賃貸部門にいた頃の話 まとめ
『賃貸部門にいた頃の話』
賃貸営業マン時代
管理のおばちゃんがすぐ隣の席にいるので
よく話していた。
とても元気に働くおばちゃんで
パートなんだけど時給も他の人より高かった
入居者で面倒な客がいても
大阪人ばりのテンションで圧倒して
「あ〜も〜や〜ね〜わかるわ〜」
って大声で客に同調しながら
面倒な客を抑えていたのをみて
すごいなって思ってた。
そんなある日入居者から
電話が入り自分がたまたま応対
おばあちゃん👵入居者で内容を聞くと
「電球が切れてしまって、新しいのがあるので替えて欲しいんです」って
仰っている。
はぁ〜??電球?
僕は電球くらい自分で
替えたらいいのに!
面倒な人だな
って思っていた。
時刻は18時を過ぎており
外は暗い、終業は18:30
管理のおばちゃんが横で話を聞いていて、
僕が電話を切ると
「そのおばあちゃんならすぐに
行って電球替えたらな」
と言うから
「じゃあお願いしま...」と言う前に
「あんたもきんさい!!!」
と大きな声で言われた。
僕はムッとした
当時客付担当なので、
なんで管理の仕事で僕もいくんだよ💢
ってすごく不機嫌
になったのを覚えている。
車中で不機嫌な態度を隠しもなかった。
現場に到着して、中に入ると
薄暗い部屋の奥の方に
足を悪くして殆ど歩けない
おばあちゃんがいた。
僕は自分が恥ずかしくなった。
電球変えられるわけなかった。
しかも天井が高い部屋で脚立がないと
とても変えられない。
おばあちゃんにはとても無理だ。
電球を替えた帰り道
軽トラの中で管理のおばちゃんは言った
「あんたは仕事ができるかも知れん
けど、今のままだと仕事がつまらなくなるわ、真心込めて仕事してみんさい、仕事の繋がり、全体を見渡せるようになればもっと仕事が楽しくなるし、もっと伸びるわよガハハ」
翌年そのおばあちゃんは亡くなった。
大家さんからお礼の電話が届いた。
なんでもおばちゃんは生前毎日
日記を書いていたそうで、
その中にうちの管理の
おばちゃんの事が書かれていた。
季節ごとに手紙をくれたり
差し入れをくれたり
コーヒー☕️一緒に飲んだり
そこには1人の老人の日常を
立派に支えていた管理のおばちゃんの
軌跡があった。
その年大家さんはアパートの
売却をうちに任せてくれた。
アパートの売却は僕が担当した。
信頼も厚くとてもスムーズに終わった。
利益もしっかりでたし。
売主さんにもお礼の言葉をもらった。
でもなんだかバツが悪くて
心がモヤモヤして、なんだか
申し訳ない気持ちだった。
あの時、夕方に電球を替えに
連れ出させれなかったら
こんな特殊な感情は
経験出来なかった。
この出来事は普段の生活で
なんかあるとふと思い出すことがあり
初心に戻れる
管理のおばちゃん
いつまでもあんたに感謝してるよ!
そしてこれからも僕は
不動産で商いを続けるよ。
ありがとうね
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