いぶし銀の握り「小笹寿し」さん。

銀座の繁華街、仄暗いビルとビルの間を入ると見えてくる。一瞬銀座にいる事を忘れる程、味のある雰囲気が漂う。店内も重厚感のあるカウンターが存在感を放ちます。

種が書かれた木札、数の多さも圧巻です。

お任せで握っていただく。

鮃から、かなりむっちり〆られるが特段昆布が強い訳ではなく絶妙な加減を保たれる。

シャリは柔らかく粘り気があり、甘味が追い掛ける。人肌の温度が絶妙でねちっとしたシャリが妙に種に合うのだ。

皮付きの鯛、品のある甘味と皮付きの食感が楽しい。

皮剥、肝のコクが加わり味わいが華やか。

鱚、コ豊かな昆布の風味が広がる。

新子、柔らかく穏やかな酸味と香り。

新子、甘いねっとりとした朧が合わさる。印象がガラリと変わる。

漬け、醤味の旨味が重なり香りも強い。

トロ、濃厚な脂がさらっと溶けていく。

鮑、噛む程に味わいが高まる。

鯵、豪快なフォルムにうっとり。浅葱の仄かな苦味が鯵の脂を爽やかに変えてくれる。

煮蛤、一見香ばしさが込み上げ、深い味わいが立ち込める。

槍烏賊、細切りにされフォルムも端麗。甘味が沸々と湧き上がりとろっと滲む。

赤貝、香りが爽やか。

穴子雉焼き、香ばしく解ける。非常に濃厚で存在感のある穴子。

追加で小柱をいただく。刻んだ葱が噛まされ、リズミカルに甘味と解けていく。

懐の深い寺嶋和平親方が供す、いぶし銀の握り。