機能に影響がある病なので自分の意思や力ではどうしようもないんです。外から見えない病だから分かりにくいですけど、腕を骨折している人がいて、その人にわざわざ骨折した腕を使って何かを頼む人っていませんよね。認知症の方が穏やかに過ごせないのは、そういう無理な対応をしている事が原因で引き起こされている反応である事を理解しないと認知症の方への対応は本当に難しいです。

この推計は、厚労省の研究班が2022年から2023年にかけて実施したもの。国内の4自治体を抽出して認知症やMCIの有病率を詳細に調べ、そこから全国の将来の患者数を算出した。結果は8日に開催された政府の会議(認知症施策推進関係者会議)に報告された。

JOINT

日本全国のデータから分析して出した結果ではないみたいなので、もしかしたら地域ごとに大きな乖離が出る数値になっているかもしれません。

4自治体とはどこなんだろう、と気になって資料を見てみました。

資料より抜粋

MCIの患者数の将来推計は今回が初めて。研究班を牽引した九州大学の二宮利治教授(疫学)は、「MCIの患者数の将来推計は今回が初めて。研究班を牽引した九州大学の二宮利治教授(疫学)は、「MCIは早期の対応などで状態が良くなる可能性もある段階。そこから認知症へ進行させないような支援策も非常に大事になる」と指摘した。」と指摘した。

JOINT

『 MCIは早期の対応などで状態が良くなる可能性もある段階。そこから認知症へ進行させないような支援策も非常に大事になる 』

これは本当に大事な提言です。
本来ならこの段階にこそ重点を置くべきですが、国や厚労省、財務省が目指しているのは要介護3以上の対応に絞って介護保険制度で対応しようとするものです。要介護2以下の方については、地域ごとの総合事業に移行され、介護の専門職は要介護3以上の対応、それ以下の対応は地域の助け合いでなんとかしようとしているのが現状で、既に次の介護保険制度改正の一つ検討課題になっています。

既に両方をちゃんと対策・対応できるようなマンパワーはありません。
やるなら介護予防の制度で要支援が出来た時からちゃんと仕組みを作って走らせておくべきでした。

高齢者が増えて労働人口が減り、認知症の方が増えていく事は分かり切っていた事ですが、認知症の症状を悪化させずにできる可能性は残されています。

限られた資源(人材・お金)をいつどこにどういうタイミングで投入するのか、結構重要で日本の将来を決めかねない判断になりそうな問題ですね。


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