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人気アイドルたちはなぜかただのクラスメイトの僕にアピールしてきます

○○:はぁ…

先週の放課後、クラスメイトの和さんに女性の連絡先を全て消されてしまった僕は一週間も経ったというのに未だにテンションが上がらない。

だってねぇ…中学校の時好きだったあの子とか昔仲良かった幼なじみとか僕がこれまでに積み上げてきた関係性が一瞬で無くなったんですよ?

え?また交換すればいいじゃないかって?それは無理です。なんでかと言うとですね…

和:おはよっ、○○君

○○:お、おはよ…

和:はい、じゃあ今日も“あれ”始めるからスマホ貸して?

○○:僕が嫌だって言ったら?

和:んー、この学校での立ち位置は無くなるかな。

この学校での立ち位置が無くなる、それはすなわちこれからの高校生活だけでなく大学4年間も居心地の悪い学園生活を送ることを意味している。それだけは避けなければいけない。

○○:はぁ…はいどうぞ

和:うん、ありがと

僕に屈託のない笑顔を向け和さんは僕のスマホを操作する。

和:よし、異常無し!じゃあ○○君、今日も一日頑張ろうね!

和さんの言う“あれ”とは僕の連絡先チェック。勝手に女性と連絡先を交換していないか、更には勝手に連絡をとりあっていないかを確認される。

「ねぇ…井上さんと○○君って付き合ってるの?」

「でも乃木坂って恋愛禁止だよね?」

あんなやり取りを教室でやるもんだからクラスの人からは付き合ってるのではないかという噂も出てくる。

あ、一応言っておきますけど付き合ってる訳じゃないですよ?ないのにこれです、僕はこれから一体どうすれば…そう思っていた時

??:失礼しまーす

「お、おい遠藤さくらさんだ…三年生の彼女がなんで二年生の教室に!?」

「俺初めて見たわ…めっちゃ顔ちっちゃいな//」

クラスが急に騒がしくなる。乃木坂の顔とも言える人がなぜかこのクラスにいるんだからそれもそうか

あれ?ていうかこっちに向かって来てない?

さくら:ん、君が○○君?

○○:え?あ、はいそうですけど…

さくら:和ちゃんごめん、○○君借りるね?

和:あっ…はい//

さくら:じゃあ○○君行こっか。

○○:え、ちょ、ちょっと…!

僕は腕を引っ張られてさくらさんにどこかに連れていかれる。ていうか和さんなんか照れてなかった?

そう思いながらもどこに行くか考えていると、今はもう使われてないらしい空き教室に着く

さくら:よし、ここなら大丈夫かなっ

○○:あ、あのぉ…

さくら:ん?どうしたの○○君

○○:乃木坂46の遠藤さくらさんですよね?

さくら:あれ?知っててくれてるの?嬉しいなぁー

○○:そりゃまぁ有名人なので。それより僕になんの用ですか?

さくら:そ、それはねぇ…えーっと…その……

ん?なんかモジモジし始めた?

さくら:や、やっぱ言えないよぉ…//

なんか勝手に照れてるし…

さくら:でも○○君なら素を出せるって和ちゃん言ってたし…大丈夫だよね?///

ていうか、独り言えげつないな。さくらさんってこんな人だったんだ…

○○:あの、さくらさん?

さくら:ふぇ!?ま、○○君どうしてここに!?

○○:いや、どうしてって言われてもさくらさんに連れてこられたんですけど…

さくら:あっ…確かに…//

何だこの人、天然なのかバカなのかどっちなんだ?

さくら:じ、実は○○君にはお願いがあって…

お?この流れなんか前もあったな。そしてなんか嫌な予感がするんだが…

さくら:そ、その…なんというか……

○○:……

さくら:い、今言うのは恥ずかしいから放課後ここ来て!待ってるからー!!//

そう言ってさくらさんは一枚の紙切れを置いて走って教室に戻ってしまった。紙には住所と思われる場所が書かれていた

○○:あっ…行っちゃった……

キーンコーンカーンコーン

○○:あれ?これってなんのチャイム…?

時計を見ると8時30分、朝のSHRが始まったみたいです。

担任が遅れてくることを祈って慌てて教室に戻った僕でしたが既に担任がおり、何故か遅刻扱いをされました。遠藤さくら許すまじ…

ーーーーーーーーーー

○○:えーっと…ここで良いんだよね?

放課後、紙に書かれた住所を頼りに着いたのはとんでもなくデカいマンション。入ろうにもエントランスにはオートロックがあり入れそうもない。どうしようか悩んでいると…

和:え!?○○君!?

○○:和さん…

和:ど、どうして○○君が私達の寮にいるの…?ま、まさかストーカー!?

○○:違うよ!!

和:じゃあ…あ、私のこと好きになっちゃったとか!?いやぁ〜んそうなら早く言ってくれれば良かったのにぃ!ささ、私の部屋で早くイチャイチャしよ?

○○:好きにもなってないしイチャイチャもしない。

和:ぶぅー、けち。

○○:それよりさくらさんに呼ばれたんだけど入れなくて…和さん呼んできてくれないかな?

和:さくらさんのお願いか…しょうがない、ついてきて?

こうして無事オートロックを突破した僕は和さんの後ろをついていく。

道中、和さんとの話の中で和さんはさくらさんが憧れという事を知った。

和:私は乃木坂に入る前からさくらさんのことが好きだったの!

○○:そうだったんだね。

和:だからさくらさんになんかしたら許さないからね?

○○:何もしないよ…

和:まぁヘタレの○○君が何か出来るとも思ってないけど。

可愛い顔して中々えぐいこと言うね…僕のライフはもうゼロに近いよ?

和:はい、ここがさくらさんのお部屋。

○○:わざわざありがとね和さん

和:べ、別にあんたの為じゃないし…//

この人ツンデレ属性もあるのか?メンヘラも我慢すれば付き合うのも意外とありかも…

和:じゃあね○○君……あ

○○:ん?

和:さくらさんと連絡先交換したらどうなるか…忘れてないよね?じゃあね〜っ

前言撤回、やっぱ付き合うのは絶対無理です。

○○:ふぅ…緊張してきた…

少し震える指でインターホンを押す

ピーンポーン

さくら:はーい

ガチャ

さくら:あっ!○○君来てくれたんだ!入って入って〜

○○:お、お邪魔します…

人生で初めて女性の部屋に入った…あ、姉はノーカウントですよ?

さくら:来てくれてありがとっ

○○:いえ…暇だったんで全然…//

さくら:早速なんだけど本題に入るね

○○:はい…

深呼吸するさくらさん、部屋の空気が重くなる

さくら:私ね…

まさかの告白とかあったりして…

さくら:○○君を一目見た時から…

お?これは期待してもいいやつ!?マジかー、和さんはさておきさくらさんにもモテるとか僕前世でなんかしたか?

さくらさんからの愛の告白…これはもう受けるしかないでしょ!!

さくら:私のこと罵って欲しかったの!!

○○:はい!喜んで!!

ん?勢いではいとか言ったけどこの人罵って欲しいって言った?

さくら:ほんとに!?やったー!!

○○:ちょ、ちょっと待ってください。え?愛の告白は?

さくら:ん?愛の告白?私別にそういうのはグループにいる間はしないよ?

あー、これはとんだ勘違いをしてしまった…穴があったら入りたい…

ていうかなんかこんな事言われたの2度目だな…乃木坂はしっかりしてるな〜ってそんなこと考えてる場合じゃないー!

○○:すみません罵って欲しいって言うのは具体的にどのような…

さくら:私ね、誰にも言ってないんだけどドMなの…

○○:え、キモ…

さくら:えへへ…○○君にキモいって言われた…//

やっべ、心の声が出てしまった…。けどさくらさんが喜んでるならいっか。にしてもアイドルからドMなんて言葉聞く日が来るとは…

さくら:ねぇ…もっと言ってぇ?//

○○:え、えーと…バカ。

さくら:あぁ…//さくは○○君に罵られて喜ぶおバカさんですぅ…///

えぇ…普通に引いてるんですけど…

僕の中でのさくらさんのイメージが儚く崩れ去った瞬間だった

さくら:ねぇ…もっと激しく罵ってぇ?//もっと○○君に蔑まれたいのぉ…//

目をハートにしたさくらさんにじわじわ近づかれ、恐怖心を覚える

○○:ちょ、ちょっとさくらさん落ち着いて…

さくら:さくは落ち着いてるよぉ?○○君はさくのことを罵ってくれるだけでいいのぉ///

なんだこの人…ガチでイカれてるって……

○○:し、失礼しましたー!!

さくら:あーあ、行っちゃった…//また今度頼んだらやってくれるかな…てあれ?これって…

恐怖心が限界まで達した僕は急いで部屋を飛び出した。さくらさんの部屋にスマホを落としたことも気づかずに…

to be continued…

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