19.自分自身に声掛けして動き始めのハードルを下げようとした話

 やる気が出ない。
 外出が嫌いなのは昔からだが、最近は特に外出できない。頑張って外出してもその後途中で動けなくなって結局Uターンしたり、目的地をもっと手前に変えることも多い。屋外が嫌いなわけではないんだけど、外出という行為が苦手だ(伝わるかなぁ、この感覚)。
 何か約束があれば義務感で概ね時間通りに外出できるのだが、自由にされてしまうと全くダメ。真面目な用事だろうがプライベートな用事だろうが、全然ダメ。

 朝10時頃に外出しようと試み始めて、夕方15時を過ぎた頃にようやくドアを開けられる。特に冬は暗くなるのが早いし、結局外出を諦めることも多かった。朝10時から荷物をまとめたり上着を着たりエアコンを消したりはしているのに、そうやって準備を万端にした状態でまた数時間動けなくなる。頭の中はずっと騒がしくて(あるいは凍っていて)、様々な可能性を常に検討していながらどれか一つを選ぶことができない。
 なぜか涙が溢れることもある。そうなると「やっぱり外出しなくていいのでは」という選択肢が優勢になってきて、結局外出を諦めることになる。行かなきゃとは思っているのに。

 今朝も今朝とてそんな状態で、家族の前で涙が出そうになったのでトイレに逃げ込んだ。
 結局、外出するにはどうすればいいのかな。外でピーピー泣きながら駅に向かうわけにもいかないし。色々対策は練っているけれど、結局外出までに平均5時間かかっている。
(今日は他人との約束があったのであまり長引かずに出発できた。)

 そんな中、今日外出のためにやったのは、自分に対しての声掛けだった。あとはセントジョーンズワートというメンタルに効くサプリを飲むこと。
 声掛けについて、誰かの役に立つかもしれないと思ったので以下に詳細を書いてみる。困っている人はよかったら試してみてください。

 涙が出てきてトイレに逃げて、しばらくの間はしゃがみこんでいた。深呼吸をして、涙が止まるのを待った。その後は周囲の造形なんかに意識を持っていって、自分の「内側」から頭を切り離した。なるべくまばたきしないように、息を殺して、感情を無にした。
 そこまでやったら自分への声掛けをスタートした。最初はこんな感じ。

大丈夫そう? なんで泣いてるの? 何が嫌? 少しだけ頑張れない? 頑張ってよ。

 この声掛け、他人に対して言うのはよくないと思う。自分に対しての意見なので少し責めるような言い方になっている。
 ま、ここでは声出しの練習だと思って、思考をそのまま言えばいい。

 次は、ともかく立ち上がらないことには始まらないと思ったのでそこに向けて言葉をかけた。

5秒数えたら立ち上がろうか。それ以上動く必要も歩く必要もないからね。本当に立ち上がるだけ。いくよ。ごー、よーん、さーん、にー、いーち……。よし、立てた! えらいぞ〜。よしよし。

 これをトイレでブツブツ言っているんだから狂気じみている。でもまぁ、それで自分の力で立ち上がれるなら上々だよな。
 ちなみに声に出すかはともかく、この「5秒数えたら」システムは結構効く。おすすめ。

 その次は立ち眩みがしたので目を閉じて同じような調子で20秒数えた。数え終わった後、最後の言葉はこうだった。

よし、じゃあ、出発しようか。ドアを開けてトイレから出るよ? そうしたら歩いてリビングに行って、電車の時間を調べて、なるべく間を置かずに外出するんだ。いいね? できるね? よし。

 ここまで来ると、あんなに泣きたかった心がもう凍ったように何も感じなくなった。感情が冷え切るのは必ずしも良いことではなさそうだけど、とりあえずおかげで外出の準備が整ったのでよしとする。あとは機械のように無感情に玄関の外にまで出られればこちらの勝ちだ。

 そんなこんなで今日は無事勝ちました。イェーイ。

 この方法は人がいるところで使えないのが難点だな。他にも色々な方法を探してみたい。

2024/03/13

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