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こうして

自由を食べたかった
ほかに望む味なんてなくて
新しい場所にいけばHERO
生まれ変われると過信した

海馬はいつも青春のつづきを
再現せずにいられないから
ぶつ切りにした物語を 
残飯にした美味しいものを
求めては狂いだす
見つけては乱舞するのだ

未確定な人生を旋回しながら
「私」を更新したいのに
うまくできないのはなぜ?
満足できるのはまだ?

恵まれた人々は演台に立って
「私の人生」を語るものの
そりゃ本人の努力もあったろうけれど
私とスタートラインが違いすぎて
冷めた拍手を送っていた

いい加減わかってよ
やりたいことが出来て
言いたいことが言えていたら
詩なんか書かない

濡れた過去を
裂いて 割いて 咲いた
サザンカの露は
開いて 啓いて 拓いた
プラズマの空へ舞う
終わりのない弱さを包んで
寂しい曲を乗せていく

「夢をかなえよう」なんて
軽々しく言うなよ
それが清く美しいなんて
思っているなら怒るよ

時間は何処にも逃げない
置いていかれるのは幼気な私たち
中途半端な約束が
グレーゾーンの利己主義が
あるべき公益を浪費して
何もしない節句がおわる

「あなたの人生でしょ」
「あなたの気持ち次第でしょ」
そんな抽象的なアドバイスに
感謝しなくちゃいけないのが辛い

正義の多様性を振りかざして
肝心の自分は薄まるから
そんな結末を想像して
二の足を踏む夜が怖い

生まれた環境を嘆いても
始まらないゲームをしよう
学歴も職歴も白紙にして
対面する歌会をしよう
みんなおもしろく生きたいんだ

いい加減わかってきた
あのとき流した光が
いまのあなたのために
やっと輝きはじめていることを

壊した呪術に
触れて 振れて 狂れた
ほそいアザミは
溶けて 融けて 解けた
本当に守りたいものに気づいた
こうして夢をみつけた

うまく生きられない花さえも
もう咲くしかないんだね

そうなんだね
そうだったんだね
ひとつ大人になったんだ
だから夢をみつけたんだね









 

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