ちょっとびっくりしたニュースでした。
ヤングケアラーという言葉自体は最近よく聞くようになりましたし、家族が頑張って介護をする事の危険性はずっと危惧してきていましたが、ここまで深刻なケースがあったのかと思うと、これは氷山の一角なんだろうな・・・と思いました。
30歳頃まで転々と仕事をしていたとの事なので、およそ7年間は母親の介護漬けだった事がうかがえますし、それ以前から介護してきて、いよいよ仕事もできないくらい母親の介護以外が手につかなくなったのでしょう。
10歳頃からとの事なので、27年もの長い間という事になります。
生活保護を受給しているので、定期的に行政の担当者が母親と面会していたのではないかと思うので全く外部の目が入ってなかったとは思えないのですが、不正受給を隠すために介護の事は核にしていたのかもしれませんね。
両親が離婚してからは、母親、長男、妹の3人暮らしだったようで、その妹が6年前に結婚して家を出てから長男はつきっきりでの介護になったようです。
家族がバラバラにならないようにどこにも相談できなかった、というようにも読めますが、やはり外部の目がなくなると異常な事を行っていたとしてもそれ自体に気づけなくなってしまうんでしょう。
誰とも繋がりがなく、介護している母親だけという環境がどんなだったかは想像するしかありませんが、とても過酷だったと思います。
母親が自由に水を飲めないルールを作る(失禁対策として)など、自分でも普通じゃないと自覚があって後悔していますね。
家族や母親を守りたいという想いが孤立した環境で煮詰まってしまうとこうなってしまう、というケースなのかな、と思いました。
外に助けを求められない、という点はヤングケアラー全般の問題だと思いますので、いかに誰かが気が付いてしかるべき期間に繋げられるかが重要かと思います。
ちゃんと相談窓口があるので、もっと周知されていた方がよいと思います。
小学6年生の15人に一人が家族の世話をしているという事です。
これからもっと社会問題としてフォーカスされていきそうですし、やはり何等かの対策は必要ですね。
サポートがあれば働ける人が働けないわけで、以前紹介したニュースでも経済的な損失はかなり大きいと指摘されていました。
ヤングケアラーに詳しい人に言わせてもこのケースは特異ではないという事ですし、そうなってたかもしれないという経験者も多いそうです。
やはり孤立させない事が重要ですね。
どうなんでしょう・・・なんというか日本の社会保障ってボロボロじゃないですか?
これで安心して子供産んで育ててって思えるでしょうかねぇ・・・。
困っていても社会が助けてくれないのが現実なんですよね、助けを求めないからという自己責任論にもなるんでしょうけど・・・
本当にそれでいいのかと思う悩ましい問題ですね。