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我がままで成り立っている

咲いたばかりの花びらに
成長の証として白を塗った
輪郭のない腕白は
塵一つない潔白へと
退化する
己だけ汚れていない羽衣をまとい
天人の真似をする

夢のために 夢を見る
叶わなくても構わない
幼子よりも 幼くなる
そんな生き方と仲良くなってしまった

在ることが当たり前になって
失ったことに気づけなくて
紛い物の果実で腹を満たす

黎明のおわり
あの日の君を見つめた
夏色のように
また別の君を好きになる
そうして
ぱっと離す
ノスタルジア
僕には不釣り合いな幸福
触れないまま
墓場までもっていく
想い出になっていく

僕らの社会は子どもの我がままで成り立っている
みんな大人の解答を出せないまま
うつむく うそぶ
霞みゆく言葉で
着飾る夜

理由がわかればきっと僕ら
何処にだって行けないんだろう
この身に流れるレガシーを
打ちこわしながら吸いつづけた
怪物なのだから

君のように成りたくて
身を焦がした朝も去っていった
だから永遠の何かだってことにして
傷口を安心させている

在ることが当たり前になって
失ったことに気づけなくて
貰い物の教訓で夜を満たす

君が嫌い
だと思っている僕が嫌い
沈めた本音を聞き返したくて
言葉の心音を探る
そうして
ぐっと掴む
リアリティ
僕には不釣り合いな幸福
触れたい
すべて晒した
夢で見た明日

僕らの社会は大人の我がままで成り立っている
みんな清廉な幻想から逃れられず
装っている 予想している
成長の限界
待っているのは御免だ

御免、の一言も言わなかったくせに

だから
僕らの社会は僕らの我がままで成り立っている
みんな自分の解答を出せないまま
楽しんでいる 狂っている
裸の台詞で
涙を鏡に照らす

きっと
百年 千年先も
大人の解答を出せないでいる
だから変わりゆく街の盛衰を
僕らは描くだけ
こころの言葉で紡いでいく
仮の庵だけ
君の名残だけ




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