訪問介護の基本報酬引き下げ 厚労省「加算拡充を含めた改定全体で評価してほしい」・・・という記事の紹介です。
ヘルパーの団体が基本報酬の引き下げについて抗議しましたが、国・厚労省からのアンサーがこちらの記事ですね。
内容をざっと見た感じ、当初出ていた情報から目新しい情報はなさそうですが見ていきましょう。
国や厚労省としては、このハードルで何とか超えてくれ、という事だとは思いますので、今更くつがえるような事はないとは思いますが、業界団体として声を上げる事は必要な事ですし、次の改正や本当に恐れているような訪問介護の倒産が相次いで介護難民が増えるような事態に陥った時の布石にはしておくのがいいと思います。
もともと基本報酬減の報道が出た時点から、処遇改善加算の比率を高く設定しているというのは一貫した根拠の説明でした。
もともと有資格者しか配置できない訪問介護は、そもそも処遇改善加算の割合は他事業よりも多めに配分されていましたが、今回は更に手厚く配分したという事です。
利益率が他と比べて高い水準だったので、そこをカットして人材不足が深刻なヘルパーの賃金に直結する部分の処遇改善加算については手厚くすることで職員の処遇は改善できるが、あとは経営努力でなんとかしろ、というメッセージと思います。
ただ、企業努力で利益率を高めても、こうして努力しただけ法改正毎に同じように経営していたら儲からないような仕組みになっていくのであれば、これはもう民間の営利企業では難しいでしょう。
NPOとか社会福祉法人のみが参入できるような仕組みに変えた方がいいんじゃないかなぁ、そうなるとウチは廃業ですけど・・・。
これ、加算とればいいやん、と単純に思うかもですが、こういった加算を取ると利用者さんの利用料もそれだけ増えるんですよ。
微々たるものかもしれませんが、1日パン一個で生活している利用者さんを実際に見てきた身としては、利用料金が値上がりするような事はできれば避けたいですし、そもそも気軽に算定できるような内容でもないんですよね。いずれにしても小さい事業所には難しいかなぁという印象です。
国や厚労省がこう考えているのは前々から重々承知していますが、実態はどうでしょうね。
人口減少が明らかで介護職不足が確実な事も10年以上前からわかってきての現状ですから、国や厚労省が想定している事が現実にはどうなのか、という部分は今後明らかになっていくとは思います。
いずれにしても体力のある大企業が生き残っていくのだろうとは思いますが、過疎高齢化が進む地方の在宅介護について、もうちょっと心配してみてもらいたいですね。
そんな事をしなくて算定できる工夫とか考えて欲しいなぁ。
そもそもですけど、サポートセンターに電話するのも結構な手間と勇気がいりそうですけど・・・。
実際、今の国策は社会保障費用の削減です、これはずっと変わってないです。
なので、そもそもですけど介護報酬を引き上げたいのであれば、そう考える介護職は現与党に投票していては意味がありません。
政治の舵取りの方向性を変えない限りは、社会保障に財源を振り分けるような判断はまずありえませんから。
ですので、完全に政治の話なんですよね。
財源の取り合いです。
そう考えると、少しでも全体でプラス改定になった事は凄い事なのかもです。
僕自身は、裏金問題や統一教会の問題など含めて、こんなに好き勝手していて正直ではない、何でも記憶にないと言えばいい、みたいなノリで国の舵取りをしている政治家が、次の選挙で全員落選しない限りは政治は変わらないし、社会保障を拡充させる方向にもいかないし、介護報酬だって上がりようがないと思っています。
要は国民が真剣に自分たちの生活と政治を結び付けて考えているかどうか、というのが今の結果に繋がっていると思います。
単独型でも利益率は6.7%あったんですねぇ。
200万円の収益で利益は134000円という感じですね。
これで高いのかなぁ・・・。
ちょっと疑問なんですけど、単純に他が低すぎるという考えにはならんのでしょうか。
少なくとも2040年頃までは介護ニーズは増える流れで介護職不足が深刻で、介護離職やケアラー問題で約9兆円の損失が予想されている現状で、ここで介護事業で儲かる構造にして活性化させた方が良かったんじゃないかなぁ。
ここで絞るタイミングなんだろうか・・・。
ちょっと気になったので中小企業全体のだいたいの平均の利益率はどんなもんだろうと思って調べてみました。
20230330006.pdf (meti.go.jp) ← 上記資料への直リンクです
180098000円の売り上げで、利益が8707000円との事(令和3年度)。
・・・うーんと、4.83%くらいでしたね。
そっか、そう考えると6.7%でも高いのか・・・。
しかし、売上高の規模も違うもんなぁ、やはり大規模法人が有利という事なんでしょうねぇ。
それに、従業員数みたらだいぶ少ない気がします。
こんな少ない人数でこれだけの売り上げ、介護事業では無理だろうなぁ。
まぁどこかに配分すればどこかを下げないといけないので、利益率が高い訪問介護が狙われるのは当然でしたね。
しかし、他職種の処遇改善も進めるとなると訪問介護以外の事業は結構厳しいんじゃないかなぁ、物価高騰の影響も大きいだろうし、それに加えて介護職の処遇改善以外に他職種への処遇改善は加算外からの持ち出しをしないと無理だろうし、それこそ人材獲得競争で忙しくもなりそうですね。
意外とモニタリングしてくれそうな感じですね。
改定の影響については、今後どうなっていくかは僕自身も興味がありますし、それに対してどう国や厚労省が対策を打つのかも楽しみです。
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