おがちかつ

徒然に付き合って頂けたら幸いです

おがちかつ

徒然に付き合って頂けたら幸いです

マガジン

  • 読書感想記

    読み終わった本の感想を徒然と。

最近の記事

  • 固定された記事

おなら

誰もいないから、その隙におならをしたら、 そういう時に限って 人が来るんですよね。 こっちは匂いでバレないかひやひやしているのを、知らないでしょうあなたは。

    • 若草物語

      ルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』を読んだ。 読み終わったあとに、日本でドラマをやることを知ってタイムリーすぎて笑ってしまった。 南総里見八犬伝を読んだときも、読んでる時に映画化の話を知って、人知れず興奮したが、 だからと言って何ということもない。 メグ、ジョー、ベス、エイミーの四姉妹のお話。 少女が大人になっていく過程を、愉快に描いているという印象。 正直ストーリーがおもしろいというものではないので、名著になったわけを知りたくて読んでいたが、 日本で改めてドラ

      • これが私の優しさです

        谷川俊太郎さんの『これが私の優しさです』を読んだ。 詩は、本当によくわからない。 よくわからないながらも読み進めて、 ああなんとなくわかる、っていうところを探した。 世の中にはたくさん 知らなきゃいけないこと、 知っておいたほうが良いこと、 あるけれど、 詩というのは、 本当は知らなきゃいけないことなのではないかと思う。 小説、俳句、エッセイ、音楽、 自分が感じることを表現する方法は色々ある。 全て自然の発露というか、 人の感情が触れだした結果、形になって形式にな

        • 少年動物誌

          河合雅雄さんの『少年動物誌』を読了。 自然の中で遊ぶ、 と言うととても豊かなことのように思うが、 この本の中の少年は、さながらターザンというか、 とても無慈悲だ。 平気でカエルなどを殺してしまう、 鳥におもちゃの鉄砲を打つ。 わんぱくすぎる、と思ったが、 筆者が子どもの時分はこんな子どもばかりだったそうな。 昆虫や鳥、爬虫類、魚 いろいろな生き物を捕まえて、その反応を楽しんだり、 森の中の静けさが怖くなったり。 今となってはこんな自然とのかかわり方は私には絶対にでき

        • 固定された記事

        マガジン

        • 読書感想記
          21本

        記事

          変身

          フランツ・カフカの『変身』を読了。 毒虫が、 ひきこもりになった青年や 介護が必要になった人に置き換えると、 苦しくなるような小説だった。 裕福な家庭で育ったカフカは、 家族とわかり合えない孤独を持っていたのだろうか。 それによって周りを救う死があると信じていたのだろうか。 働きながら書き続けたカフカは、 書くことによって生を感じ、 書くことによって死を感じていたのではないだろうか。 書いても書いても満たされないから、 死んだ後は作品を燃やして欲しかったのかもしれない

          オー・ヘンリー傑作集2

          オー・ヘンリー『オー・ヘンリー傑作集2最後のひと葉』を読了。 最後のひと葉を読んでみたかったが、どうせ ならと他の作品も読める傑作集を選んだ。 軽快な短編ばかりで、 最後のひと葉のような作品ばかりかと思ったら どちらかというと最後のひと葉が異色だったように思う。 犯罪者の主人公がよく登場するのは、 自身も刑務所にいた経験からか。 オー・ヘンリーの経歴を見ると、 幼い頃に母が亡くなり、 私塾を営む叔母のもとで育てられた。 その頃に本が好きとなったが、 薬剤師やジャーナ

          オー・ヘンリー傑作集2

          なぜ人に会うのはつらいのか

          作家で元外交官の佐藤優さんと精神科医の斎藤環さんの対談本、 『なぜ人に会うのはつらいのか』 を読んだ。 私自身、人に会うことで多くのエネルギーを消費する人間であり、 コロナ禍でオンラインが浸透して、だいぶ助かった、そんな経験がある。 いままたオンラインから対面へと戻りつつある中で、 改めて対面で人に会うということの労力を感じ始めた。 そこでタイトルに惹かれてこの本を手にとったのでした。 この本を読む前に、H.G.ウェルズの『タイムマシン』を読んだからか、時間に関する箇所に

          なぜ人に会うのはつらいのか

          タイムマシン

          H.G.ウェルズの『タイムマシン』を読んだ。 80万年後の未来にタイムリップした話だが、 まず自分の想像力のなさが悔しかった。 ウェルズがせっかく80万年後の未来を克明に書いているのに、想像力が追いつかず、 頭の中でその世界をイメージすることができなかった 富裕層と労働者層の逆転が起き、食糧難から労働者が富裕層の人間を食用として管理するようになる。 このように簡単に書くととんでもない妄想だと思えてくるが、 ウェルズの『タイムマシン』1ページ1ページ読んでいくと、 なん

          タイムマシン

          あしながおじさん

          ジーン・ウェブスターの『あしながおじさん』を読了。 私の中ではタイトルだけが一人歩きしていた感じがしている。 ので、ちゃんと読もうと思って読んだ。 読み終わって、私は考え込んでしまった。 これはどういう小説なのだろう。 ジュディのシンデレラストーリーのようでもあり、 少女から自立した女性へ成長するサクセスストーリーでもあり。 面白いのは、ジュディが赤毛のアンのように何事にも価値を見出すような強い女の子ではないこと。 作家になれるかもと希望を抱きながらも、だめかも

          あしながおじさん

          パラダイス・ウォーカー

          中村勝雄さんの『パラダイス・ウォーカー』を読了。 脳性まひの著者がハワイや香港への一人旅から、自身の半生を振り返るような形で障がい者としての自分を綴っていくものでした。 ヘレン・ケラーの「障害は不便だが、不幸ではない」という言葉に対して、障害が不幸のはじまりであることは間違いないと綴る著者、排泄のことなども赤裸々に書いてあり、自身のことをさらけ出す著者の強さと覚悟を感じました。

          パラダイス・ウォーカー

          ガラスのうさぎ

          高木敏子さんの『ガラスのうさぎ』を読了した。 筆者少女時代の戦争体験をありのまま書き綴った本書、 子どもにも読めるように簡単な言葉で書き綴っているからこそ、 真っ直ぐ伝わってくる悲惨さがあった。 母と妹二人が行方不明になった直後、 父を機銃掃射で失った。 「わたしはほんとうに、ひとりぼっちになってしまった。戦争って、人と人との殺しあいではないか。でもわたしは、誰も殺していない。やっぱり、戦争なんかはじめるのがいけないのだ。だれがはじめたのか。」 8月15日の玉音放送、直

          ガラスのうさぎ

          キング牧師〜人種の平等と人間愛を求めて

          岩波ジュニア新書 『キング牧師〜人種の平等と人間愛を求めて』を読んだ。 キング牧師といえば、公民権運動。 黒人のリーダーとして黒人のために活動した、という印象しかなかったが、 リーダーの孤独を嫌というほど経験した人物だった。 黒人に自分たちと同じ立場になってほしくない白人、 同じ黒人でも、キング牧師のやり方には賛同ができない黒人がいて 白人からも黒人からも批判を受け続けた。 自分を恨んでいるその人の為に行動しているのに、理解されない孤独は耐えられるものではなかったはずだ

          キング牧師〜人種の平等と人間愛を求めて

          たけくらべ

          現代語訳のたけくらべ、にごりえを読んだ。 吉原で少女から大人の女性になる姿を描いたたけくらべは、 少年少女の好意を抱く気持ちや嫉妬、周りを意識した言動になっていく成長の過程を、柔らかく描いているという印象を受けた。 にごりえは、遊女が客と心中に至るまで。 最後の最後、どういう心境で心中に至ったかは読者の想像に任せている。 どちらも最後は読者にゆだねているような格好だ。 自分の存在意義のようなものに深く頭を悩ませ、心が苛まれることは、人間誰しもあるが、 女性の、特に遊女の

          結婚ってそういうもんじゃなくない?

          「結婚ってそういうもんじゃなくない?」 仕事から帰る道すがら、そんな声が聞こえてきた。 恐らく中学生、の女の子から放たれたその言葉が妙に耳に残ったので、 なぜその発言に至ったのかを想像してみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「結婚ってそういうもんじゃなくない?」 彩のお姉ちゃんが結婚するらしい。 おめでたいと思ったが、詳しく聞くと彩のお姉ちゃん、というよりその周りがあまり納得いかない様子。 彩のお姉ちゃんはとても面白い女性

          結婚ってそういうもんじゃなくない?

          ガラスの地球を救え

          手塚治虫の『ガラスの地球を救え』を読了した。手元に置いておきたい一冊だ。 手塚治虫の漫画はアトムとかブラックジャックをアニメで観ただけで、ちゃんと漫画で読んだのはアドルフに告ぐだけ。 それでも 数々の作品について、手塚治虫は こんなことを思いながら描いてたのか、 と感嘆した。 簡単な言葉で、身近な例で綴っていく言葉からは手塚治虫の謙虚な姿勢が表れているような気がした。 そしてここで綴られている手塚治虫の未来への危惧、その通りの今になっていることに気づく。 想像力の大切

          ガラスの地球を救え

          太陽の子

          灰谷健次郎の『太陽の子』を読んだ。 主人公のふうちゃんが、周りの大人の過去を知り、沖縄を知り、悲惨な歴史を知っていくその流れが丁寧に書かれていて、 ともすれば作者の主張の押し付けになりそうなところをふうちゃんの気付きとして上手にえがいていた。 子どもに読ませたい本、読み終わってまずそう思った。 自分の生はたくさんの死に連なっていて、 それを忘れてしまうのでは日本人の堕落だと言う。 歴史を学ぶ意義もそこにある気がする。 今自分が生きている時代は、 死んでいった人が喉から