見出し画像

食と本能について

本能にしたがって食べることについて

「人は、そのとき体に必要なものを本能的に食べたくなるようにできてるんだよ」

「だから、甘いものを食べたいときには甘いものを食べて、脂っこいものが食べたいときには脂っこいものを食べた方が健康にいいの」

上のような話を聞いたことはありませんか?

私は反対です。

もちろん、食べたいときに食べたいものを食べて人生を楽しむことはすばらしいことです。

しかし、それが人にとって常に健康的であるかといえば全くそんなことはないと考えます。

今回はそんな話です。


本能について考える

「牛や馬は、教えられなくても草を食べる。それが生きていくために必要だと本能的にわかっているから」

ここまではよく聞く話ですし、私も否定しません。その通りだと思います。

しかし、

「だから、人もそのとき食べたいものがそのときに必要なものなのだから、常に食べたいものを食べるべきである」

と話がつづいたら、ちょっと待ってくれとなります。

本能というのは「無意識に発動する」ものでなければなりません。

例えば、

「あー、今日は疲れたー!なんか無性に甘いものが食べたいな」

や、

「今日は汗をいっぱいかいたなー。ちょっとしょっぱいものが食べたいかな」

といったような「無意識に発動する」症状は、本能と言えるかもしれません。

実際、疲れたときには糖分が必要ですし、汗をたくさんかけば塩分が必要になります。

また、女性の日前後に食欲がどうしても抑えられないという方はよくいらっしゃいますが、同じく本能的なものと言えると思います。


本能とはいえない食欲

しかし、

外部から引き起こされる食欲もあります。

例えば、

テレビでラーメン特集をやっていたから食べたくなった。

近所から焼肉の匂いがしたから食べたくなった。

職場で隣のひとがUFOを食べていたから食べたくなった。

などです。

人が食ってるとやたらと美味しそうに感じるやつですね^^

それは、本能ではなくただの外部から引き起こされた食欲にすぎません。

本能とは分けて考えるべきものです。

外部からの欲求にしたがって食べたものは、もちろん余分な栄養ですから脂肪として体に蓄積されます。


食べたいものを食べつづけるのは健康的ではない

上記の糖分や塩分の例のように、本能にしたがって栄養を摂ることは重要です。体が必要としているのですから。

しかし、

「食べたいものを食べるのが健康的なんだ」と信じて、外部から引き起こされた食欲も含めて、関係なく食べていけば、

平均的な体質の方でしたらすぐに太りますし、太りすぎは健康も害します

食べたいものを食べることが必ず健康につながるとは思えないのです。


大切なのはバランス

必要なものを食べたくなるという本能はたしかにあるのでしょうが、

必要でないものを食べたくなる食欲も間違いなく存在します。

その2つをごちゃ混ぜにして、「食べたいものを食べるのが一番健康的だよ」としてしまうのは、逆に不健康を引き起こしてしまいかねません。

とはいえ、常にストイックな食事を心がけなさいと言うつもりはありません

そもそも、食事は楽しいものですし、

たまには、贅沢したり脂っこいものを食べてストレスを発散するのは決して悪いことではありません。

本能と、外部から引き起こされた食欲のバランスをとり、自分なりに調整すれば良いのです。


追記

みなさんのまわりに、とてもスリムなのにも関わらず食べたいものを食べたいだけ食べてると言う方はいませんか?

人には体質というものがあり、たくさん食べても太りにくいという方は一定数いらっしゃいます。

そして、そんな太りにくい方に限って「食べたいだけ食べるのが健康的」といった魅力的な言葉を投げかけてきます。自分自身の経験から語っておられるのでしょう。

しかし、そのやり方がみなさん自身にも当てはまるかどうかはわかりません。

過去、ついつい食べすぎて太ってしまった経験がある方にはまず当てはまりません。

食事は、自分自身に合ったバランスというものを見つけて、健康を維持しつつ、たまには贅沢をするくらいのノリで楽しんでいきたいものです^^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?