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Triangle Stalkers〜僕には3人の美人ストーカーがいる〜山下美月編

美月:やっと見つけたっ♪

どうして…

遥香:ずーっと追いかけた私のダーリン♪

どうして…どうして……

和:○○さんは、もう私のものです♪

こんな事になったんだろうか……

ーーーーーーーーーー

○○:あー疲れたー…

バイト終わり、今日も居酒屋で酔っ払いを相手にしながら面倒な仕事を終わらせてきたので疲れが溜まっていた。

こっから溜まった洗濯物や朝食べた後の食器の片付け、まだ食べてない夜ご飯を作るなどをやらなければいけない…はずだった。

しかし、最近はまったくそれらをしていない。なのに家は綺麗に保たれている。

え?なんでかって?それはですね…

ガチャ

○○:ただいまー

○○:あぁ…今日もわざわざありがとうございますね……誰か知らないけど。

はい、今の僕の発言が全てです。さっき言ってた洗濯物や食器洗い、自炊は僕がバイトから帰ってくると全部終わった状態になっている。

最初は母が来てやってくれてるのかと思ってたけど、母に連絡したら違うとのことだった。

じゃあ誰?もしかしてストーカー!?いや、さすがにそれはないか…

最初はめちゃくちゃ怖くて料理も手をつけなかったが、最近は家事のストレスから解放されて、顔も名前も知らない誰かに感謝を感じているほどだ。料理も美味しいし?

しかし、事件は突然起こりました…

それはたまたまバイトが急遽休みになってウキウキで帰っていた時

○○:いやー、急に休みになった時の嬉しさといったら格別だな!

そう言いながら俺は自分の家のドアを何の気なしに開ける

○○:あれ?俺鍵かけてたよな…

確かに俺は家の鍵をかけて大学に行ったはず。だとしたら誰が…?

恐る恐る家の中に進んでいくと…

そこには料理を作る女性が立っていました。それもめちゃくちゃ美人の。

○○:え、誰?

??:ふ〜んふふ〜ん♪

どうやら女性は料理に夢中でこちらに気づいていない。

格闘技や護身術などは習ったことがない。しかし女性相手なら素人の俺でも何とかなるだろうと意を決して話しかける。

○○:あのぉ…

??:へ?ってえぇぇ!?

??:なんでいるの!?まだバイトの時間じゃん!!

○○:いや、今日は急に休みなったので…ってそうじゃなくて!あなた誰なんですか!?警察呼びますよ!?

そう叫びながら震える手で110番を押そうとする。しかし当の不審者本人はそんなことお構い無しにしゃべり続ける。

??:もー、せっかく私が○○君のお世話してるのに恩人のこと警察に突き出す訳ー?

○○:お、お世話…?

??:そうだよ!○○君のバイトが終わるまでに料理とか家事終わらせてるのは私!!

○○:あ、ありがとうございます。

なんで俺は知らない不審者に感謝の気持ち述べたんだ?

??:んふふっ、○○君から感謝されるなんて嬉しい//

??:はい、料理できた!これ持っていって!

○○:あぁ、分かりました…

なんか俺の家なのに終始相手ペースだな、解せぬ。

〜〜〜〜〜

面識も無い女性とテーブルを挟んで同じご飯を食べる。文字にしても違和感しか無いこの状況…なんなんだろう。

○○:で、あなたは誰なんですか? モグモグ

美月:私は美月、24歳

○○:なんで名前だけなんですか? モグモグ

美月:だって名字言ったら○○君名字で呼ぶでしょ?だから名前だけ!

○○:なるほど…確かに。モグモグ

なんで納得しちゃったの俺…。それにこの意味不明な状況で普通にご飯食べれるの我ながら頭おかしくない?

○○:美月さんと呼ばせてもらいます。じゃあ僕も自己紹介を…

美月:大丈夫!君の名前は○○君、近くの大学に通う21歳で彼女無し。好きな食べ物はハンバーグで嫌いな食べ物はナス、駅前の居酒屋でバイトしててシフトは月、水、金、土曜に入ってる。最近ハマってることはサウナで…

○○:ちょっとストップ。

美月:え?もしかしてどこか間違えた!?私としたことが…

違います、どこも間違いがなくて気持ちが悪いんです。

○○:なんでそこまで俺のこと知ってるの…?

美月:ん?そりゃあ好きな人のことはなんでも知りたくなるでしょ?

さも当たり前でしょ?と言わんばかりの表情で怖いことを言う美月さん。あ、はじめましてだし歳上なので一応さん付けね?

○○:はい?好きな人??

美月:うん。私、好きな人には尽くしたいタイプだから。

○○:いや、でも勝手に人の家に入るのは不法侵入で犯罪ですよ!?あ、ていうか鍵!どうやって手に入れたんですか!?

美月:え?ここの家の管理人さんに○○君の彼女って言ったら合鍵くれたよ?

おいおい、セキュリティどうなってんだ?あのおじいちゃんこのご時世そんなセキュリティじゃ困りますよ…

○○:なんであげちゃうかな…

美月:まぁ私が可愛いから?

○○:いや、確かに可愛いですけどさすがに犯罪じゃないですか…

美月:か、可愛いだなんてそんな…///

自分で言っといて人に言われて照れるのはどうなんだ?

○○:ていうか、美月さんのやってる事れっきとした犯罪なので警察に通報させてもらいますね。

美月:そ、それだけはやめて…

○○:無理ですよ。自分のやってきたこと思い出してください。

美月:で、でも○○君も家事しなくていいんだよ?楽だったでしょ…?

確かに。めちゃくちゃ楽だったのは言うまでもない。

○○:…だとしてもダメです。知らない人を家にあげるのは俺も怖いですし。

美月:なるほど、じゃあ私が○○君にとって知らない人じゃなくなればいいってことね…

○○:はい?どういうことですか?

スっと立ち上がった美月さんは椅子に座る俺の膝の上にチョンと座った。

○○:え?なにしてr

声をあげようとしたが、美月さんによって口が塞がれてしまう。

美月:んちゅ…はぁ

○○:はぁ、はぁ…何s

次の言葉を紡ごうとするが、すぐに美月さんの柔らかい感触が呼吸を妨げる。

美月:はぁ…んん

○○:ぁあ…

酸欠になりそうな脳で、口の中に美月さんの舌が入ってきた事実を理解する。

美月:んはぁ…これで知らない人じゃなくなったね

○○:はぁ、はぁ、

美月:じゃあ…こっから先のこと、しよっか。

○○:………

美月:何も言わないっていうことは、そういうことだよね?

〜〜〜〜〜

この後、無事(?)一線を越えた僕と美月さんは他人では無くなり美月さんをこれまで通り僕の家に出入りさせることになりました。

to be continued

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