“介護にデジタル技術” 現場の人手不足 打開のカギとなるか・・・という記事の紹介です。
もうずっと前から僕は介護現場のデジタル化については期待してましたけど、もうこんなギリギリになっても進まないので諦めてますけどね。
まぁ自分の事業所くらいは整備を進めたいし活用できる環境にしたいと思ってるし、ほとんど自動化できてますけど、こういうのは上限ってなくて、常に新しい技術が生まれてくるし、技術同士の融合や活用範囲が広がったりもするので、こっち側が、ここまでやればいいだろう・・・と思った時点でゲームオーバーなんですよね。
なので、常に新しい技術や情報にアンテナを張って、どう活用すれば、楽をできるか、時短になるか、無駄を省けるか、現場の無理を無くせるか、そういう所を常に探求していくという気概みたいなもんな組織のトップやリーダー層には必要だと思っています。
しかし、そう考えると介護業界の停滞はそれはもう酷いとしか言いようがない状況ですね。
昔からこうしていたから、と言って、電卓があるにも関わらず算盤で計算しているようなもんで、算盤を使い慣れているベテランはそりゃ計算早いかもしれませんが、そうじゃない若手はついてけないし、そんな古い技術を習得しないと出世もできないような世界なので、そりゃ職員の平均年齢も高くなるわなぁ・・・と思ってしまいます。
そんな最新技術も活用できない業界で、大変だから忙しいから、という理由で給料上げろ、という流れもあるわけですけど、今一度よく考えて欲しいですね。それで本当にいいのかどうか。
ですので、僕個人としては、この業界に入ってくる若手(30代以下)の職員に限定した圧倒的な処遇改善で若い世代の処遇を他産業よりも高い処遇にする、というのが一つ効果がありそうな手段だとは思うのですが、そういう若手の介護関係の有資格者の就労状況など、ハローワークなど公的な機関できっちり管理していけば、若手に限定した処遇改善の直接支給だって可能だと思うんですよね。
他産業と少なくとも月10万円ほど低い平均給与のはずなので、現役で現場で働いている若手職員にハロワから直接10万円支給すればいいし、労働環境や働きやすさなども定期的に聞き取りやアンケート調査を直接管理している若手介護職にする事で、真の現場の実態やニーズが把握できると思いますけどね。
で、きちんとそういうのがシステム化できれば、介護の為に投入された大切な血税が、人材紹介という他の営利団体に渡る事もありませんし、介護職の処遇改善にもっと投入できるようになると思うんですよね。
なんでやらないのか、そっちの方が疑問なんですけど。
介護保険制度が始まって24年が経過して、介護を必要とする高齢者の数は3倍を超えたという事ですが、これは普通に高齢者の数が増えただけで急に湧いて出たわけでもなく、これまで若かった人が年をとっただけの話です。
これ、たまに思う事があるんですけど、高齢者って若い頃がなかったかのような対応をする人がたまに居るんですけど、あなたたちと同じ年代を経験して年をとっただけの同じ人ですからね。
ですから、急に増えたような印象がもしかしたらあるかもしれませんけど、こんなのずっと昔からわかり切ってた事なんですよ。
ニーズは確実に増えている状況で、今後2040年(20年後くらいまで)頃までは増加傾向が続くと言われている状況で、介護事業者の倒産が過去最高を記録している、というのが現状です。
現時点でも、25万人くらいは介護職員が不足している状況ですので、制度を維持することすら難しいのが現状です。
地方ではこういうケース増えるだろうなぁと思います。
施設が倒産して在宅で、という事になっても在宅でサービスを提供できる訪問介護の事業所自体も減少しているので、もう手遅れの状況になりつつあるように感じています。
弊社が開業して以降、室蘭・登別地域でサービスを提供していた訪問介護事業所が、1事業所は事業縮小、1事業所は撤退しています。
サービスが使えない状況は、家族への介護負担の増に直結します。
すでに過去の推計ですが、財務省も介護離職による経済損失を約9兆円と試算していましたが、おそらくもっと膨れ上がるんじゃないかと思います。
経済を回る労働人口の背中の一部を守っているのが介護サービスだと思いますし、すでに共働きじゃないと家計も厳しい現状になっている中で、家族が介護に注力できる余裕はほとんど無くなっている状況と思いますので、介護離職で経済損失が増えるくらいならまだいいと思いますが、負担増によるうつ病等によって人生その物がくるってしまうような状況だけは避けてもらいたいと思うのですが、負担が増えれば増えるほど、やばくなるのは自明の理です。
介護施設に関わらず地域でもデジタル技術の活用は喫緊の課題だとは思うのですが、地域でそういうの進めましょう、という流れって感じないんですよねぇ。
一部のケアマネさんとはそういう話も出来てるんですけど、組織となると動かせる実感がないようで、こうなったらいいですね、くらいで済んでしまうのが現状です。
自宅でも活用できるセンサー等は既に開発されているので、そういうの活用したいなぁと思いながら、結局費用が支払えなくて使用しない人も多いんだろうなぁ、そうなったら防げたかもしれない事故も防げなくて結局は健康状態の悪化や介護度の重度化につながって医療費や社会保障費用の増大につながるので、最初にケチった対策をしたツケを後の世代に押しつける構図は変わらんのだなぁ、と思うと、やはりこの制度設計自体を見直す時期なんじゃないかと思いました。
この職場で活用されている技術ですが、そこまで新しい技術でもなんでもなくて普通の技術なんですよね。
それが、同世代の別会社で働く仲間に話すと信じてもらえない、というぐらいに業界全体ではデジタル化が進んでいないという事なんですよね。
全部人力で様子を見に行くし、血圧や体温など紙に書くわけですよね。
で、必要な共有の書類などあれば、そちらにも転記する。
それだけ手間をかけている記録だけど、ほとんど誰も二度と目を通さない。
しかし、記録をしないわけにはいかないのでやらなければならない仕事なんですよね。
お金はかかりますが、機器によっては自動でクラウド上のシステムに計測したデータをアップする血圧計や体温計などもあります。
結局、そういうの活用できるのってお金持ってる大企業だけなんですよね。
そういう機器を使いたくても利益率を低く調整される(介護報酬)ので、なかなかそこまで辿り着かない。
現場の負担軽減とか国や厚労省が言うんだったら、そういう機器を全部配布してくれよって思います。
離職率については、他産業との平均値よりも下回る状況になったと思いますので、少しずつこういう労働環境の改善は進んでいるとは思うんですけど、個人的には遅すぎると思っています。
いや、本当にそうなんですけど、介護報酬に関しては、個人的には介護職不足や定着防止、採用促進、DX機器への投資、処遇改善などの事も考えれば、まさに2024年4月の改定で大幅なプラス改定があれば、いろいろやれそうだな、と思ってたんですけどね。
予想外というか、想像のはるか下をいく改定だったのでガッカリを通り越して、やっぱりこの国は高齢者がピークを過ぎてどんどん減っていくまで現状のまま傍観するつもりだな、と確信しました。
まぁ、選挙の結果で与党が大幅に議席を減らしたので流れは変わるかもしれませんが、一度や二度の選挙の結果ではどうという事もないだろうと思うので、これからの選挙でどうなっていくかも注目ですね。
これで投票率上がってて若い世代の投票数が増えてたらかなりインパクトあったんだろうけど、そうはなってないので基本的な政策の流れは変わりそうになさそうですけどね。