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人気アイドルたちはなぜかただのクラスメイトの僕にアピールしてきます

ガラガラ

「でさー、昨日の夜妹が…○○おはよっ」

「おはよー、お前また寝癖ついてるぞ?」

○○:おはよ。

クラスメイト数人と挨拶を交わし、自分の席に着く

僕の名前は橋本○○、17歳の高校2年生。姉が1人いるがそれは後々紹介することにしますね。

僕が通う坂道高校は坂道大学の附属高校で生徒の約9割が高校を卒業後に坂道大学へと進学する。

僕も高校を卒業したら坂道大学へと進学するつもりだ。いや、進学せざるを得ない状況になった、と言う方が正しい。

そうせざるを得なくなった原因は色々あるが隣の席の子も一因である。まだ来ていないので今のうち寝たフリでもしておこう…

『おはよ〜』

やばい…来た……

「おはよー!!」

「はぁ…今日もいい匂い…癒されちゃう…//」

「やっぱ可愛いよなー…」

そんなことをクラスメイトに言われながら彼女は自分の席に着く。そして寝たフリをしてる僕に向かって一言

『○○君おはよっ!』

○○:………

僕は寝たフリをしているのでここで返事をする訳にはいかない。

『○○君おはよっ!!』

僕は寝ている…僕は寝ている……

『聞こえてないのかな…?おーはーよーう!!』

めちゃくちゃ聞こえてます。なんならうるさいです。

『ねぇねぇ!起きてるんでしょ〜!!!ユサユサ』

○○:…… ムクッ

『おはよっ!○○君!!』

○○:おはよ…井上さん……

この方が僕の隣の席の井上和さん、乃木坂46として活躍している。

この坂道高校と坂道大学には乃木坂46の学生メンバーが数多く在籍していて、アイドル活動と並行しながら学生生活を送っている。乃木坂以外にも他のアイドルたちもいるらしい。


和:毎回なんで寝たフリするのさ!!

○○:寝たフリなんかしてない、眠いから寝てるだけだよ。

和:嘘だ!私と話たくないんだ!!

ここで僕は少しいじわるをすることにした

○○:あれ、バレた?そうだよ。

和:えっ…そうなの…?

やば…泣かせたら面倒なことに…

「おい○○!和ちゃん泣かせんなよ!!」

「俺が代わりにお前のことボコボコにするぞ!?」

泣かせんなよはまだ分かるよ?けどボコボコにするはさすがに酷すぎない??

○○:ご、ごめん井上さん…

和:じゃあ私の言うことなんでも聞いてくれる…?グスン

そういうのってそっち側から提案することあるんだ…

○○:え、いやなんでもはちょっと…

和:う、うわぁ〜ん😭

「○○てめぇぇえ!!」

「まじで東京湾に沈めるぞゴラァ!!」

なんだろう、この圧倒的アウェー感。それにさっきからヤーさんみたいな人いるよね!?

○○:わ、分かったよ!なんでも言うこと聞くから!!

和:ほんと!?やった〜!!

○○:………

嘘泣きだったのね、まんまと騙されましたよ。にしてもあの涙が演技なら井上さんドラマの主演いけるよ?朝ドラとか全然いけちゃうよ??

和:じゃあ私のお願いは放課後に屋上で伝えるね?

○○:う、うん…

どんな要求をされるのか…お金?奴隷になれとか!?

そんな不安でいっぱいで、僕は授業に集中出来なかった

ーーーーーーーーーー

放課後

和:ごめんお待たせっ!ちょっとお仕事の連絡があって遅れちゃった!

○○:大丈夫だよ、忙しいんだね。

和:おかげさまでね。

○○:それで、お願いって…何?

和:あ、それね!まずは〜、名前で呼んでっ!

○○:まず?一つだけじゃないの?

和:私は一つだけなんて一言も言ってないよ?

なるほど、僕が勝手に一つだけと勘違いしてたのか…でもそう言うのって一つだけだよね?何個も普通頼まなくない?

○○:もしそれを拒否したら?

和:ん〜、秋元先生に頼んで○○君が今後社会で生きていけないようにしてもらうかも。

あっ、ダメダメ。アイドルが言っちゃダメなこと喋ってるよこの人。

○○:つまり僕には拒否権が無いと…

和:でもそんなに難しいことは要求しないから安心して!!

○○:それなら大丈夫かな

和:えーっとね、まずは私とLINEを交換してほしいの。それから私以外の女の人の連絡先は消して〜、話すのも禁止!!

ん?なんか嫌な予感がするんだけど…

和:毎日夜に電話しようね!電話はワンコール以内に出る事!!連絡も1分以内に必ず返信する事!!

これってあれですよね?メンヘラと呼ばれるやつですよね??

和:それから学校でも街でも女の人を見るの禁止!目なんか見るの絶対ダメだよ?家族とかも出来ればやめて欲しいけど…しょうがないから許す。ほんとは同じ空間に私以外の女の子がいるのを禁止したいんだけどさすがに○○君が可哀想だからなぁ…

○○:ちょっと待って和さん

和:ん?どうしたの○○君?

○○:いや、思ってたよりも要求が多いって言うか…

和:そう?でも全部簡単な事だから○○君なら守れるよ!!

僕はそうは思いません。

○○:和さんってなんかこう…メンヘラみたいなんだね。

和:メン…ヘラ……?何、それ?

どうやら和さん、自分がメンヘラということを知らないらしい。一番タチが悪いやつじゃん…

○○:和さんって乃木坂だよね?僕みたいな男子を相手にそんな事してたら色々まずいんじゃ…

和:それなら大丈夫!この学校セキュリティ万全だから週刊誌とかは一切入れないの!!

確かにニュースでも秘匿性の高い学校として有名だったな…。普段はもちろん体育祭ですら親族や友人以外の立ち入りが制限されてるし

○○:でもなんでそんな事を…

和:……好きだから。

○○:え…//

和:○○君の事が好きだから。それだけの理由じゃダメ…?

○○:け、けど和さんはアイドルなんだし

和:アイドルの前に女の子だもん!私だって男の人を好きになるよ……

○○:………

和:○○君は私がおかしいと思う…?好きな人を独占したいと思う私が変なのかな…??

○○:いや…和さんは変じゃないよ…

和:ほんと…?

○○:うん

和:ねぇ○○君

○○:何?

和:私と…お…お……//

○○:お?

和さんにさっき言われた好きという言葉、そして今緊張して言葉に詰まってる…ははーん、このパターンは告白だな?和さんみたいな美人と付き合えるなら僕も嬉しいな〜

和:私とお友達になってくれないかな…?

○○:はi……ってえ?

和:えっ…ダメ……?

○○:あぁいや、友達になるのは良いんだけどさ、てっきり付き合ってって言われると思ったから…

和:うわ、自惚れてる…

○○:いや、和さんが僕のこと好きって言ってきたんじゃん。ちょっとは期待するよ

和:付き合いたいけど乃木坂にいるうちはグループに迷惑かけたくないし、そういうのはやらないって決めてるから。

○○:うん、偉いよ和さん ナデナデ

和:あ、ありがと…///

和さんと付き合えたら毎日がキラキラするんだろうな…。和さんと付き合うのも意外とありかも?あれ、もしかして僕和さんの事好きになってる…?

和:じゃあ○○君、まずは友達の証としてLINE交換しよ!

○○:うん、はいQRコード

和:ありがと!ちょっと携帯貸して?

そう言われ半ば強引に手元から携帯を取られる

あれ?QRコード読み取るだけだよね?遅くない??

○○:あのぉ…

和:よし出来た!ありがとね○○君、また明日!!

そう言って携帯を返してくれた和さんは颯爽と帰っていく。その背中からスマホの画面に目をやると

○○:あれ…女子の連絡先全部消えてる……

前言撤回、やっぱり和さんのこと好きになれません。

to be continued…

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